ニュージーランドのワーキングホリデーで実際にかかった費用や収入を大公開
ニュージーランドでのワーキングホリデーを実現するためには、事前の計画と準備が欠かせません。とはいえ、「事前準備にかかる費用は?」「現地での収入が心配……」など、疑問や悩みは尽きないと思います。
ここではニュージーランドでのワーキングホリデーにおいて、出発前と到着後に必要な費用と現地での収入について解説します。
ワーキングホリデーにかかる費用について具体的に知っておけば、安心して渡航の準備ができてくるでしょう。
ワーキングホリデーとは
ワーキングホリデーとは、協定国間で条件を満たす者の就労と就学を認める制度のことです。
ニュージーランドでは、18歳から30歳であれば、ワーキングホリデービザを取得して最長1年間滞在することができます。
※ファームなど特定の仕事を所定期間行えば、さらに3ヶ月延長することも可能です。
滞在中の過ごし方はあなた次第。現地の学校に通ったり、仕事をしたり、働かずに旅を続けたり。異国の地で自由に時間を使って生活できるのがワーキングホリデーの大きな魅力です。
そんな中で気になるのが、費用や収入といった金銭面ではないでしょうか。
ここからはワーキングホリデーにかかる費用を、出発前の準備、現地での生活費、収入の3つに分けて詳しく解説します。
ニュージーランドのワーホリ出発前の準備にかかる費用
2024年4月現在、出発前の準備にかかる費用の内訳は以下のとおりです。
※1NZD=90円で計算
- パスポート(旅券)申請料:20歳以上(10年間有効)16,000円/12歳以上(5年有効)11,000円
- ビザ申請代:$455(約42,000円)
- 航空券(往復):10万〜20万円
- 海外旅行保険:3万円〜30万円
- 国際運転免許申請代:2,350円
合計 約36万円
他にも、スーツケースや必要な生活用品の購入などに備えて余裕を持っておくと安心ですね。
ビザ申請
2024年4月現在、ビザの申請はオンラインでのみ手続きできます。
ニュージーランド移民局公式ホームページに必要書類や資格が記載されているので、しっかりとチェックして申請しましょう。
日本からニュージーランドに渡航する場合は健康診断は不要です。ビザはオンラインで発給されるため、大使館などに足を運ぶ必要もありません。ニュージーランドのワーキングホリデービザは比較的簡単かつ安く取得できるといえるでしょう。
航空券
ニュージーランドに入国する場合、復路の航空券を購入済みであるか、もしくは購入できる資金を所有していることが必要です。
航空券の価格は、直行便や経由便、格安航空券などによってさまざま。2024年4月現在、東京発オークランド行きの最安値は、往復で約10万円からとなっています。
ご参考スカイスキャナー
節約したい場合は格安航空券を利用することや、航空券の価格に合わせて出発の日にちを調整するのもひとつの方法ですね。
海外保険・医療・健康
ビザの申請自体には保険加入の要件はありませんが、海外旅行保険には必ず加入しておきましょう。
海外での医療費は高額になりがちです。普段あまり病院にかからない人でも、慣れない環境で体調を崩してしまうことも。いざという時のために、保険に加入しておくことが重要です。
とはいえ、その保険料もなかなか高額だと思います。そこで、節約したい方におすすめなのが、現地の保険に加入するという方法です。
ニュージーランド現地の保険には、日本の海外旅行保険の何分の一かの料金で加入できる場合があります。
ニュージーランドのワーホリ経験者はOrbitという保険会社の年間約5万円のプランに加入していたりします。ワーキングホリデー対象のプランもあり、日本からオンラインで申請できるので、到着日からカバーされるのも安心です。
費用を抑えながら安心してワーキングホリデーを楽しみたい方にはとてもおすすめです。
ご参考Orbitのワーホリ保険
ただし、現地の保険は基本的に英語での対応のみなので、日本語でやりとりしたい方には日本の海外旅行保険を検討すると良いでしょう。
また、事前準備の一つとして、病院にかかっておくことも大切です。
