オンライン留学のメリットやデメリットについて考えてみる
2020年の春から全世界に拡大した新型コロナウイルス(COVID-19)は世界中の学校や大学に多大なる影響を及ぼしています。入国制限や航空機が飛ばないという現状もあって留学先の国に渡航できないという状況の中、各国の語学学校や大学が代替手段として提供しているのがオンラインレッスンです。
では、この留学しないオンラインレッスンにはどういったメリットやデメリットがあるのかを考えてみました。留学したいけどなかなか渡航制限などで留学できない場合で、留学先でのオンラインレッスンを検討してみても良いかなと思う方やオンライン留学ってどういった特徴があるのか知りたい方など、是非参考にしてみて下さい。
オンライン留学とは
各国の渡航制限やビザ審査の休止などで実際に渡航して留学することができない状況に鑑みて各国の語学学校や大学などで提供されているのがオンラインレッスンです。
その学校で行っているレッスンをZOOMなどのオンライン会議システムを利用して英語などの語学のレッスンを提供するというものです。オンライン英会話とは異なり、マンツーマンではなくグループレッスンをオンライン上で行い他の生徒との交流もオンライン上で可能なため、オンライン留学という言葉で表現することも間違ってはいないかもしれません。
このオンライン留学ではどういったレッスンが実施されているのか、またそのメリットやデメリットにはどういったことが考えられるのかを以下でご紹介していきます。
オンライン留学で行われるレッスン
オンライン留学で提供されるレッスンは、語学学校などで通常行われているレッスンがそのままオンラインで受けられるようになります。
一般英語
多くの語学学校では一般英語レッスン対面で行っていますので、オンラインでももちろん一般英語のレッスンを受講できるようになります。先生が一人ついて10人程度の生徒さんがオンラインレッスン上に集まりグループでレッスンを行います。
マンツーマンのレッスンと異なる点はグループでオンライン上でレッスンが受けられるという点、そのためオンライン上ではありますが他の生徒との交流も持てるという点がオンラインのマンツーマン英会話とは異なる所でしょう。
またオンラインのマンツーマン英会話では多くの講師がフィリピン人講師という点が挙げられますが、欧米の語学学校で行うオンラインレッスンの講師は欧米のネイティブとなりますので、そういった点も異なると言えます。
IELTS/TOEFLなどの試験対策
もちろん語学学校では、一般英語だけでなくIELTSやTOEFLといった英語試験対策コースもオンラインで提供している学校もあります。こういった英語試験の対策コースはフィリピン講師系のオンライン英会話では扱っているところが少ないので、本場の専任講師によるIELTSやTOEFLの試験対策授業を日本にいながらオンラインで受けられるのは大きな特徴かもしれません。
特にケンブリッジ英検などは日本で受講できるレッスンもまだまだ少ないため、イギリスやオーストラリアなどの語学学校のオンラインレッスンで日本にいながら受講できるのは便利だと思います。
ビジネス英語
ビジネス英語もオンラインで行う学校も出てきています。通常ビジネス英語で留学するとなると通常に比べて授業料が高くなる傾向にあるので、日本にいながら欧米の講師の下でビジネス英語レッスンをオンラインで受けられるのは、渡航費や滞在費が掛からない分費用的にもお得だと思います。
またこちらもグループレッスンとなりますので、日本にいながらオンライン上で他の国のビジネスマンや社会人と知り合うことができるのも特筆すべき点だと思います。
大学カレッジ進学準備コース
恐らくオンラインレッスンで一番メリットが大きいのは、パスウェイコースやファウンデーションコースと呼ばれるこの大学進学準備コースではないでしょうか。
欧米の大学やカレッジに進学するとなると、進学してからが費用が掛かってきます。実際に進学準備コースのために留学した場合、更に授業料だけでなく滞在費などの費用も必要となってきます。
日本にいながら欧米の大学やカレッジに進学できる準備コースをオンラインで受講し、日本で進学準備コースを修了後にそのまま大学やカレッジ進学のため欧米に渡航すると考えると、進学準備コースで本来必要だった滞在費が不要になり、その分を大学やカレッジへの留学費用に充てられます。
