アメリカでワーキングホリデー
カナダやオーストラリアをはじめ海外の英語圏の国では、30歳までを対象に現地で就労可能なワーキングホリデー制度を実施している国が多くあります。
ワーキングホリデーですので、期間にも制限がありパートタイムでの仕事にならざるを得ないところではあるのですが、このワーキングホリデー制度はアメリカも実施しているのでしょうか。
単刀直入に申し上げると、アメリカではワーキングホリデーの制度は導入されておりません。
ワーキングホリデー制度とは
ワーキングホリデーの制度は国家と国家との相互協定が基本となります。
そのため、オーストラリアでもカナダでも、日本国政府とカナダ政府やオーストラリア政府との間でワーキングホリデーの相互協定が結ばれています。そのため、ワーキングホリデーが可能な国では、事前に日本国政府との相互協定が結ばれていることが前提になっています。
アメリカでは、カナダやオーストラリアに見られるようなワーキングホリデーの制度はないですが、仮にそういった制度が導入されていたとしても、日本政府との間でワーキングホリデー協定が結ばれていないとワーキングホリデーとして渡航できないことになります。
アメリカでワーホリに代わるもの?
実はアメリカでもワーキングホリデーに代わるようなビザが存在します。それはJ1ビザです。
このJ1ビザですが、日本国籍でももちろんJ1ビザの申請は可能です。そのため日本国籍でもJ1ビザでアメリカでワーキングホリデーできるんじゃないのかと思われるかもしれません。
通常J1ビザの取得は結構大変です。J1ビザは交流ビザなので、このビザで働こうと思えば、事前にアメリカでの就職先を見つけておいてスポンサーになってもらう必要があります。そしてJ1ビザの申請代に十数万円円~二十数万円もの申請料が必要となります。
はっきり申し上げて、J1ビザの取得はかなり厳しく大変です。オーストラリアやカナダのワーホリビザのように、申請料が数万円でビザも数週間で取れて、そのまま現地で職を探して働くことができるといったものではありません。
そのためアメリカでは他の英語圏の国のような簡便で要件も緩いワーホリビザは無いと言われる所以でもあります。
アメリカの実質的なワーホリビザ
しかし、このJ1ビザ、特定の国籍保有者には、要件がかなり緩く設定されていて、それこそ日本国籍保有者のカナダのワーホリやオーストラリアのワーホリのような感覚で申請できたりします。
オーストラリア・ニュージーランド・アイルランドの国籍保有者には、このJ1ビザの申請要件が緩くなっています(当社調べによる)。
これらの国籍保有者にはWORK USAというスキームがあって、18歳以上で職業訓練カレッジ以上のフルタイムの学生(またはフルタイムでの就学を終えて間もない学生)であれば誰でも申請できるという緩さなのです。
通常J1ビザで求められる就職先からのスポンサーといった条件などはありません。ビザを申請して取得できれば、そのままアメリカに渡って職探しができるようになっていて、日本国籍保有者がカナダやオーストラリアでできる同じような状況で、アメリカで職探しなどが可能ということになってきます。
アメリカで就労できるビザ
日本国籍でアメリカでワーホリしたい方には、あまりお役に立たないかもしれないことを述べてきましたが、ではアメリカで働くにはどうしたらよいかということ考えてみます。
学生や雇用されていない立場でなければ(要は社会人であれば)、手っ取り早いのが日本や外資系会社のアメリカ現地法人で働かせてもらうことです。
社会人でなければ、学生ビザ(F-1やM-1)のビザを取得すれば働けるのではと思われるかもしれませんが、アメリカの学生ビザでは基本的に就労はできません。
学生ビザであれば、例外もあって、以下に該当するケースであれば就労も認められています。
- 所属する大学などのキャンパス内
- OPTとして専攻と関連ある職種
以上のように、非常に限られています。OPTは大学レベルで就学した場合の学生ビザにオプションで付いてくる就労機会のことです。
OPTもいろいろと要件があるので、詳細はここでは割愛します。
次に先ほどもご紹介したJ1ビザです。
J1ビザは、主にアメリカでインターンシップをされる場合に申請することが多いです。日本国籍の方が取得する場合は、まずは現地の企業から内定をもらうことが前提となります。そのためハードルとしては高くなります。
J1ビザで現地でインターンシップをして、その会社から今後も働いてほしいということでB1ビザ(就労ビザ)につながるケースもあります。
アメリカの代わりに
アメリカではワーキングホリデーはできませんが、アメリカでワーホリできない代わりに、カナダで働くという方も多々おられます。
カナダのワーホリは、カナダ国外からの申請も可能ですので、まずはアメリカで英語力アップさせている間にカナダのワーホリを申請し、そのままカナダで就労というプランもアメリカのワーキングホリデーに代わる代替プランになり得るかと思います。