海外の留学中に感じるカルチャーショック
海外留学する方のほとんどが、多かれ少なかれカルチャーショックを経験することになります。
海外の留学期間は、日本とは異なる文化や歴史、習慣の中で生活をすることになります。その異なる環境下で生活をすると、これまで見たことのない新たな光景や新しい文化に驚きや不安が発生します。
海外留学中に起こりうるカルチャーショックについて、いくつか例を挙げながらご紹介してきます。
カルチャーショックのプロセス
文化人類学者のObergによると、カルチャーショックとは、個人がこれまでに身につけてきた、社会生活の規範が異なる環境において通用しないことから起こりうる不安が引き起こすことと述べています。
カルチャーショックには、一般的に4つのプロセスがあります。
1つ目は、不安やストレスなどネガティブな側面よりも新しい文化に魅力されるハネムーン期。2つ目は、様々なストレスを抱え攻撃的になる敵対期。3つ目は、新しい環境に適応できる回復期。4つ目は、新しい文化や環境を受け入れ順応することができる適応期です。
つまり、カルチャーショックとは、新しい環境下で異なる文化や光景に心を魅了されたり、またそれが不安やストレスを引き起こしたりすることです。
では、具体的に海外の留学中に感じるカルチャーショックにはどのようなものがあるでしょうか。
留学中のカルチャーショック代表例「あいさつ」
代表的なカルチャーショックの例として挙げられることは、あいさつです。
日本では、友人や知り合いにあいさつをする場合、声をかけたりお辞儀をしたりすることが一般的です。しかし、欧米諸国では、彼らにあいさつをする場合、握手やハグ、頬にキスをしたりします。
そのあいさつの方法も国によって様々であり、ある国では握手だけの場合もあるし、ある国ではハグをしてから両頬にキスをする場合もあります。同じ国でもあいさつのやり方が異なることもありますので、海外に留学して生活をしている方には戸惑ってしまうこともあります。
また、海外では、通りすがりの知らない方からあいさつをされることも多いです。
日本では、全く知らない人からあいさつをされることはまずありません。しかし、海外では、バスを待っているときやお店の列で並んでいる最中に隣の全く知らない人からあいさつをされます。
その際にどのように対応して良いか、わからず困惑してしまう可能性があります。
留学中のカルチャーショック代表例「意見の主張」
次にカルチャーショックとして挙げられる例は、海外では自分の意見を主張することです。
海外では、日本のように仕草や感情で相手を察する文化や干渉することはほとんどありません。そのため、自分の意見をはっきりと伝えることが求められます。
そして、意見を求められたら、どうしこのように考えているのかも説明する必要があります。そのようにすることで、相手に自分を理解してもらうことができます。
仮に、海外留学中に自分の考えを主張しない場合、ただ何も物事を考えていないだけの人と相手から認識されてしまいます。その結果、海外留学中に、外国人とコミュニケーションを取ることが難しく、生活や勉強などが円滑に進めることができず困惑してしまうことがあります。
留学中のカルチャーショック代表例「時間」
最後にカルチャーショックとして挙げられる例は、海外留学中の生活は時間通りに物事が進まないことです。
日本では、授業や交通機関、人との約束の時間、あらかじめ決まっている時間のその通りに物事が進み、時間に正確な国です。しかし、海外では、何をするにも時間通りに行くことはほとんどありません。
そのため、海外での生活がゆっくり感じてしまうことがあります。この結果、普段、時間厳守とされている日本の社会に適応している方々は、不安や困惑を抱いてしまう可能性があります。
最後に
日本とは異なる環境の中で生活をすると、誰しもがカルチャーショックに陥ることになります。仮にこのような状態になって非常に辛く感じたり、不安になったりしても、慌てることなく、異文化に順応するために必要なプロセスだと認識することが大切です。