アメリカ留学前には予防接種!種類や州別の違い
アメリカに留学する場合、必ず予防接種が求められます。
1ヶ月といった短期の語学留学や語学学校ではあまり求められることはありませんが、例えばアメリカにある4年制大学やコミュニティカレッジへ入学する場合や語学留学でもアメリカの大学付属の英語プログラムに参加する場合、さまざまな種類の予防接種歴が求められ、注射を受けたり、何度か健康状態の検査をしなければならない場合もあるので、その証明ができるまで長い時には数ヶ月の期間が必要になることもあります。
もし予防接種歴を証明できなかった場合や、求められている予防接種を受けるのが遅くなってしまった場合、大学の履修登録ができなくなったり、入学ができなくなったりします。
ビザの取得や、入学・入寮の手続き等の留学準備に忙しくても、予防接種歴の証明の準備や、実際に予防接種を受けるのは早めにしておかなければなりません。
また、州や大学によっては必要な予防接種の種類も異なるので、必ず確認しておきましょう。
※通常入学する予定のアメリカの大学から予防接種証明要件が提示されますので、それに見合った予防接種歴を証明する必要があります。
新型コロナ対応について
まずは、新型コロナのワクチン接種への対応ですが、アメリカではワクチン未接種の場合はアメリカに入国できません。アメリカ行きの飛行機へ搭乗する際にワクチン接種証明の提示が求められます。
※なお、2022年6月12日でアメリカ入国前の陰性証明の提示義務は撤廃されました。
新型コロナへのワクチンを接種していることを前提として、他の予防接種を受けることになります。
なぜ予防接種が求められるのか
アメリカには日本以外にも、中国・東南アジアや南米、アフリカなど様々な国から留学生が集まるので、その国々で流行している病気が持ち込まれる可能性が有ります。
アメリカの大学に入学する際、原則寮での生活となるため常に大学構内にいる環境となってしまいます。大学構内で集団感染が広がらないよう未然に防ぐためにも、全入学生に対し予防接種が求められます。これは語学留学で参加する学生でも例外ではないのです。その他にも、各国の国の人と生活する寮内で、思わぬ感染症にかかってしまう可能性もあります。
集団感染を未然に防ぐだけでなく、自分自身を感染から守るためにも予防接種が厳しく求められているのです。
また、予防接種と同時に健康診断書の提出も必要になるケースがあり、これは学生がなにかしら病気にかかった時に、健康診断書をもとに大学側で迅速に最適な治療が行うためにも求められています。健康診断書はアメリカだけでなく、カナダ、イギリスなど他の国でも同様で、ビザの申請時に健康診断書類の提出が求められることもあります。長期で留学をする際は、予防接種を受けいること、そして健康状態がいかに重要なのか改めて確認しなければなりません。
どういった予防接種が必要なのか
州や大学によって求められる予防接種の種類は異なりますが、基本的にMMRは多くの州で強制しています。
MMR
MMRとは、Measles(麻疹)、Mumps(おたふく風邪)、Rubella(風疹)の頭文字をそれぞれ取ったもので、アメリカの大学で授業を受けようと思えば、この3種類の免疫の証明が必要です。大学によっては、予防接種の回数を厳しく求めるところもあるので、過去の接種歴が求められた接種回数に満たないと判明して留学前に慌てて予防接種をしても間に合わない場合もあるので注意しましょう。
その他
他にも『ポリオ』『ジフテリア』『はしか、風疹』『水痘』『B型肝炎』『破傷風』『水ぼうそう』などの接種が、留学先の州や学校によって指定されたものが求められます。
母子手帳が必要?
