イギリス人の性格や特徴などの国民性
イギリスへ留学すると、学校のスタッフや教師、ホームステイ先でのホームステイのホストなどイギリス人と接する機会も出てきます。ワーキングホリデーでイギリスに滞在するにしても、職場にイギリス人がいたり、アパートをシェアする際には同居人がイギリス人だったり、家主がイギリス人だったりすることもあります。
イギリスへ留学するにしろ、イギリスでワーホリで働くにしろ、イギリス人の性格や特徴などについて基本的なことを知っておくと、付き合いや接し方もいつもとは違ってイギリス人に合わせることもできてくると思いますので、何かと役に立つと思います。
イギリス人の特徴や国民性を解説
それでは、イギリス人の特徴や国民性を12のポイントで解説してみます。※以下でご紹介するイギリス人の性格や特徴は、あくまで全般的な傾向の一部にすぎません。イギリス人の全員に当てはまるということではありません。日本人でも個々人で性格や考え方が異なるように、イギリス人も個々人で性格・特徴・価値観・考え方は異なりますので、その点にはくれぐれもご留意ください。
イギリス人も島国根性
イギリスは日本と同じように島国で、四方が海に囲まれています。ということは、地続きで国境を接している国がなく(一部アイルランドと接しているところはありますが)、他国の影響をあまり受けにくいという意味で、独自の文化を育んできた歴史があります。そのため、イギリス人の間では、地理的にはヨーロッパだけど自分たちはヨーロッパとは違うという意識もあったりしますので、2016年にあったようなEUからの離脱意識が高まるということも起こったりします。
ただ、同じイギリスでも、ロンドンではグローバル意識が高かったり、スコットランドは独立志向もありイギリス人ではなくスコットランド人という意識も高かったりします。
アメリカ人とは違うイギリス人意識
同じ英語圏であるアメリカ人と間違われたりすることを嫌がるイギリス人も多かったりします。
アメリカは独立するまでは元々イギリスの植民地だったということもありますし、その植民地だったアメリカに世界の覇権も奪われ、国力も凌がれという歴史もあったりするので、イギリスとアメリカは同盟国ではありますが、イギリス人の中では以外にもアメリカ人とは一緒にしてもらいたくないという意識があります。
同じ英語でもスペルや訛り、使い方も異なりったりしますし、アメリカ人をイケイケどんどんな感じで見ている一方で、イギリス人自身は冷静沈着で論理立てて物事を俯瞰できるインテリジェントだと思っている傾向もみられます。そのためアメリカ人と一緒にしないでほしいという意識があったりします。
※アメリカ人との比較
イギリス人とアメリカ人の特徴を比較してみると、アメリカ人は「社交的な性格で積極性があり、自由主義で負けず嫌い」といった特徴が見て取れます。イギリス人にももちろんこのようなアメリカ人の特徴を兼ね備えた人もいますが、どちらかと言えばアメリカ人に見られるような積極性や負けず嫌いな性格は強く感じられない部分もあるかと思います。
イギリス人はプライドが高い?
イギリスは、現在世界で多くの人々に人気のあるスポーツや政治経済の仕組みを先駆けて構築してきた先駆者でもあります。そのため、今ある世界の仕組みを作ったのはイギリス人であるという意識もあり、プライドが高かったりします。
例えば、スポーツで言うと、サッカー。サッカーはイギリス発祥です。そして、ラグビー。日本でも徐々に人気が出てきていますが、ヨーロッパ・オセアニアでは、大人気スポーツです。アメフトもラグビーから枝分かれしてできたスポーツと言われています。ちなみに、野球はアメリカの発祥のスポーツですが、その根源はイギリス発祥のクリケットとも言われています。
政治経済でいうと、現在の資本主義的な経済システムは、イギリスが発祥の産業革命から生み出され、アメリカ経由で大きく発展しています。日本が採用している政治システム議会制民主主義もイギリス発祥です。それ以外にも、音楽分野でビートルズを生み出したり、世界にも名だたる英国王室、紅茶を世界に広めたりと、世界的に普及しているイギリス発祥のものは以外にも多く、イギリス人が誇れるプライドの一部となっています。
高いグローバル意識を持つイギリス人
同じ島国の日本でも、イギリス人と大きく異なる点があります。それがグローバル意識の高さです。
日本は島国で江戸時代には鎖国政策を採っていたため閉鎖的な気質がありますが、イギリス人は逆に世界へ出ていく気質が高いです。これは歴史的にも大英帝国から根付いてきた名残だと思います。イギリスは島国でイギリス国内だけで農産物や食料品を自給自足していくことに限界があったため、中世からイギリス人はイギリスから出て貿易で賄っていくことに積極的でした。それが大英帝国につながっていく訳ですが、その気質は今も変わらず、イギリス人は仕事にしろ旅行にしろイギリス国外へ出ていく高い意識をもっています。
意外と地味なイギリス人のファッション
ロンドンは世界の流行の発信地でもあり、イギリス人はファッション意識が高いと思われがちですが、意外にも地味だったりします。
ファッション意識は日本人の方が断然高いです。夏はジーンズにTシャツというスタイルもよく見かけますし、髪形もスタリングをバシッと決めているというのも日本ほどよく見かけることはありません。
暑さや寒さを凌げるような服装という感じのスタイルが多く、おしゃれというよりは服装に機能を求める意識が強いです。ただし、イギリス人男性が着るスーツはおしゃれに着こなしているのは多い印象です。