特に歯科治療代は保険でカバーされず高額になることがあるため、事前に治療を済ませるなどして、万全の状態で渡航しましょう。他にも、日ごろ薬を服用している方はそちらも忘れずに準備しましょう。持ち込める薬の量には制限があるので、持ち込めない分は家族に郵送をお願いするなど、前もって手配しておくといいでしょう。
国際運転免許証
日本に比べて公共交通機関が発達していないニュージーランドでは、オークランドなどの都市部を除けば移動手段はかなり限られています。そのため、車での移動が便利です。
ニュージーランドで車を運転するには、主に二つの方法で免許を取得します。
国際運転免許証
一つ目は、日本で事前に国際免許証を発行する方法です。
日本の免許証があれば、国際免許はすぐに発行でき、到着したその日から運転できます。国際免許証の申請料は2,350円です。
現地免許証を発行
二つ目は、到着後に日本の免許証を大使館などで英訳し、それを使って現地の免許証を作成する方法です。
大使館での英訳に$25、免許証発行に$28.4ほどかかりますが、お酒を購入する際などのIDとしても使用できて便利です。また、車の保険に加入する場合、国際免許証より保険料が安くなるというメリットもあります。
道路は日本と同じ左側通行なので、運転の難易度は比較的低いです。滞在中に現地で中古車を購入して運転し、帰国時に売却する人も多くいます。
車があると行動範囲が一気に広がるので、免許取得も検討してみてはいかがでしょうか。
食料品
注意したいのは食料品です。慣れ親しんだ日本の味を持って行きたいと思いますが、食料品の持ち込みには制限があります。少し割高ではあるものの、ニュージーランドでも日本の調味料は手に入るので、持ち込みたい場合は事前に確認した上で厳選して持参すると良いでしょう。
出発前の準備にかかった実際の費用例
出発前の準備にかかった費用について、実際にワーホリ経験者の方の一例をご紹介します。
2023年11月に渡航し、実際にかかった費用は22万円弱でした。内訳は下記の通りです。
- パスポート(旅券)申請料:0円
- ビザ申請代:3,130円(2023年10月当時)
- 航空券代:85,690円(片道)
- 海外旅行保険料:51,507円
- 国際免許申請代:2,350円
- 医療費:約20,000円
- 生活必需品(変換プラグ、常備薬、化粧品、コンタクトレンズ):約40,000円
- 渡航直後のホステル代:13,716円(3泊)
合計22万円弱
この経験者の方は以前に海外留学経験があったため、パスポートの申請代やスーツケース代などは含まれていませんが、初めて海外に長期渡航される方は、さらに出費が嵩む可能性があります。
必要なものを書き出し、予算を把握しておきましょう。
ニュージーランド到着後にかかるワーホリ費用
出発前はもちろん、到着後も様々な費用がかかります。ここからは到着後にかかる費用について詳しく見ていきたいと思います。
ニュージーランドにおける1ヶ月の生活費
ニュージーランドでの生活に最低限必要な生活費について、1ヶ月にかかる費用の大体の目安をご紹介します。学校に通うか否かによって生活費は大きく異なります。
- 家賃・水道光熱費:$700~1,500(フラットシェアでシングルルームを借りる場合)
- 食費:$80~300
- 携帯などの通信費:$10~50
- 日用品:$20〜50
- 通勤・通学などの交通費:〜$150
- 学費(語学学校に通う場合):$1,500〜2,000
合計:約 $1,000〜4,000(約92,000円~約368,000円)
このほか、人によっては交際費や旅費などが加算されてきます。
生活費を抑えるポイントは家賃と食費の2つをなるべく安くすることです。
家賃
家賃は都市や住環境によって大きく異なります。
オークランドCBDのような都市部や、クイーンズタウンなどのリゾート地では、家賃が高い傾向にあります。一方、家賃が安い場所でも交通機関が発達していない場合、車がないと仕事探しがうまくいかずお金が貯められないことも。家探しをするときは、家賃と交通の便をよく確認することが大切です。
また、ニュージーランドでは「フラット」と呼ばれるシェアハウスでの生活が主流です。一部屋を何人かでシェアする場合や、キッチン・水回りのみを共有する場合などがあります。
家賃は1週間ごとの支払いがほとんどで、入居時に約2週間分のボンド(敷金)を支払い、退去時に返還される場合が多いです。