MMRに関しては、日本では通常、乳児の時に接種しているケースが多いため、ご自身の母子手帳を確認して医療機関で証明書を発行してもらうか、大学側が認めてくれれば母子手帳該当ページの写しを用意して英文翻訳した書類を一緒に提出します。
※通常予防接種歴に関するフォームが渡されますので、それに沿って記入していくことにはなりますが、実際の接種を証明する方法については、大学側に確認をとってください。
しかし、学校によっては、一度接種していれば問題ないところもあれば、10年以内に接種していなければ認められないなど、接種の要件に関して異なることもあります。自分の通う学校が何の予防接種を求めているのか早めに確認しておきましょう。ほとんどの場合、自分の通う学校が求める予防接種の種類は、大学のHPから予防接種証明書のフォームをダウンロードしたり、ウェブサイトで説明していたりするので、そこで知ることができます。また大学から送られてくる資料にも通常予防接種に関する説明資料が同封されています。
予防接種証明のフォームをダウンロードしたら、母子手帳と一緒に病院へ持って行き、医師に接種した内容を予防接種証明書のフォームに記入してもらいましょう。当時の担当医が近くにいなくて、主治医から予防接種証明書が用意できないケースもまれにありますので、その場合は大学に問い合わせて母子手帳の写しに英文翻訳を添える形で受け付けてくれるか確認してみましょう。
指定の予防接種が受けられない場合
指定の予防接種の証明ができない場合は、アメリカに渡って大学指定の病院や大学内のクリニックなどで指定の予防接種を受けられることもあります。ただ、証明できない場合の代替手段は、大学により方針も異なりますので、しっかりと大学側と確認をとって進めることをお勧めします。
現地で接種を受ける場合、接種費用もかかってきますので、現地で予防接種を受けた場合の費用も確認しておきましょう。
州ごとの違い
求められる予防接種の種類は、次の要件ごとに異なります。
■ 州
大学の州によって大学に登録される学生へ求める予防接種の種類は異なります。
■ 大学
大学では州で求められた予防接種だけでなく、大学独自で推奨する予防接種の種類を規定しているところもあります。
■ コース・学部・プログラム・学年・年齢
その他、大学のコースや学部・プログラムで異なったり、新入生や編入生といった学生の特性、そして学生の年齢で異なる場合もあります。同じ大学でも、例えば保健学科や理化学系の学部に進学する場合、通常求められているものにプラスアルファで他の接種が求められるということもあったりします。
例えば、各州にある大学が新入生にどういった種類の予防接種を必須のものとして求めているかを例示しておきます。
※各大学では必須のワクチン以外にも、各大学ごとに推奨している予防接種もありますが、ここでは必須のワクチンを取り上げておきます。
1.ニューヨーク州
ニューヨーク州にある名門大学の一つコロンビア大学では、『MMR』『髄膜炎』の2つの予防接種が必須となっています。
2.マサチューセッツ州
マサチューセッツ州にある世界に名だたるハーバード大学で接種が求められるワクチンは『MMR』『破傷風』『ジフテリア』『百日咳』『破傷風』『B型肝炎』『水ぼうそう』です。
3.カリフォルニア州
UCLAやUCバークレーなどカリフォルニア大学では、『MMR』『破傷風』『ジフテリア』『百日咳』『破傷風』『水ぼうそう』といった予防接種歴が必須のものとして求められます。
4. ワシントン州
ワシントン州にあるワシントン大学では、『はしか』が必須のものとして求められています。
5.オレゴン州
オレゴン州のオレゴン大学では、『MMR』『破傷風』『ジフテリア』『百日咳』『破傷風』『水ぼうそう』が必須のものとして求められています。
予防接種の料金
予防接種を日本で受ける場合、医療機関によって予防接種料金が異なります。詳しくは予防接種を受ける予定の医療機関にお問い合わせをお願いします。大まかな費用感を以下でご紹介しておきますので、ご参考にしてみてください。(1回当たりの自費料金です)
MRワクチン | 9,000円~10,000円前後 |
---|---|
おたふく風邪ワクチン | 5,000円前後 |
破傷風ワクチン | 4,000円前後 |
水疱瘡ワクチン | 7,000円~6,000円前後 |
まとめ
このように、アメリカ留学(特に大学キャンパスで授業を受けるタイプ)には予防接種が厳しく求められます。
大学によっては、必須の接種以外にも推奨されている接種も異なりますので、進学する大学でどういった予防接種歴が求められているか、そしてそれが生徒のステータスや学部やプログラムによってどう異なってくるか、前もって確認した上で予防接種のスケジュールを立てておかなければなりません。
もし、接種しなければならない条件を満たしていない場合は、せっかく合格したにもかかわらず、大学でのクラスの登録や入寮が拒否されてしまいます。
入学早々にトラブルを起こさないためにも、時間に余裕を持って予防接種に臨みましょう。
最後にお願い事項
アメリカの各州や大学が求める予防接種の種類は、今後変更になる可能性もあります。
今回記載している情報は、2018年8月現在のものになりますので、実際に留学する先の州や大学でどういった種類の予防接種が求められているかは、進学される大学で最新情報をチェックするようにしてください。
また、州で求められるワクチンの種類も今後変わる可能性もあります。以下のウェブサイトではアメリカの各州でどういった予防接種が求められているか、チェックできるようになっていますので、是非一度チェックしてみてください。
ご参考アメリカ各州で定められている予防接種が確認できるサイト
アメリカの進学先の州で必須の予防接種や、それに加えてその大学で強く推奨さえている予防接種に関して、疑問や質問、相談などありましたら『トラベルクリニック』などの専門家に必ずご相談いただくようお願いします。
留学エージェントは、大学が求めている予防接種の要件について文面上で英語で記載あるものを文字通りにお伝えすることはできますが、それ以上のことは専門家ではないためアドバイスすることはできません。実際に予防接種歴をどう証明していくか、どの予防接種を受ければ求められている予防接種の条件をクリアできるようになるかなど細かなアドバイスをすることはできませんので、必ず専門家にご相談ください。
おまけ
予防接種関連の英語の用語と日本語訳を付けておきます。
英語 | 日本語 |
---|---|
Measles | はしか、麻疹 |
Rubella | 風疹 |
Mumps | おたふく風邪 |
Tetanus | 破傷風 |
Diphtderia | ジフテリア |
Pertussis | 百日咳 |
Meningitis | 髄膜炎 |
Hepatitis B | B型肝炎 |
Varicella | 水痘 |
Chicken Pox | 水疱瘡 |