留学で使える給付型奨学金は?返済不要で海外留学が目指せる仕組みと給付型奨学金一覧

「海外留学に興味はあるけれど、費用のハードルが高くて諦めかけている…」そんな不安を抱えていませんか?
実は、返済不要で支給される「給付型奨学金」を活用すれば、授業料や生活費の負担を大きく減らしながら夢に一歩近づくことができます。
高校生から大学院生、社会人まで、目的や条件に合った制度を見つければ、留学はもっと現実的な選択肢になります。
この記事では、給付型奨学金とは何か、どんな種類があるのか、受給のポイントまで詳しく解説しています。
タダで海外に行ける?留学に使える給付型奨学金の基本を知ろう!
留学に使える給付型奨学金の概要
- 給付型奨学金とは、返済不要で学生に支給される支援金制度
- 授業料や渡航費、生活費までカバーする奨学金もある
- 国や自治体、民間財団など、多様な団体が制度を提供している
- 申請には学力や語学力、将来のビジョンなどが審査されることが多い
- 応募時期や条件が細かく異なるため、早めの情報収集と準備が重要
留学に使える「給付型奨学金」とは、文字通り“返さなくていい”奨学金のことです。
通常の奨学金が将来的に返済を求められる「借金」のような性質を持つのに対し、給付型は資金を無償でもらえる点が最大の違いです。
支給される金額や条件はさまざまですが、授業料に加えて生活費や渡航費までカバーされるケースも多く、経済的負担が大きく軽減されます。
たとえば「トビタテ!留学JAPAN」や「キーエンス財団」の奨学金は、手厚い支給内容と採用実績から海外留学を考える人に人気があります。
ただし、留学に使える「給付型奨学金」を受給するためには学業成績や英語スコア、そして留学の目的や計画などを明確に記した志望動機が必要です。
つまり、給付型奨学金は“誰でも自動的にもらえるもの”ではないのです。
「返さなくていい奨学金ってこんなに違う!」給付型と貸与型の違いを比較
比較項目 | 給付型奨学金 | 貸与型奨学金 |
---|---|---|
返済の必要 | 不要(もらい切り) | 必要(卒業後に返済) |
経済的負担 | ゼロ。留学費用を支給 | 将来的に返済義務が発生 |
精神的プレッシャー | 少ない。将来に集中しやすい | 返済の不安がつきまとう |
採用基準 | 成績・意欲・将来性など重視 | 家計基準や在学条件などが中心 |
人気度・倍率 | 高倍率。競争が激しい | 比較的通りやすいが負担あり |
(留学時に利用できる「給付型」と「貸与型」の奨学金の主な違い)
給付型奨学金の最大のメリットは、「返済不要」であることです。
学生は、もらった奨学金を将来的に返す必要がありません。
そのため、まとまった金額の支援を受けると、卒業後の経済的な負担がゼロになります。
例えば、留学先で生活費や授業料が支給されれば、アルバイトの必要が減り、学業に集中しやすくなります。
その結果として、金銭面での不安も和らぐでしょう。
給付型奨学金は「貸与型」の奨学金と違って、数百万円単位の借金を背負わなくて済むので、将来の計画にも余裕が生まれます。
さて、対する貸与型奨学金は、学生生活中にお金を借り、卒業後に毎月一定額ずつ返済していく制度です。
多くの貸与型奨学金は利子がつく場合もあり、社会人になってから何年も支払いが続くケースも少なくありません。
また貸与型奨学金は「卒業後も返済が続く」ため、進学や就職先の選び方に影響を与えることもあります。
精神的にも“借金をしている”というプレッシャーがかかり、留学中に不安を感じやすくなるのは否めません。
だからこそ、自分に合った給付型奨学金をしっかり探しましょう。
「高校生も社会人もOK?」給付型奨学金で行ける留学タイプ一覧!
