ニュージーランドの税金について(消費税・所得税・自動車税など)
ニュージーランドの税制は、シンプルさと分かりやすさが特徴となっています。簡潔で透明性が高く、効率的な税制度は国際的にも高く評価され、多くの国々が参考にしています。
ニュージーランドの税金には、消費税、所得税、法人税、固定資産税、自動車税など多岐にわたる種類があります。
また、ニュージーランドには相続税や贈与税がないのが特色となっています。ここでは、ニュージーランドでワーキングホリデーとして働く場合や、語学学校の学生として生活する場合に主に関連する消費税や所得税、自動車税などについて解説しています。
ニュージーランドの税金の種類
消費税(GST)
ニュージーランドの消費税は「GST(Goods and Services Tax)」と呼ばれ、ほぼすべての財・サービスに対して課される一般的な間接税です。税率は一律15%です。
一般商店やスーパーでは、商品の価格表示には消費税込みの価格が表示されており、レジでその価格を支払います。課税対象者は国内に居住する人だけでなく、旅行者、ワーホリ滞在者、留学生も含まれます。
消費税は以下のような一般的に生活の中で購入する物品や、サービスなどが対象となり、課税されます。
- 商品:食料品、服、家具、薬、レストランなど
- サービス:美容院、スポーツジム、プールなど
- 旅行:ツアー料金など
GSTには文字通りサービス料金が含まれおり、また、ニュージーランドではチップの習慣がないため、アメリカやヨーロッパの国々のようにチップの支払いに気を配る必要がありません。
ただし、これまで受けたことのないようなサービスや対応を受けた場合に、お礼の意味を込めて幾らか渡すと喜ばれるでしょう。
所得税(Individual Income Tax)
ニュージーランドにおいてワーホリなどで働いて収入を得た場合に徴収されるのが所得税(Individual Income Tax)です。
ニュージーランドの所得税制度は超過累進課税制度を採用しており、所得に応じて下記の様に異なる税率(tax rate)が適用されます。
- 10.5%: 年収 1 〜 14,000 NZD
- 17.5%: 年収 14,001 〜 48,000 NZD
- 30%: 年収 48,001 〜 70,000 NZD
- 33%: 年収 70,001 〜 180,000 NZD
- 39%: 年収 180,001 〜 NZD 以上
■ 超過累進課税制について
超過累進課税制とは、所得税の課税方式の一つで、所得が増えるにつれて適用される税率が段階的に高くなる制度です。
この方式では、特定の所得範囲ごとに異なる税率が適用され、所得が高くなるほど高い税率が課されるようになっています。
例えば、一税年度で$60,000の収入があった場合、$14,000までの額には10.5%の所得税が適用され、$14,001~$48,000には17.5%、$48,001~$60,000には30%の所得税が徴収されます。つまり、$60,000全体に30%課税されるわけではありません。
ニュージーランドの税年度(tax yearまたはfinancial year)は、4月から翌年3月末までの1年間となっています。
所得税は勤務先が計算をして、所得税分を差し引いた手取り給与が銀行に振り込まれます。また、勤務先から渡されるpay slip (給与明細)により、所得税の税率が確認できます。pay slipは、後々の確認用などに保存しておくことをおすすめします。
IRDナンバーの取得
ニュージーランドでは、消費税や所得税などの税金は日本の国税庁に相当する内国歳入庁(Inland Revenue Department:通称IRD)が税率の決定、徴収、および管理を行っています。
所得税は、IRDナンバーと呼ばれる個別の納税者番号で管理されています。
ニュージーランドでワーホリや留学中にアルバイトなどで働いて収入を得る場合には、IRDナンバーが必要となります。そのため、ニュージーランド到着後、銀行口座の開設と併せてIRDナンバーの取得をお勧めします。
書類ベースのIRD取得方法
紙の書類ベースでIRDナンバーを申請する場合には、下記のものが必要となります。
- ● IRDナンバー申請書(書類番号:IR742)
- IRDナンバー申請書の入手方法は、IRDのホームページからダウンロードまたは、最寄りの郵便局や自動車免許の発行や更新を行うAA(Automobile Association)のオフィスなどで入手可能です。
