カナダの気候の概要
カナダの天気や気候と聞いて、「寒い」とか「雪」といったイメージを持たれている方も多いかと思います。ですが、実際は地域によってさまざま異なります。カナダにははっきりとした四季があります。特にアメリカ国境沿いの人口密集地域はそれぞれで気候も異なります。
夏の日中の気温は35℃やそれ以上に上がるところもあれば、冬は-25℃以下に下がることはほとんどありません。春や秋は適度な気温で過ごしやすいのが一般的です。
カナダの気候概要
カナダは北米の北半分を占めているほどの広大な国土を有しています。そのため、気候区分も多岐にわたりますが、アメリカで見られるような温暖な気候エリアや砂漠のような乾燥したエリアはありません。その為夏は過ごしやすく、冬は氷点下何十度にもなるほどの厳しい冬が待っています。といっても西側のバンクーバーでは、言うほど雪が降らず曇りがちで雨が多い天気だったりと、東と西で天候の違いも見られます。
カナダの気候エリア区分
カナダの気候区分は大まかに分けると以下のように分けられます。
① セントラルカナダ
オンタリオ州・ケベック州など、トロントやモントリオールをはじめとするカナダの人口密集地域
② プレーリー
アルバータ州・サスカチュワン州・マニトバ州などのカナダ内陸部
③ ウエストコースト
バンクーバーやビクトリアなどブリティッシュコロンビア州を中心とした太平洋沿岸
④ アトランティックカナダ
ノバスコアシア州・ニューファンドランド・プリンスエドワード島など大西洋沿岸
⑤ ノーザンカナダ
ユーコン・ヌナブトなどの北極海沿岸の北部地域
カナダの夏の気候の特徴
カナダの夏は、一般的に6月~8月となります。トロントなどの中部や東部地区では、蒸し暑いといった特徴がありますが、バンクーバーなどの西海岸エリアでは、湿気も少なくちょうどよい夏の気候となっています。北の方に行くと、過ごしやすく涼しい夏の気候を味わえます。
夏の時期は、日照時間も長く、北部エリアでは、1日17時間~20時間の日照時間となっています。
カナダの春の気候の特徴
春は、西海岸では他の地域よりもより早くやってきます。西海岸地区では2月で平均気温が0℃になる一方で、他のカナダの地域では、平均気温0度となると4月になってきます。その後春の気候は6月ごろまで続きます。
まれに5月に吹雪く時もありますが、降雪は大体4月までとなります。バンフやウィスラーなどスキーで有名な場所は、5月ころまで降雪が続きます。
カナダの秋の気候の特徴
秋の季節は、すがすがしく、少しひんやりとした気候を感じる時期となります。中部や東部地区では、蒸し暑い夏から解放されて心地よい気分になれます。9月になると段々と木々の葉が色づいて紅葉が楽しめてきます。西海岸エリアでは、紅葉の色づきがそこまでカラフルには感じられることはないですが、黄色に染まるカラ松の紅葉の姿は絶景です。
雨が多いことでも有名なバンクーバーも9月ころになると、降水量が減り始めます。
カナダの冬の気候の特徴
冬は一般的に雪の降る12月~3月または4月にかけてまでの時期は寒くなります。バンクーバーやビクトリアなどの西海岸エリアでは雪よりも雨がよく降ります。
西海岸エリアは、寒さが厳しく大雪が降るという事はあまりありませんが、それ以外の地域では、冬の時期は非常に寒さが厳しくなります。ただ、冬の時期に気温が下がっても、暖房の効いた家屋や車、公共交通機関の中などではカナダの厳しい冬を暖かく過ごすことができます。
アルバータ州南部は時折"Chinook"と呼ばれる、ロッキー山脈からの暖かい乾燥した風で冬の寒さが和らぐ時もあるため、カルガリーなどでは雪はそれほど多く降りませんが、カナディアンロッキーにあるエリアは大雪に見舞われます。
トロントなどの中部や東海岸エリアでは、寒さは非常に厳しく、大雪に見舞われることもしばしばです。-20℃を記録する日も珍しくありません。20センチを超える積雪も1月や2月に数回は出てきます。
カナダの気候を気温で見ると
夏は暑くなり冬は寒いと言われてもピンとこないかもしれませんので、平均気温でご紹介してみます。
夏 (7-8月) |
冬 (12-1月) |
|
---|---|---|
セントラルカナダ (トロント) |
21℃ | -4℃ |
プレーリー (カルガリー) |
16℃ | -9℃ |
ウエストコースト (バンクーバー) |
17℃ | 3℃ |
アトランティックカナダ (ハリファクス) |
18℃ | -4℃ |
ノーザンカナダ (イエローナイフ) |
20℃ | -22℃ |
こうして気温でみてみると、夏は過ごしやすく冬は寒さが厳しいというのが見てわかります。冬は氷点下の気候で過ごすようになることは覚悟しなければなりません。ただ前述のように、カナダの屋内はしっかり暖房が効いているので、屋内で過ごす限りにおいて寒さはしっかり凌げます。
カナダの中では冬の寒さも考慮するとウエストコースト(ブリティッシュコロンビア州)が過ごしやすいエリアではあります。
カナダの降水量
雨の日(または雪の日)が1年で平均何日あるかという指標、及び降水量(雨または雪)でご紹介してみたいと思います。ちなみに日本の東京だと年間115日で1528mm、大阪で年間108日で1280mmです。
バンクーバー | 168日 | 1457mm |
トロント | 145日 | 831mm |
モントリオール | 163日 | 1000mm |
オタワ | 161日 | 920mm |
カルガリー | 112日 | 419mm |
ビクトリア | 148日 | 705mm |
カナダのセントラルカナダ地域では、モントリオールなどの東側は降水量も増えてきます。
そしてウエストコーストのバンクーバーでも降水量は多いです。冬だと、モントリオールのエリアは雪、バンクーバーエリアは雨といった様相になります。
内陸部では冬は寒いですが、そこまで降水量も多くなくカナダの東側に比べて雪や雨が多く降るといった傾向ではありません。
カナダで服装の選び方
カナダは、全体的に日本よりも夏は涼しく快適に過ごせ、冬は日本よりは全般的に寒さが厳しい傾向です。冬のイメージとしては北海道など北日本の気候と同じような気候だと考えておいた方がよいです(バンクーバー周辺は除く)。
夏の昼間は半袖短パンで過ごすことができますが、早朝や夜は肌寒くなったりもしますし、本当に暑い時期も短いので、何か羽織るものや長袖などの少し暖かい服装があると便利だと思います。冬は変わって、屋外では厳しい寒さが続きますので、防寒対策をしっかりとした服装で過ごしましょう。
特に内陸部や東側の地域では、冬は本当に厳しい寒さが続くので、日本から持参したコートなどの冬用の服装では寒さが凌げない場合もあります。そのため、カナダの厳しい冬が過ごせる特別の厚手の防寒着を現地で購入するなどして対策をした方が良いです。
カナダ留学のベストシーズン
カナダの天候から考えると、カナダ留学におけるベストシーズンは、やはり夏の時期がベストシーズンです。
夏の時期でも涼しく過ごせ快適ですし、明るい時間帯が一年で最も長い時期です(冬はその逆です)。6月~8月半ばにかけては本当にベストシーズンと言えます。
ただし、ベストシーズンであればこそ、留学先の学校も人が多いですし、航空券も高めに振れてきますので、そういった意味でのデメリットもあったりします。