対象者 | 主な留学タイプ | 代表的な奨学金例 | 備考 |
---|---|---|---|
高校生 | 短期交換留学、語学研修、ボランティア型留学 | トビタテ!高校生コース | 一定の語学力と目的意識が求められる |
大学生 | 認定留学、交換留学、インターン留学、私費留学 | JASSO協定派遣、柳井正財団、フクシマ財団など | 英語スコアや学業成績、計画書の提出が必要 |
大学院生 | 研究留学、学位取得型留学 | JASSO大学院派遣、キーエンス財団、松下幸之助奨学金 | 研究計画や専門性の高さが求められる |
短大・専門学校生 | 語学研修、技能習得プログラム | JASSO、地元自治体の奨学金 | 学校推薦が必要な場合もあり |
社会人 | MBA、ビジネススクール、研究留学 | 日本IMFプログラム、TOMODACHI-UNIQLOフェローシップ | 実務経験や専門性が重視される |
(給付型奨学金の対象となる「留学タイプ」と「利用できる人の範囲」)
実は、留学に使える給付型奨学金は、高校生から社会人まで、幅広い年代が対象になっています。
高校生であれば、「語学力を試したい」「海外の文化を体験したい」といった意欲を持つ人が多く、そんな想いに応えるのが「トビタテ!留学JAPAN」の高校生コースです。
「トビタテ!留学JAPAN」の高校生コースは全額支給型で、学校を通じて応募できる点も人気の理由です。
大学生には、交換留学や認定校への私費留学、現地企業でのインターンシップなど多様なプログラムがあり、JASSOや民間財団による、月額支給や渡航費補助などの支援が用意されています。
また大学院生になると、研究や修士・博士の学位取得を目的とした本格的な留学が中心で、専門性の高さや計画性が評価され、手厚い奨学金を得られることもあります。
そして、意外かもしれませんが、短大生・専門学校生も支援対象に含まれており、語学スコアや成績が基準を満たせば、地方自治体やJASSOからの給付型支援を受けることが可能です。
もちろん、社会人向けの給付型奨学金も存在し、MBAや研究職を志す人に向けた奨学金制度も用意されています。
このように、留学の目的やライフステージによって選べる制度は異なりますが、自分の状況に合った奨学金を見つければ、夢への道がぐっと近づくはずです。
「高校生だって海外へ!」早めに知っておきたい給付型奨学金の第一歩
- 留学の目的:語学研修や国際交流体験を通じて視野を広げる
- 主な奨学金:トビタテ!留学JAPAN(高校生コース/一部費用支給型)
- 受給条件:学校推薦、語学力、志望動機、世帯状況などを基に審査
高校生が海外にチャレンジする機会として注目されているのが、「トビタテ!留学JAPAN 高校生コース」です。
この制度は全額支給型ではなく、「必要経費の一部補助型」であり、支給額は渡航先・滞在期間・家庭の経済状況によって変動します。
上限額は時期によって異なりますが、過去には最大40万円程度支給されたケースもありました。
ただし、すべての費用をまかなえるわけではないため、事前に見積もりと併用可能な支援制度の確認が必要です。
応募には、在籍校からの推薦書に加えて、英検2級相当以上の語学スキル、そして留学目的の明確さと自己表現力が問われるエッセイなどが求められます。
自ら行動を起こす意欲がある高校生には、貴重な実践機会となる制度です。
大人顔負けの審査内容ではありますが、それだけに採用されれば自信につながる経験になることは、間違いありません。
「今のうちから世界を知っておきたい」高校生にこそ、チャレンジしてほしい制度です。
「大学生のうちに行かなきゃもったいない!」多彩な給付型奨学金で実現する海外留学
- 留学の目的:学問・語学・キャリア形成の一環としての海外経験
- 主な奨学金:柳井正財団(正式名称:公益財団法人柳井正財団)など
- 受給条件:TOEFLやIELTS、成績、目的の明確さ、家庭状況などが審査対象
大学生向けの給付型奨学金では、公的機関よりも民間財団が提供する支援が中心です。
「公益財団法人柳井正財団」の奨学金では、アメリカやイギリスの難関大学への進学を目指す学生を対象に、年間最大US$100,000または£68,000(学費・生活費・保険料含む)を支給する制度があります。
一方、JASSOの協定派遣制度は、「貸与型」であることが多く、返済義務が生じるため注意が必要です。
JASSOが提供する「給付型奨学金」は、原則として住民税非課税世帯の学生が対象で、かつ成績や在学形態の条件を満たす必要があります。
給付型を希望する場合は、民間財団の制度を調べつつ、大学の留学課やキャリアセンターと相談しながら選ぶのが現実的でしょう。
当然ながら、奨学金を受給するための審査は厳しいですが、それを乗り越える価値は十分あります。
「学ぶだけじゃなく、成長したい」という学生にとって、給付型奨学金は心強い味方です。
「研究もキャリアも世界基準に」大学院生向け給付型奨学金の実力とは?
