海外留学保険の基礎知識|国別加入事情や確認するポイントを解説

いざ海外留学をしようと思うと学校の費用や航空券の他に海外留学保険の加入も考えなければいけません。
ただ、留学保険も様々な種類があり、何がどう違うのか、保険に入ることでどういった恩恵があるのか、いまいちよくわからないということも多々あるかと思います。
海外留学保険について、必ず加入すべき理由や保険商品を選ぶうえでのポイントについてご紹介したいきたいと思います。
海外留学保険の加入は必須
海外留学保険へ加入するのは、厳密に言えば任意です。加入しなかったからと言ってペナルティがあるものではありません。そのため、実際に加入せずに海外留学へ臨まれる方も僅かながらにいます。ですが、留学エージェントとしては加入を絶対に勧めています。
海外にはトラブルはつきものです。
例えば、海外は日本と違い軽犯罪が多い傾向にあります。窃盗・盗難・詐欺などに合う確率は日本よりも高いです。また、海外で風邪をひく、病気になるということもあり得ます。身近な例では飛行機の遅延なども良くある話です。
留学では長期になればなるほど、このようなケースに遭遇する確率は高くなります。
では実際に、所持金が盗まれた、海外の病院に通院する必要が出てきた、飛行機が遅れて搭乗予定の便に乗れなかった等々、もしこのような事態になり保険に加入していないと全ての費用は自己負担となります。特に海外で病院で診断したり治療されるということになると莫大な費用が発生します。これらも全て自己負担です。
こういったことで自己負担を軽減したり、自己負担をなくすためにも、事前に海外留学保険に加入しておくべきなのです。というより、加入は必須と思っていたほうが良いでしょう。
海外留学保険の国別加入事情
こういった不測の事態に海外の留学先の学校としてもしっかり対応できるように、留学先で保険の加入を強制される場合もあります。
アメリカ
アメリカでは、主に大学に留学する場合は、大学側が保険の加入を求めてきます。保険に加入しなければ、授業が受けられない、または学生として登録されないシステムになっていますので、必ず学校側が求める保険に加入しなければなりません。ただし、学校側が求める保険の補償内容と補償額がカバーされている保険に加入していれば、その証明を提出することで学校側の保険への加入が免除される場合もあります。
イギリス
イギリスでは、6ヶ月以上のビザを申請する際に、イギリスの国民保険(NHS)の保険料の支払が強制されます。その分、日本と同じようなイギリスの国民保険制度を活用することができるようになっています。
カナダ
カナダでは、ビザ申請などで保険料の支払が強制されることは無いですが、アメリカと同様に教育機関側で求めてくる場合があります。またサマープログラムなどアクティビティ主体のプログラムでは保険の加入が求められます。
オーストラリア
オーストラリアは、学生ビザの申請の際にOSHCと呼ばれる保険の加入が必須となります。この保険に加入していないと学生ビザの申請が完了できません。
このように、日本で海外留学保険に加入していなくても、留学先で保険の加入が強制されるというケースもあります。これらのケースに当てはまる場合は、否が応でも保険料の支払を行わなければなりません。
こういった留学先で求められる保険料の多くは、病気やケガの際の治療や通院を補償するものです。もちろん保険に応じて最高補償額が決まっていますので、その範囲内で補償するということになります。
海外留学保険を選ぶときの確認ポイント
では、日本で事前に海外留学保険に加入するとして、どのような点に注意して保険商品を選んでいけばよいのでしょうか。もちろん保険料の高い安いは保険会社にもよるところもありますが、主に①治療救援費用の保険金額・②歯科治療費・③留学中の他国旅行といった点に大きく分けることができるかと思います。
治療救援費用の保険金額
海外の病院で診断を受けるようになった場合、高額な医療費が請求されるという話を聞いたことがあるかもしれません。実際にその通りで、無保険で海外の病院で診断治療を受けるとなると高額な料金が請求されます。
例えばアメリカで1日あたりの治療費は、平均で$2,883と言われています。日本円にすると約43万円です。これに外科手術も加わると優に$100,000(約1500万円)は超えてきます。
これはアメリカに限らず、イギリスやオーストラリアなど他の留学先の国でも同様の傾向があります。
こういった状況を考えると、海外でのケガや病気に備えて海外留学保険に加入しておくのはとても重要という事が分かります。
海外留学保険での治療費の補償額は留学の期間や留学先に応じて様々ではありますが、1000万円から無制限といったものまであります。長期になればなるほど補償額も多くカバーできていたほうが安心です。
「歯科治療費用」が補償項目に入っているか
海外留学保険で見落としがちなポイントとして歯科治療費用が含まれているかという点もチェックすべき項目です。
通常、海外留学保険では特約として付与しない限り、上記の治療救援費用の中に歯科治療費は含まれていません。もちろん特約として歯科治療を付ける場合、保険料も増えることになります。その為、留学される方の多くは(特に長期になる場合)、日本出発までに日本で歯科治療を済ませておく方が多いです。
短期の場合は多少我慢して帰国してから歯科治療を受けるということもできますが、長期であれば歯科治療の為に帰国するという事も難しいのが実情です(または一時帰国の際に治療してもらうことも)。
海外の留学先現地で歯科治療を受けるとなると、歯石除去だけでも日本の3倍~21倍とされています。
このことからも、海外留学保険に加入する場合は、歯科治療費が含まれているか確認することも大切です。
留学先から他国に行く場合の補償は?
留学中に近隣諸国に旅行したりするなど他国を旅行する機会も出てくるかと思います。その場合の保険の扱いですが、詳細は加入するそれぞれの保険会社に確認が必要となります。
大まかには加入している保険商品が留学先の国と旅行先の国が同一地域の扱いであれば、そのまま同じ補償内容が適応されるかと思われます。
ただし、留学先の国と旅行先の国が別地域として分類されていれば、基本的には別地域での保険の扱いは適応範囲外となってくると思われます。
この点は、加入する保険商品によっても扱い方が異なってくると思われますので、詳細につきましては加入する保険会社にご確認ください。
海外留学保険は安さだけで決めるのは危険
以上のことからも海外留学保険に必ず加入した上で留学先に渡航することが重要です。まれにではありますが、保険料の負担が増えるため海外留学保険に加入しない方もおられます。もちろん加入するかしないかは任意ではありますが、当社では必ず海外留学保険に加入して日本を出発することを強く推奨しています。
このような海外留学保険は、日本を離れてしまうと加入できない商品がほとんどですので、必ず日本出発までに加入するようにしてください。
また、保険料の値段だけで保険商品を選ばないようにしましょう。
しっかり補償内容や補償金額を精査したうえで保険商品を選ぶようにしてください。保険会社によっては海外でのサポートサービスや飛行機の遅延時のサポートなど通常の補償内容にプラスして付加価値のあるサービスを提供してくれている所もあります。
ご自身の意向に見合った補償内容と補償サービスで保険商品を選ぶようにしてきましょう。
海外留学保険にも様々ありますので、これらの種類に関してはまた別記事でご紹介いたします。