カナダのワーキングホリデー

ワーキングホリデーは、通常の海外旅行とは異なり、長期滞在が許可されるビザ制度のことです。滞在期間中の就労が認められているため、現地で語学や文化を学びながらアルバイトやインターンシップに取り組むことができるメリットがあります。

そのため、カナダを旅行するだけでは物足りない方やカナダをより深く知りたい方、カナダ留学の年齢制限に不安を抱える方などには、ワーキングホリデーがおすすめです。

カナダは多くの移民を受け入れており、生活水準や治安が良く、外国人にとって住みやすい国のひとつです。訛りのない美しい英語を学ぶ環境もあり、留学先としても人気があります。また、最低賃金が日本よりも高いため、カナダのほうが稼げる可能性があることも魅力です。ここでは、カナダのワーキングホリデーについてわかりやすくご紹介いたします。

ワーキングホリデーとは?

ワーキングホリデーとは、通常の海外旅行と異なり、1〜2年ほどの長期滞在と就学・就労が認められているビザ制度です。18〜30歳までの日本国民であれば、ワーキングホリデーの協定を結んだ外国で利用することができます。

通常の観光ビザでは現地での就労は認められておらず、留学ビザを利用しても、国によっては週20時間や40時間などの労働時間が制限されています。しかし、ワーキングホリデービザでは長期間の労働が可能であり、仕事内容にも制約が少ないのが特徴です。

条件 ワーキングホリデー 留学 観光
年齢制限 有り(18~30歳以下) 無し 無し
国の制限 有り(年により異なる) 無し 無し
回数制限 1ヵ国で1回限り 無し 無し
期間の制限 有り(1年~2年) 無し 無し
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カナダのワーキングホリデーでできること

カナダのワーキングホリデーは、観光や仕事、勉強などさまざまなこと可能です。もちろん、働かないという選択もできます。カナダのワーキングホリデーでできることには、主に以下の3つがあります。

  • 最大6ヶ月までの就学
  • 1カ国で英語とフランス語を学ぶことができる
  • 大自然や世界遺産、アメリカなど近隣諸国への旅行

最大6ヶ月までの就学

カナダのワーキングホリデーでは、最大6ヶ月の就学が可能です。そのため、現在の英語力が初中級であっても、学習次第でネイティブレベルまで英語力を向上させることができます。

カナダでの生活は経済的な負担がありますので、社会人がカナダへ行く場合は、ワーキングホリデービザを活用して働きながら滞在することが一般的です。

雇用には特に制限がありませんので、一つの雇用先で長期間働く機会があり、多くの雇用機会を得ることができます。

1カ国で英語とフランス語を学ぶことができる

カナダは英語とフランス語を公用語としていますので、1つの国で両方の言語を学ぶことができます。

例えば、ケベック州ではフランス語が主要な言語となっており、ネイティブのカナダ人や留学生向けには英語の学習も可能な語学学校が存在します。英語とフランス語の双方に触れる機会は、非常に貴重な体験と言えるでしょう。

また、トロントやバンクーバーなどで英語環境に慣れた後に、ケベックシティなどのフランス語エリアに移動して生活することもできます。

大自然や世界遺産、アメリカなど近隣諸国への旅行

カナダは豊かな大自然と多くの世界遺産が魅力の国です。トロントやバンクーバー、モントリオールなどの大都市はアメリカの影響を受けながらも、充実した娯楽や日常生活を楽しむことができます。

さらに、アメリカやメキシコなど陸続きの国々への足を伸ばせば、北米を存分に楽しむことも可能です。

カナダのワーキングホリデーと他国のワーキングホリデーとの違い

ワーキングホリデーは、もちろんカナダ以外の国でも実施をしています。以下の表に、ワーキングホリデーの人気が高い国をまとめました。

年齢 期間 就労 就学
カナダ 18~30歳 1年 無し 6ヵ月
イギリス 18~30歳 2年 無し 無し
オーストラリア 18~30歳 最長3年 有り 4ヵ月
ニュージーランド 18~30歳 1年3ヵ月 無し 6ヵ月
アイルランド 18~30歳 1年 無し 無し

