カナダの公用語は「英語」と「フランス語」
カナダは北米にある国で、イギリス領だったという歴史もあり、カナダの公用語は英語と認識されていることが多いです。
もちろんカナダの多くの地域では、実際に英語が使われていますし、英語が話されています。街中の表記も英語で書かれてあります。
ですが、カナダの公用語は英語以外にも、フランス語が公用語として使われています。
フランス語の使用地域
カナダでフランス語が最も広く使用されているのは、「ケベック州」です。
ケベック州は、カナダ東部にある地域で、大西洋にそそぐセントローレンス川流域から北部の北極圏まで南北に長い州です。
州都はケベックシティーですが、最大の都市はモントリオールです。ケベックシティーは人口約50万人、モントリオールは人口約400万人の一大都市圏を形成していて、カナダでは2番目に大きな都市となっています。
このモントリオールやケベックシティーを中心としたケベック州では、フランス語が第一言語になっていて、英語ももちろん通じまずが、フランス語の方が広く使用されています。
カナダでフランス語のワケ
カナダ、特にケベック州を中心にフランス語が使われている背景には、もちろんカナダ建国の歴史があります。
カナダには、もちろん原住民はいましたが、セントローレンス湾からフランス人が入植したことからカナダ建国の流れが始まります。
※カナダの国名の由来もフランス人が付けたことから始まっています。フランス人がケベック州を中心に、アメリカのルイジアナ州まで植民地としてフランス領を形成していました。そのためこのケベック州ではカナダ建国前よりフランス語が使われていて、脈々とその流れが現在でも続いています。
フレンチ・インディアン戦争の結果、1763年にカナダのフランス領がイギリスに譲渡されることになり、ケベック州ではイギリス統治後もフランス語が残りましたが、カナダの他の州では英語が主流となり現在に至っています。
英語とフランス語の浸透度合
カナダでは、英語とフランス語が公用語になっているといっても、どれだけのカナダの人達が英語とフランス語を使い分けられているかという現実問題もあります。
英語とフランス語の両方使える地域は、やはりケベック州一番の都市であるモントリオールがこの2つの言語どちらも使用している割合が高くなっています。カナダ政府の統計によるとケベック州では人口の85%がフランス語を使用しているとされています。
その次に多いのはニューブランズウィック州で人口の31%です。オンタリオ州はケベック州に接していますが、その中でもカナダの首都でもあるオタワも英語とフランス語の利用率が高いエリアです。
ケベック州の他の地域も英語は使用されていますが、フランス語の使用頻度が高く、モントリオールを外れたケベック州ではフランス語を使えていたほうが便利です。
一方で、トロントやバンクーバーなどのカナダの他の大都市では、ほとんどフランス語は使われていません。街中でフランス語の表記を目にする機会はあると思いますが、圧倒的に英語が使用されています。
バンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州のフランス語人口率は1.4%しかありません。カナダ全体の中でも下から数えた方が早いほどフランス語は浸透していないと言えます。
カナダでフランス語学習
カナダでは、英語とフランス語が公用語ということもあって、カナダでもフランス語の勉強ができます。
フランス語の勉強ができるのは、フランス語が一番浸透しているケベック州とオタワにある学校でフランス語が学べます。
フランス語を学びにくるカナダ人もいたりしますので、カナダ人と一緒に学べるということもあったりします。
逆に、トロントやバンクーバーでは、英語が主流ということもあって、フランス語が学ぶために留学できる学校はほとんどありません。日本と同じような町の英会話教室で学習するような感覚で、フランス語を学ぶという形になります。
フランス語圏のカナダ人が英語を学びにトロントやバンクーバーにやってくるケースも稀ですがあったりします。
まとめ
カナダの公用語は、英語とフランス語です。
フランス語が主に利用されているエリアは、モントリオールを中心としたケベック州です。
モントリオールやケベック州の町ではフランス語が学ぶための留学が可能ですが、他のカナダの大都市でフランス語を学ぶために留学することは難しいです。