食費
食費は自炊か外食かによって大きく変動します。
ニュージーランドは日本に比べて外食が高いので、自炊して節約することをおすすめします。
農業や畜産の盛んなニュージーランドでは、食材は比較的安く手に入ります。スーパーやアジアンスーパーで醤油や味噌など日本の調味料も購入できるので、なるべく自炊を心がけて食費や体調をコントロールしましょう。また、飲食店で働けばまかないで食費を浮かせることも可能です。
日用品
フラットで生活する場合、洗剤やトイレットペーパーなどの日用品をシェアすることがあります。経費が徴収されたり、交代で購入したりなど、その家のルールに従いましょう。
また、服や自転車、家具などを購入したい場合は、セカンドハンドストアやMarket Placeという個人売買のプラットフォームを使えば、中古品を安く購入することができます。
現地でのワーホリによる収入について
ニュージーランドにおける収入は、仕事内容や勤務時間数によって異なります。ワーキングホリデービザでは正社員にはなれませんが、その分様々な仕事を経験することができます。
お給料
2024年4月現在、ニュージーランドの最低時給は$23.15。日本円に換算すると約2,000円です。
お給料は、日本でのアルバイトのように時給と働いた時間を掛けて収入が決まります。お給料からは所得税15%程度が源泉徴収され、過払い分は年に一度Tax Returnという形で手元に戻ってきます。
働き方はフルタイムやパートタイム、カジュアルジョブなどがあり、1週間に30時間程度働いている人が多い印象です。
時給$23.5、週30時間勤務すると仮定した場合の収入は、以下のようになります。
- 額面:$23.5 ✕ 30時間 =$705 /週
- 手取り:$705 ✕ 0.85 =約 $600/週
1ヶ月に換算すると、$2,400(約221,000円)稼げる計算になります。
お給料の振り込みは週ごとが基本なので、すぐにお金を受け取れるのは嬉しいですね。
仕事探しの事前準備
ニュージーランドで仕事を得るためには、IRDナンバーという納税者番号を取得することと、銀行口座を開設することが必要です。
IRDの申し込みはオンラインでできますが、ニュージーランドの住所が必要です。到着後にしばらくホステルなどに滞在する場合は、滞在先の住所を使用できるか確認しておきましょう。
ご参考IRDナンバー申請サイト
仕事内容と探し方
仕事はカフェ・レストランでの接客や皿洗い、ホテルやホステルのクリーニング、ファームジョブなどがあります。
コーヒーの文化が根付いているニュージーランドでは、バリスタの資格があると仕事が見つかりやすいです。滞在中に数日〜数週間のバリスタコースを受けて資格を取るのもおすすめですよ。
また、住み込みで働けるホステルや、寮付きのファームで働けば生活費を浮かせることができます。
仕事の探し方は、大きく分けて二つ。
オンライン
一つ目は、オンラインで申し込む方法です。FacebookのコミュニティページやBackpackerboardというサイトに求人が出ているので、気になるものに応募してみましょう。出発前に仕事を探しておけば、渡航後すぐ働くことも出来るため、貯金が少なくても生活は可能です。
直接求人探し
二つ目は、CV(履歴書のようなもの)を作成・印刷し、直接持ち込む方法です。近くのレストランやカフェなどを手当たり次第訪問すれば、その場で雇ってもらえることがあります。
ニュージーランドの職場は人の入れ替わりが激しめです。最初はなかなか採用されず不安になるかもしれませんが、タイミングを掴めれば必ず道は開けるので、諦めずに応募し続けましょう。
まとめ
本記事では、ニュージーランドでのワーキングホリデーにかかる費用や収入について解説しました。出発前、到着後にかかる費用と現地での収入の目安は以下の通りです。
- 出発前にかかる費用:約 32万円
- 到着後にかかる費用:約 9〜36万円/月
- 1ヶ月の収入:約 21万6,000円
ワーキングホリデーに向けて、必要な費用や準備をしっかりと確認し、渡航の準備を進めましょう。
現地での過ごし方など、不安なことも多々あるかと思います。お困りごとがありましたら留学スクエアまでぜひご相談ください。