- 留学の目的:修士・博士課程での学位取得や専門研究
- 主な奨学金:キーエンス財団(月額10万円+準備金)、松下幸之助記念財団(月額20万円+渡航費)
- 受給条件:研究計画書、語学スコア、学業成績、社会貢献意識など
大学院生向けの奨学金では、「実質的なフルサポート」と言える手厚い支援が多く見られます。
キーエンス財団の奨学金では、大学院への進学を予定している学生に対し、月額10万円(年額120万円)+渡航準備金最大80万円が給付されます。
また松下幸之助記念財団は、文化や社会課題に向き合う研究者を対象に、月額20万円を最大2年間、さらに渡航費1往復分も支給するなど、支援の幅が広いのが特徴です。
これらの制度では、詳細な研究計画書の提出、過去の成績証明書、TOEFL iBTやIELTSのスコアが必要になるのが一般的です。
加えて、「この研究が社会にどう貢献するか」といった視点も評価されるため、自分の研究の意義を言語化できる準備が重要です。
単なる「行きたい」だけではなく、学問的な目的や社会的意義を明確に説明できるかどうかが選考のポイントになります。
特に理系や社会科学系の研究で留学を希望する方にとっては、国内外の支援をうまく活用することで、自身の研究の幅を大きく広げることができるでしょう。
これらの奨学金は専門分野に磨きをかけたい方にとって、力強い後押しとなるでしょう。
「短大・専門学校生もチャンスあり!」知られていない給付型奨学金の選択肢とは?
- 留学の目的:語学や技術の習得、専門スキルの国際化
- 主な奨学金:地方自治体(例:福岡市、愛知県)、JASSOの一部プログラム
- 受給条件:学校推薦、語学スコア(英検準2級〜)、成績基準など
短大・専門学校生に対する給付型奨学金は、一般的にはあまり知られていませんが、地方自治体や業界団体が支援する制度が存在します。
福岡市では海外職業研修プログラムに対して10万円〜30万円程度の補助を実施しています。
対象となるのは、調理・美容・保育など、地域産業とつながりのある専門分野が中心です。
条件としては、在学中であることの証明、学校推薦書、語学スコア(英検準2級、TOEIC500点以上など)、成績基準(平均評定4.0以上)などが設定されることが多く、事後に成果報告書の提出を義務づける制度もあります。
JASSOの制度についても、住民税非課税世帯に限った給付型支援があるため、家庭状況の確認が不可欠です。
加えて、研修後の報告書提出や成果発表への参加を義務付けているケースもあり、単なる金銭的支援にとどまらず、「成長を見せること」まで含めたプログラムになっていることが特徴です。
「自分の専門分野をもっと広い視点で学びたい」と思ったとき、こうした制度を使えば、一歩先のキャリアが見えてくるでしょう。
「今からでも遅くない!」社会人向け給付型奨学金でキャリアの再スタートを
- 留学の目的:大学院進学(MBA、専門職学位)を通じたキャリア転換
- 主な奨学金:日本IMFプログラム、TOMODACHI-UNIQLOフェローシップ
- 受給条件:進学予定者に限る。語学力、実務経験、社会貢献の意識が重視
「社会人向けの給付型奨学金」として紹介される制度の多くは、実際には大学院への進学を前提としたものです。
「日本IMFプログラム」は、経済学の博士課程に進学予定の者を対象としており、すでに在職している社会人が現職のまま応募できるわけではありません。
同様に「TOMODACHI-UNIQLOフェローシップ」も、ファッションや経営分野で大学院進学が決まっている人が対象です。
いずれも支給額は高額(最大150,000ドルなど)ですが、実務経験の内容や、明確な社会貢献意識が審査で重視されます。
「社会人」として応募できるチャンスは確かに存在しますが、フルタイム学生としての立場に戻る準備が前提であることを忘れてはいけません。
「その思い込み、危ないかも?」給付型奨学金でよくある5つの“落とし穴”
よくある落とし穴 | 実際の失敗例 | 防ぐためのポイント |
---|---|---|