就学に制限の無い国もありますが、ワーキングホリデーの主旨は就労です。そのため、国によっては就学が制限される場合がまれにあります。

カナダの場合、ワーキングホリデービザを利用すると1年間滞在することができます。表にある他の国と比較すると少し短く感じるかもしれませんが、1年間の滞在が許される国は実際多くあります。

カナダの日本レストラン

カナダのワーキングホリデーのメリットやデメリット

カナダのワーキングホリデーには、さまざまなメリットやデメリットがあります。ただし、それぞれのメリットやデメリットは個人の主観によって異なることに注意してください。ここでは、カナダのワーキングホリデーのメリットやデメリットについて解説します。

カナダのワーキングホリデーのメリット

ワーキングホリデーの行き先として人気のカナダですが、カナダでのワーキングホリデーのメリットは以下のようになります。

1.英語の発音にクセがなく、英語学習がしやすい

カナダでのワーキングホリデーを選ぶ多くの方々の理由は、英語学習に適した国であるからです。その理由は、カナダの英語は訛りが少なく、クリーンで聞き取りやすいという特徴があります。

英語は約80カ国で使用されていますが、国や地域によって話し方には訛りがあります。例えば、オーストラリア英語は強いアクセントがあり、聞き取りにくいとされています。また、イギリス英語は学校で習った英語とは異なる表現が多く、理解しにくいと言われています。しかし、カナダは英語圏の中でも比較的訛りが少ない国として知られています。

カナダはかつてイギリスの植民地であった歴史があり、英語が母国語として普及しました。また、多くの移民がカナダに移住したことから、わかりやすい英語を使ったコミュニケーションが広まりました。その結果、カナダ英語は訛りが少なくなりました。カナダの英語は発音にクセがなく、英語学習に適した環境が整っていると言えます。

2.多国籍文化で差別が少ない

カナダは移民が多いだけでなく、旅行や留学、移住、ワーキングホリデーでも人気のある国です。そのため、さまざまな国の人々がさまざまな理由でカナダに集まります。その結果、カナダは多様な文化に触れることができる国になりました。例えば、多様な食文化もカナダで存分に楽しむことができます。移民がもたらした異国の食文化は、カナダでも広まり多くの人々に受け入れられています。

また、カナダの公用語であるフランス語も多様な文化の象徴です。カナダにはフランス文化も混在しており、地域によってはフランス語が使用されています。モントリオールは「北米のパリ」と称されるなど、フランス文化を感じることができる地域として有名です。

多国籍文化を受け入れるカナダの国民性もにより、外国人への差別が少ないこともメリットといえます。さまざまな国の人々が集まるカナダなら、多様な文化に触れ合い学ぶことができます。

3.観光に適している

カナダの生活環境や治安の良さは、カナダをワーキングホリデーの行き先に選ぶ理由のひとつです。女性ひとりでも安心して買い物や遊びに行けるカナダは、世界的に有名な観光スポットも多くあります。そのため、カナダの国内旅行もしやすい環境です。

国土が広く、地域によって気候が異なるカナダでは、地域独自の文化や世界遺産などを楽しむことができます。また、アメリカやキューバ、メキシコなどアメリカ大陸の近隣諸国への旅もしやすいメリットがあります。

カナダのワーキングホリデーのデメリット

カナダのワーキングホリデーには、デメリットも存在します。あらかじめデメリットを把握することで、ワーキングホリデーをより良くすることも可能です。ここでは、カナダのワーキングホリデーのデメリットを紹介します。

1.カナダの冬は長くて厳しい

生活する地域や都市によりますが、カナダの冬は長く厳しいのが特徴です。基本的には10月頃から寒さが増し、12月から3月まで、時には4月にも雪が降ることがあります。体感気温が-20℃になることも決して珍しくありません。

そのため、冬の期間は外出頻度が減り、カナダの生活に疑問や不満を抱くこともあるかもしれません。しかし、冬以外の季節は過ごしやすい気候であり、イベントも多く開催されます。冬をしのげば、ワーキングホリデー生活をエンジョイすることができます。

