オックスフォード大学・ケンブリッジ大学へ日本から進学できるか、入試はある?
イギリスだけでなく、世界的にもトップランクの大学である、オックスフォード大学とケンブリッジ大学。この2つの大学をまとめて「オックスブリッジ」と呼ばれています。世界の大学ランキングでも常にトップ10常連の大学です。
イギリスへの留学を希望される方で、イギリスの大学へ進学を検討されている場合、オックスフォード大学やケンブリッジ大学に入学したい!進学したい!という学生や、子供たちをこれらの大学に進学させたいという親御様もおられるとは思います。
では、日本の高校を卒業して、成績が良ければ、英語力が高ければ、オックスフォード大学やケンブリッジ大学に行けるかというと、そうすんなりとはいかないのが、世界トップレベルの大学です。
ケンブリッジ大学とは
そもそもケンブリッジ大学ってどんな大学なの?と思われた方に簡単にケンブリッジ大学のご紹介をしてきます。
ケンブリッジはロンドンから電車で1時間程度北東に位置している小さな町です。ケンブリッジ大学はその町の中心であり、31に及ぶカレッジに分かれてケンブリッジ大学を形成しています。カレッジと聞くと、2年制大学や短大を思い出す方もおられますが、それとは異なります。トリニティカレッジやキングスカレッジなど有名です。
常に世界の大学ランキングでもトップ5に入っていて、世界中から優秀な学生や研究者が集まっています。主に理系科目に強いといった印象があります。といっても経済や社会科学などの文系領域がも素晴らしいの一言です。ケンブリッジの経済学は、ケインズを生み出し世界に広く認知されています。
ケンブリッジ大学のランキング
世界の大学のトップ10に位置する大学と冒頭で申しましたが、世界大学ランキングを毎年発表しているTimes Higher Educationの世界大学ランキングを見ると、2019年総合2位、2018年総合2位、2017年総合4位と、トップ10どころか常にトップ5に入っています。
オックスフォード大学とは
オックスブリッジのもう一方の大学、オックスフォード大学。
オックスフォードもロンドンから電車で1時間程度北西に位置している町で、どちらかというとオックスフォードのほうが町としては賑やかです。オックスフォード大学もこの町の中心を成していて、世界中から学生・研究者・観光客が多く集まります。ハリーポッターの映画の撮影がオックスフォード大学で行われたことあって、ハリーポッターファンにも人気が高いです。
オックスフォード大学も世界の大学ランキングのトップ5常連です。こちらもケンブリッジと同じくカレッジ制で数々のカレッジで大学が形成されています。オックスフォードはどちらかというと文系的なイメージがありますが、ケンブリッジ大学と同じことが言えるように、理系が劣っているということは決してありません。日本の皇室ともつながりが深い大学でもあります。
オックスフォード大学のランキング
一方のオックスフォード大学の世界大学ランキングですが、こちらもTimes Higher Educationの世界大学ランキングで見ると、2019年総合1位、2018年総合1位、2017年総合1位と、ここ数年で世界ナンバー1の大学となっています。
教育制度の違い
では、これらの大学に日本から進学がそう簡単にはいかない点として、まずは、根本的なところから、日本とイギリスとの教育制度の違いが挙げられます。
イギリスの大学学部は基本的には3年間で終了します。日本の高校にあたる過程で、日本の大学1年~2年の一般教養的なことはすでに修了する形になります。そのため、大学レベルの一般教養課程を終えていない日本の高校卒業レベルだと、そのままイギリスの大学に進学できません。
そのため、英語力が高いからという理由だけでは、残念ながらオックスブリッジ(オックスフォードとケンブリッジを合わせた呼び名)だけでなく、イギリスの大学学部へ進学することができません。
Aレベルテスト
イギリスの大学学部では、教育制度の違いからそのまま進学できない留学生向けに1年間のファウンデーションコースを設けています。大学が内部進学用にファウンデーションコースを設けていたり、私立の第3者機関がファウンデーションコースを設けていたり様々ですが、通常はこのファウンデーションコースを挟んだうえで、留学生はイギリスの大学学部へ進学することができます。