- ● 写真付きの身分証明書
- パスポートのコピーまたは、国際免許証のコピーが必要です。
- ● ニュージーランドの銀行証明書(バンクステートメント)
- バンクステートメントは、開設した銀行口座の利用状況を証明する書類で、名前や住所、口座番号などが記載されています。
- ● ニュージーランドの住所証明
- ニュージーランドに居住していることを証明する書類で、上記のバンクステートメントが住所証明書としても使用できます。
- ● ビザのコピー
- IRD申請の理由を証明するために、ビザのコピーが必要です。
- ● マイナンバー
- マイナンバーが必要になります。このマイナンバーは銀行口座を開設した時と同じナンバーであることが必要です。
■ 申請方法
上記の申請書に記入が完了したら、申請書類、パスポートのコピーなど一式を最寄りの郵便局または、AAのオフィスに提出します。提出してから、1~2週間後に記載した住所にIRDナンバーのカードが届きます。
オンラインによるIRD取得方法
オンラインでIRDナンバーを申請する場合には、下記の情報が必要です。
- ● パスポート番号
- ● NZの銀行口座ステートメント
- 氏名、住所が入っているものでイメージをファイルに保存しておきます
- ● ビザのApplicationナンバー
- ● マイナンバー
■ 申請方法
オンライン申請は、下記にURLにてオンライン申請フォームが表示されます。
URL申請サイト
・画面中央に表示されている赤字の「Work out how you need to apply for an IRD number」をクリックします。続いて対話形式で必要な情報を入力していきます。
・申請途中でIRDナンバーを受け取る方法としてEメール、郵送を選択する箇所があります。Eメールの場合は2~3日、郵送では1週間くらいでIRDナンバーが届きます。
■ IRDナンバー受領後の処理
IRDナンバー受領した後には、雇用主の会社に提示します。IRDナンバーにより、所得に応じた適切な税率が適用されます。また、銀行にもIRDナンバーを提示します。提示しない場合、口座の利息に対して最高税率が適用されるため、必ず銀行に知らせましょう。
ニュージーランドの自動車税(Licensing/rego fees)
ニュージーランドで自動車を所有する場合の税金や必要となる費用に関しては、自動車税と車検費用があります。
自動車税(Licensing/rego fees)
ニュージーランドで車を購入した場合に、支払いが必要となるのが自動車税(Licensing/rego fees)です。自動車税は、NZ Transport Agencyの管轄となっており、ナンバープレイトの登録料として使用されます。
税金を支払うと、満了日までの有効なタグ(画像上)が郵送されてきます。このタグはフロントガラスの内側左下に、外から見えるように表示する必要があります。
自動車税はオンラインで申請、支払い、更新が可能です。支払い期間は3ヵ月、6ヵ月、12ヵ月から選択でき、12ヵ月の支払いが一番割安となります。自動車税は道路や標識など、一般的な交通インフラの整備などに使用されます。
車検(WOF: Warrant Of Fitness)
ニュージーランドでは、WOF(Warrant Of Fitness)と呼ばれている車検が必要となります。新車を購入した場合は、購入時に車検が行われ、後は3年後からは毎年車検を受けます。
中古車に関しては、年式によって6ヵ月または12ヵ月ごとに車検を受けます。一回の車検費用はおよそ$60~70ドル位で、毎年少しずつ上がっています。車検が完了すると、車検満了日が記載された、車検完了タグがフロントガラスの内側右上に貼付されます。
まとめ
ニュージーランドの税制はシンプルで透明性が高いと世界から評価されており、参考にする国も多いようです。
ワーホリや語学学校の学生とし生活する場合には、主に、消費税、所得税、自動車税などが関係してきます。また、働く場合には、IRDナンバーが必要となります。
IRDナンバーを申請はオンラインでも簡単に行えますので、ぜひ試してみてください。留学やワーキングホリデーでニュージーランドで生活する際には、税金の仕組みなども理解して快適な留学&ワーホリライフを過ごしてください。