留学の主目的が大学やカレッジで勉強することであれば、その前段階である大学カレッジ進学準備コースを日本にいながらオンラインで受講できるというのは費用的にも大きなメリットになります。
小中高生向けのサマースクール
ジュニアサマープログラムと呼ばれる、夏の時期に行う小中高生向けの1週間~4週間程度のサマースクールもオンラインで行うプログラムも提供されています。
ジュニアサマープログラムは、英語レッスンと現地でのアクティビティが主な要素となっています。残念ながら現地でのアクティビティをオンラインで行うことはできませんが、英語レッスンや参加者同士でちょっとしたパーティーのようなもの(オンライン飲み会のような感じでしょうか)が企画されていたりもします。
オンライン留学のメリット
1. グループで受講できる
オンライン留学のメリットは、マンツーマンとは違いグループによるレッスンという点だと思います。通常の対面レッスンによる留学と同様にクラスメイトがいますので、ある程度クラスメイトとの交流はできると思います。
2. 費用面で大きな節約
日本にいながらオンラインで受講できますので、渡航費や現地での滞在費は不要です。その分沢山の費用を掛けずに留学と同じような体験が日本にいながらできるという点が大きなメリットになります。
3. 欧米講師による授業
欧米の語学学校にいるネイティブの講師から教わることができますので、語学学校のある国の発音や言い回しなどネイティブの講師から本場の英語を学べることができます。
4. フランス語やドイツ語なら更にメリット大
巷にはオンライン英会話など沢山ありますが、英語以外のフランス語やドイツ語などの外国語のオンラインレッスンはまだまだ発展途上です。カナダやフランスの学校はフランス語のオンラインレッスンを行っていますし、ドイツの学校もドイツ語のオンラインレッスンを行っています。このコロナを機に多くの語学学校がオンラインレッスンに舵を切っていますので、まだ数が少ない英語以外の外国語をオンラインで日本にいながら受講できるということにはメリットがあると思います。
5. 海外の大学やカレッジへの進学に向けて
将来的に海外の大学やカレッジに進学したいという志を持っている場合は、日本にいる間に進学準備コースを受講し英語力を高めておいて、多大な費用を掛けずに本来の目的である海外の大学やカレッジ進学に集中していけるという点でオンライン留学のメリットがあります。
オンライン留学のデメリット
逆にオンライン留学のデメリットを考えてみたいと思います。
1. 対面的な交流ができない
オンラインでグループレッスンで他の生徒とも交流が持てると言っても、やはり限界があります。実際の教室であればちょっとした世間話も軽くできて仲良くなれますが、オンラインだとそこまでできるかという疑問が出てきます。
2. 留学先での体験が少ない
留学の醍醐味は英語などの語学や専門的なことの学習だけではありません。留学した先の町で買い物したり食べに行ったり、滞在先で他の生徒やホームステイのホストと交流したり、現地の町を歩いたりといった五感での体験も留学の醍醐味の大きな要素です。オンライン留学ではそういった体験ができません。
3. 時差を考慮
海外の学校が主催しますので、やはり時差ということも考慮する必要があります。もちろん学校によって時差を考慮した時間割を出してくれるところもありますが、生徒は世界中から集まるため日本人などのアジア人生徒だけに都合の良い時間割でレッスンを行うのは難しいことも考えられます。
オーストラリアやニュージーランドの学校は時差がほとんどないので日中に受講できます。ヨーロッパの学校は夕方~夜、北米東海岸の学校になると夜遅く~夜中、北米の西海岸で夜中~早朝という時間設定になるため、時差で学校を選ぶ必要も出てくるかもしれません。
最後に
コロナウイルスの世界的蔓延を契機に本格的に着手されたオンライン留学ですが、メリットもあればデメリットもあります。学校によってもカリキュラムはことなりますし、国によっても教師の発音や言い回しなども変わってきます。実際に留学するのとは異なる部分もありますが、実際に渡航して留学する形に加えて、新しい留学の形として検討してみてはいかがでしょうか。