年収制限の確認漏れ | 住民税非課税世帯のみ対象と知らずに応募し不採用 | 家計基準を募集要項で必ずチェック。親の年収証明も忘れずに |
大学側の提出期限を見逃す | 財団の締切は間に合っていたが、大学の締切は過ぎていた | 大学独自の締切日を学生課・国際交流センターで早めに確認 |
在学条件の誤解 | 申請時は卒業見込みだったが、留年で資格を失った | 応募前に進級状況を再確認。「留年=対象外」の制度も多い |
支給額の誤解 | 「全額出る」と思い込み、足りない渡航費で困った | 奨学金は「上限支給型」が多い。見積もりを自分で立てよう |
推薦書や書類の不備 | 推薦状が遅れて応募が無効に。TOEFLスコアの期限切れも | 必要書類はリスト化して早めに依頼。語学証明の有効期限も要注意 |
(多くの人が見落としがちな失敗例や注意点)
給付型奨学金には、上の表にあるように「うっかり落ちる」落とし穴がいくつもあります。
なかでも多いのが、年収条件の見落としです。
「住民税非課税世帯のみ対象」といった収入制限は、限られた財源を本当に必要な人に届けるために設けられているからです。
また、大学経由で申請する場合は、財団の締切よりも早く大学内の締切が設定されることが多く、提出が間に合わずチャンスを逃すこともあります。
さらに、申請時は卒業見込みだったが、途中で留年が決まり資格を失うケースも意外と多いです。
そして、奨学金を「全額支給」と思い込んでしまい、航空券やビザ代などが対象外と後から知って後悔する人もいます。
なかでも一番もったいないのは、推薦書や語学スコアの提出漏れで応募自体が無効になること。
こうした失敗を避けるには、募集要項を初めから最後までしっかり読み込むことが何より大切です。
「推薦書が間に合わない!?」奨学金申請で“うっかりミス”を防ぐ5つのチェックポイント
- 応募締切の“大学内締切”と“財団の締切”を必ず確認する
- 推薦書は教員への依頼時期と提出期限を早めに伝えておく
- 語学スコアには有効期限があるため、受験日と結果発行日を記録しておく
- 書類提出リストを自分で作り、チェックボックスで管理する
- 学内担当部署(学生課・国際交流センター)と定期的に連絡を取る
推薦書や語学スコアの提出漏れは、せっかく準備してきた奨学金申請が“無効扱い”になる大きなリスクです。
こうしたミスを防ぐカギは「情報の早期収集」と「スケジュール管理」です。
推薦書は教員のスケジュールによっては数週間かかることもあります。
そのため、少なくとも1ヶ月前には依頼し、締切日と提出方法もセットで伝えることが重要です。
また、語学スコア(TOEFLやIELTS)には発行日からおおむね2年間の有効期限がありますが期限切れのスコアを提出してしまうと、書類不備として不採用になる可能性もあるので注意が必要です。
だからこそ、TOEFLやIELTS受験日・発行日・有効期限をきちんと記録し、出願時点で有効かどうかを必ず確認することが大切です。
まずは、大学の学内締切と奨学金団体の公式締切をカレンダーに書き出しましょう。
そして、必要書類をリストアップし、推薦書や語学スコアなど外部依頼が必要な項目は、優先的に準備を始めることをおすすめします。
ちょっと面倒に見えても、このひと手間が合否を左右します。
オンライン申請の場合も、アップロード前にPDF化やファイル名の統一など細かな作業が発生します。
少し先の“未来の自分”を助けるために、今この瞬間から準備を始めることが何より大切です。
給付型奨学金で広がる留学のチャンス
留学に行きたいけど「お金の不安」がネック……そんな人にこそ知ってほしいのが給付型奨学金の存在です。
給付型奨学金は返済不要で、授業料や生活費の一部をカバーできる制度は、高校生から大学院生、さらには社会人まで幅広く用意されています。
選考には語学力や志望動機も必要ですが、条件をクリアすれば夢への扉がグッと近づきます。
そのために大切なのは、情報収集と早めの準備です。
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