イギリスにエアコンはない?冷暖房・セントラルヒーティング事情を解説
イギリスの家庭や学校、職場には基本的にエアコンは付いていません。
「そんな、クーラー無しで夏は乗り切れるのでしょうか?」と留学やワーキングホリデーでイギリスに渡航される方によく質問を受けます。
イギリスではエアコンの普及率は5%以下で、エアコンが付いている施設に入るとものすごく珍しく感じます。
逆に冬は、部屋中はもちろん施設の至る所まで暖かく過ごせます。
ここでは、なぜイギリスのエアコン普及が低いのか、夏はどう乗り切っているのか、そして冬はどうのようにして暖かく過ごしているかを解説していきます。
イギリスの暖房事情
イギリスの冬は寒くて長いです。イギリスの施設では各部屋ごと、廊下、共有スペースなど施設内の至る所に「セントラルヒーティング」設備を張り巡らせており、このためにイギリスの施設内では冬の時期は温かく過ごせています。
セントラルヒーティングで家中ポカポカ
日本では各部屋にエアコンやストーブが設置されるため、部屋の中は温かいけど廊下に出ると寒い、トイレが寒い、お風呂場が寒いなどありますが、イギリスでは家中を温めるセントラルヒーティングが一般的です。そのため、一旦暖房をつければ、室内で寒さを感じることなく過ごすことが可能です。
ここでセントラルヒーティングのシステムを簡単に説明しましょう。
各部屋にラジエーターと呼ばれるパネルがあり、そこにボイラー(または瞬間湯沸かし器)から温水が送られ、ラジエーターが温められることにより部屋、そして家中が暖かくなるのです。
家の中に温度調節器が一つ設置されていて、全体の温度調節はその調節器で行われますが、各ラジエーターにも温度調節をできる「つまみ」が付いているので、ラジエーターごとの温度調節も可能です。

セントラルヒーティングのメリット
セントラルヒーティングのメリットは多くあります。
家中が暖かくなる他、一旦セントラルヒーティングを消しても、ラジエーターが冷めるまではしばらく時間がかかるため、部屋に暖かさが残る、また石油や電気ストープのような火事の心配もありません。
しかし冬の間、連日一日中使っていると、毎月のガス代がかなり高額となります。そのため、フラットシェアをしていて、特にレント代(家賃)に光熱費が含まれている場合、使用時間が制限されていることも少なくはありません。
また一般家庭でも使用時間を朝と夜の数時間のみ、としている家庭が多くあります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 家の中どこでも暖かい | 温まるまで遅い |
| 火事の心配がない | ガス料金の値上がり |
| 静かな運転 | 維持費などコストがかかる |
セントラルヒーティングの代わり
上記で説明した通り、セントラルヒーティングは家全体が暖かくなり、使用しているときはポカポカと気持ち良いものの、使用制限されている場合も多くあります。
湯たんぽ
使用制限がある場合、夜寝るときは寒いと感じることもあり、そんな寒さをしのぐのに湯たんぽ(ホットウォーターボトル)はイギリスでも人気があります。そのため、冬時期には大手スーパーやドラッグストアには湯たんぽが並びます。
就寝する少し前にベッドに湯たんぽを忍ばせておけば、寝る頃にはベッドが程良い暖かさとなっており、部屋が少し寒くても快適な睡眠をとることができます。
暖炉
イギリスではセントラルヒーティングのほか、暖炉(ファイヤープレイス)がある家も多くあります。暖炉に使う薪は家に植わっている木の枝を乾燥させた物を使用したり、また大手スーパーなどでも販売されています。
ゆらゆらと揺らぐ炎を見ていると、身体のみならず心も暖かくなる気分になり、イギリス人の社交場であるパブにも暖炉が設置されていることが多く、冬の寒い日には暖炉の前のテーブルは常に人で賑わっています。

イギリス冷房事情
次にイギリスの冷房事情についてみていきます。冒頭で説明した通り、イギリスでのエアコン普及率は5%以下で、夏の時期でもエアコン無しで過ごすのが一般的です。