ところが、オックスブリッジだけは別格です。
オックスブリッジでは、こういった留学生向けのファウンデーションコース経由では出願できません。
ではどうするか、
地元のイギリス人が大学学部進学のために受験するAレベルというテストを留学生も同様に受験しなければなりません。そのまま同じものとは言えないですが、簡単なイメージとしてはイギリスのセンター試験を留学生も受けなければいけないといったイメージです。
オックスブリッジレベルでは、ただ受験してそこそこのグレードの結果を出すだけではいけません。受験する教科すべてで最高グレードの結果を出さなければいけません。オックスブリッジに出願する学生は、このAレベルテストだけでは差がつかないとも言われています。それはオックスブリッジを希望する生徒はほとんどが最高グレードを出してしまうからです。センター試験で言えば、受験科目すべてで満点近くを取らなきゃいけないということになります。
出願
Aレベルの結果と大学学部の出願書類をそろえて、出願するようになります。
その内容をもとにまずは最初のふるいにかけられます。Aレベルテストの結果やこれまでの学校での成績、エッセーなど総合的に判断され、次のステップである面接に呼ばれるかどうかが決まります。
面接
出願して、無事書類の選考をクリアすれば、次は面接です。
この面接が結構大変らしいです。私も話でしか聞いたことがないですが、あるアカデミックなトピックに関してオックスフォード大学・ケンブリッジ大学の教授と本気で討論することになるようです。
「自己紹介お願いします」
「趣味は何ですか」
「なぜうちの大学を希望したのですか」
「大学では何を勉強したいのですか」
といったような、面接でよく聞かれるようなことで想定問答を用意しても太刀打ちできないようです。
この面接を経て、オックスフォード大学・ケンブリッジ大学への合格が決まります。
日本人学生の入学条件
簡単に日本人学生がオックスブリッジ(学部)に入学する為の入学条件をオックスフォード大学の例でまとめてみます。
1. 9月中にアドミッションテストに登録する
オックスフォード大学では独自のテストが行われますので、出願するコースに応じてどのテストを受けるか確認し、テストへの登録を済ませます。
2. 10月中旬頃までにUCASへ出願
オックスフォード大学(ケンブリッジ大学も含む)はUCASへの出願時期が他のイギリスの大学に比べると早いです。9月に出願できるようになりますので、それに備えます。
3. 10月中旬にアドミッションテスト受験
9月に登録したアドミッションテストを10月に受験するようになります。
4. 11月中旬までにエッセーの提出
出願するコースによってはエッセー (Written Work)が求められますので、11月中旬頃の指定された日までにエッセーを提出します。
5. 12月にインタビュー
インタビューが受けられるかどうかは、上記4までのステップで選ばれた方に限ります。
6. 1月初旬に合否発表
インタビューの結果に応じて、合否の発表が行われます。
まとめ
以上のように、日本高校を卒業したレベルで、オックスフォード大学やケンブリッジ大学の学部への進学を目指しても可能性としてはゼロではありません。ただ、優秀なイギリス人とも渡り合えるような高い一般教養レベルの土台と、非常に高い英語力、専攻したい分野の深い専門知識や洞察力など、非常に高いレベルが求められるだけでなく、日本との教育制度の違いから数年は遠回りしなければいけません。そのため、実際の大学学部在学中の資金だけでなく、遠回りする準備期間の資金も必要になります。
オックスフォード大学やケンブリッジ大学は、学部からの進学は非常にハードルが高いですが、大学院になるとそこまでとも言えないので、もし将来的にオックスブリッジで勉強したいという志があれば、日本の大学の学部で学士を取得するか、またはイギリスの他の大学(ファウンデーションコースで進学できる大学)で学士を取得し、大学院でオックスブリッジを目指すということも選択肢になりえるかと思います。