2.仕事を選ぶことが容易ではない

カナダのワーキングホリデーでは、ほとんどの場合現地で就労します。バンクーバーは、日本人やアジア系の方々が多く、仕事探しも比較的容易な街です。

一方、トロントやモントリオールは、日本人向けの仕事が少なめの印象があります。そのため、渡航前に就労したい仕事の期待を高く持つと、現地で理想と現実のギャップに悩むおそれがあります。

また、カナダでは外国人に対する差別が少なく、公平な待遇が受けられるメリットがあります。しかし、英語力などのスキルも公平に評価されます。

中級程度の英語力が求められる仕事も多く、一定の英語力がないと仕事探しは困難になります。ただし、このような厳しい環境は英語力向上の機会ともなりますので、英語の勉強を希望される方には適していると言えます。

カナダのワーキングホリデーに必要な予算

カナダのワーキングホリデーでは、語学学校に通うかどうかで予算が異なりますが、おおよそ150万円程度の準備が安心です。詳しい内訳は以下の通りです。

費用項目 費用の目安
航空チケット 約20万円/片道
海外旅行保険 約20万円/年
語学学校 約15万円/月
生活費 約10万円/月
家賃 約7万円/月

アルバイトを始めるまでに時間がかかる場合は、200万円程度あれば安心です。また、こちらの金額は日本円で記載していますが、実際に現地で使用する通貨はカナダドルです。そのため、為替レートは常に注意する必要があります。

カナダのワーキングホリデーで人気の都市

カナダでワーキングホリデーや留学で人気が高い都市は、以下の3つの都市です。カナダのワーキングホリデーで生活する都市を選ぶ参考にしてみてください。

バンクーバー

バンクーバーは、カナダ南西部の自然と現代建築が融和した都市です。「世界で最も住みやすい都市」にランキングされることも多く、カナダの他の都市と比較すると年間を通じて過ごしやすい気候であることが特徴です。また、バンクーバーの南部はアメリカと接しており、アメリカへのアクセスも容易です。

バンクーバーは外国人の受け入れ態勢が整っており、さまざまな国の人々が集まる人気のある都市です。また、ウインタースポーツも盛んであり、2010年には冬季オリンピックが開催されました。

バンクーバーでワーキングホリデー

トロント

トロントはバンクーバーに並ぶ、人気のあるカナダのワーキングホリデーの都市です。比較的温暖な気候であり、冬季でも降雪は少ない環境です。トロントはカナダ最大の都市で、経済、金融、エンターテイメントなど、さまざまな分野が成熟しています。地理的にはアメリカと接するオンタリオ湖の西に位置し、人口は300万人規模です。

ワーキングホリデーでは仕事探しが重要ですが、トロントは仕事の機会が多いのも魅力です。日本からの直行便もあり、アクセスが便利です。大都市であるため、質の高い語学学校も多く存在し、学習環境も良好です。

トロントでワーキングホリデー

モントリオール

モントリオールは、ケベック州の南部に位置し、公用語はフランス語の都市です。北米のパリとも称され、カナダ第二の大都市で人口は約300万人です。現地の英語学校では外国人だけでなくカナダ人も学んでいることがあります。

首都のオタワやアメリカのバーモント州とも近く、ワーキングホリデー中の旅行に便利な都市です。気候は1年の寒暖差が激しく、冬の平均最低気温は約-13℃まで下がり、夏は平均最高気温が約26℃まで上昇します。

モントリオールでワーキングホリデー

カナダのワーキングホリデーでは、他にビクトリアやカルガリー、ウィスラー、オタワなどに行く方もいます。都市部だけでなく、郊外もメリットやデメリットがあるため、カナダのワーキングホリデーの目的に合わせて選ぶといいでしょう。

カナダのワーキングホリデーのまとめ

ワーキングホリデーは、通常の海外旅行とは異なり、滞在期間が長く許可されるビザのことです。ワーキングホリデーでは、滞在中に働くことができるため、言語を学びながら働くというメリットがあります。カナダでの生活は費用がかかるため、社会人の方は特にワーキングホリデーを利用する方が多いです。

ワーキングホリデー制度はさまざまな国で利用できますが、カナダは英語の学習や観光を楽しみたい方におすすめの国です。カナダでワーキングホリデーをする場合は、目的や生活する都市の特徴を事前に理解しておくと良いでしょう。

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