イギリスに留学された方からも、「ホームステイ先にクーラーが無いのではじめはびっくりしたけど、クーラー無しでも問題なく過ごせました。」という経験談や「夏はチューブの車内が蒸し暑くエアコンもないので長時間はきついかなと思いました。」といった体験談も頂くことがあります。
それくらい、イギリスではエアコンはまだまだ一般的ではありません。
一般家庭にクーラーが無い理由
地球温暖化の影響で、最近は稀に真夏に35度を超える日もありますが、イギリスの夏は日本の夏に比べて涼しく、30度を超える日も多くはありません。
そのため、一般家庭には通常エアコンは設置されていません。また扇風機すらない家庭も多くあります。
しかしイギリスでは扇風機やクーラーが部屋に必要と感じるほど暑くなる日は多くなく、夏でも窓を開けていれば快適に過ごせるということがほとんどです。
では、なぜイギリスではそこまでエアコンが普及していないのでしょうか。
① 涼しい夏の気候
一番の大きな理由は、夏の気候が乾燥していて涼しいというのが挙げられます。
ロンドンでも夏の時期は30度を超えることはあまりなく、20度台で快適に過ごせます。夏でも10度台に下がる時もあるほどです。そして乾燥していますので、日本のように蒸し暑いという事もありません。そのため、クーラーが無くても快適に過ごせます。
② エアコンは高価という意識
普及率が低いという理由もあってか、エアコンは高価でぜいたく品という意識もあり、クーラーがそこまで普及に広がりを見せていないという点も挙げられます。
③ 環境意識の高まり
エアコンはエネルギーの消費量を増やし二酸化炭素の排出を増やすという意識も高く、環境保全という視点からそこまで普及していないとも言えます。
④ 光熱費の値上げ
やはり、エアコンをつけると光熱費が上がっていきますので、昨今は物価も高くなってきているという事も踏まえエアコンの設置に躊躇するという事もあるかもしれません。
レストランやカフェにエアコンがないことも稀ではない?!
スーパーや大手百貨店やショップにはエアコンが設置されていますが、ローカルなカフェやレストランではエアコンが設置されていないということも稀ではありません。
エアコンのないお店では、大きな扇風機を使用したり、またはすべての窓を全開にして営業をしています。
地下鉄やバスには注意
ロンドンの地下鉄やバスは、暖房設備は整っているものの、冷房設備はあまり整備されていません。そのため、冬でも混み合った車内はかなり暑く感じることは少なくなく、また30度を超えるような日にはサウナ状態となることが少なくありません。
そのため、夏の気温の上がった日にロンドン市内を移動するときには、飲み物の携帯が必須で、駅構内でも飲み物を携帯するようにアナウンスされています。
エアコンの増加
このように、イギリスではエアコンが普及していないということを説明してきましたが、昨今の温暖化で30度を超える日も増えてきており、さすがに夏に室内でエアコンが無いと厳しいのではという事も言われ始めてきています。
そのため、昨今では徐々にエアコンの人気も高まって来おり、イギリスの多くの学校でも喫緊にエアコンを設置する学校をよく目にするようになりました。明らかに後付けしましたねという形でエアコンが設置されています。
このような事情もあり、イギリスのエアコン普及率が早々に上がってくることは確実なのではないでしょうか。
イギリス冷暖房事情まとめ
イギリスの冷暖房事情についてご紹介してみました。日本の冷暖房事情と比べると、暖房面に関しては日本よりイギリスの方が進んでいるかも(北海道除く)、冷房面に関しては日本の方が進んでいるといえるかもしれません。
ですが、それぞれ一長一短ありますので、どっちが進んでいるとは言えないかもしれませんが、一つ言えるのは、イギリスの夏はこれからクーラー無しでは厳しそうといった所でしょうか。
ただ、これまでクーラー無しで過ごしてきたイギリスでは昔ながらに四季の変化、季節を感じながら生活しているとも言えるでしょう。ぜひ、イギリスに留学やワーキングホリデーで滞在する際にはイギリスならではの冷暖房事情に身を任せ、イギリスならではの生活を堪能してみましょう。