ファッションは地味だったりしますが、香水はきついです。多くのイギリス人は香水をつけていて、その香水も付けすぎなんじゃないかと思えるほど日本人にとっては臭いがきつく感じます。地味なファッションに臭いのきつい香水という二律背反な所もあったりします。
イギリス人はビール・ワイン好き
イギリス人はパブの文化もあるので、昼間からパブやレストランなどでビールを飲んでいるシーンをよく見かけます。夜はもちろんです。
金曜日の夜、パブではビールやワイン片手に語り合っているイギリス人がひっきりなしに行き交います。一たびサッカーの試合があろうものなら、ビールやワインボトル片手にパブリックビューイングなどで試合を観戦し、そのビールの空き缶やワインのボトルなどが普通に電車の中や町中に捨てられていたりもします。パブなどでビールを注文するとワンパイントグラスで出され、日本のビール瓶の約1.5倍の量を軽く飲み切ります。イギリス人はアルコール好きと言えると思います。
※ここ数年のアルコール摂取傾向
イギリス人はアルコール好きではあるのですが、ここ数年、1週間のアルコール摂取頻度がイギリス人の中で低下してきています。以下の画像は2005年~2016年の1週間におけるアルコール頻度の割合なのですが、2016年はイギリス16歳以上人口の56.9%が1週間にアルコールを摂取すると答えています。この割合は2005年以降最低レベルとなっています。
パーティー好きでよくしゃべるイギリス人
パブなどでビールやワインをよく嗜む国民性からか、イギリス人はパーティーや飲み会などは大好きな人が多いです。そしてその場でよくしゃべります。
ビジネスではたいていディナーパーティなどが開かれ、初めから終わりまで食事もそこそこでアルコール片手に語り合っています。特に週末はよくパーティーが行われます。友達・仲間・身内・近所同士などでパーティーをやっています。夏場は自宅の庭を使って屋外パーティーということも良く見かけます。
そのパーティーの場では、大音量でBGM音楽が流れていることが多々あります。その大音量のBGMの中でお互いの声が聞こえているんだろうかと思えるほど、よくしゃべっています。本当に会話が好きな国民性だと感じます。
イギリス人は紳士的な気質?
イギリス人の男性はよく紳士的と言われますが、実際のところそこまで感じることは少ないかもしれません。街中で騒ぎますし、ゴミも決められた場所に捨てないといったこともありますので、イメージしているほどの紳士感は少ないかもしれません。紳士の典型的なイメージである、フロックコートにシルクハットという姿はまず目にすることはありません。まだ日本で着物を着用する女性を見る確率の方が高いと思われます。
ただ、いくら紳士感が少ないと言いましても、手押しのドアから出入りする時など後から来る人のために手で開けて待ってくれていたり、階段などので重たい荷物を持っていれば気兼ねなく声を掛けて手伝う姿も良く見かけますので、紳士的なマインドはもちろん持ち合わせています。
ちょっとやそっとじゃ傘をささないイギリスの人
イギリスは曇りがちで雨もよく降りますが、雨の性質も日本のような土砂降りやゲリラ豪雨といったことが少なく、小雨だったり、降ってもパラパラのような降り方なので、イギリス人は多少の雨が降ったぐらいでは傘をさしません。
念のため折り畳み傘は携帯している人は見かけますが、小雨程度なら傘をさす煩わしさを考えているのかどうか、小雨に濡れながら街中を歩いていく人をよく見かけます。
ただ、ここ数年は異常気象で大雨が降ったりすることも昔に比べ多くなったので、さすがに傘をさすしながら歩くイギリス人も多くみられるようになっています。
やっぱりサッカー大好きイギリス人
イギリスはサッカー発祥の国ということもあって、サッカー(イギリスでは、フットボール)が大好きな人が多いです。イギリスには小さな町にもプロのサッカークラブがありますので、多くのイギリス人はどこかしら出身地のサッカークラブを応援しています。
サッカーのチケットももちろんなかなか取れないですし、サッカーのある試合の日はパブなどでビール片手にパブリックビューイングもよくやっています。
ワールドカップでイングランドなどの試合がある日は、町が静まりかえったりもしますので、イギリス人とはサッカーを酒の肴に盛り上がること間違いありません。
イギリス人はあまり病んでいない??
日本では自殺率が先進国の中でも高いと言われています。日本の自殺者数は2016年の警察庁統計で、21,897人だそうです。
その一方で、イギリスの2016年の自殺者数は、5,965人でした。
日本のおよそ四分の一で、人口比で考えてみてもイギリスは日本の人口の約半分なので、かなり自殺者数は少ないと言えます。
もちろん直接的な因果関係はわかりませんが、イギリス人は心の病は少ないかと推測されます。
イギリス人と仲良くなるには
以上のイギリス人の特徴を考えると、イギリス人と仲良くなとうと思えば、まずはイギリスの地理や歴史の知識を持っていること大事です。
逆の立場で考えてみても、日本のことに詳しい外国人にはいろいろと親しみを感じることも多いと思いますので、イギリス人でも同じことが言えます。
その上で、サッカーのことやラグビーのことなどスポーツネタもしっかり持っていて、更にイギリスを取り巻く政治経済ネタもしっかり知識を持っていると話が弾むと思います。
そういった話のネタをビール片手に社交的に話をし、自分なりの意見や考え方を展開すればイギリス人と仲良くなっていくこともできると思います。
イギリス人の定義(人種視点)
では、そもそもイギリス人とはどこまでをイギリス人と指せばよいのでしょうか?
イギリスは日本と異なって、その歴史的背景から移民を多く受け入れている国です。その為、アジアやアフリカからこれまでに多くの移民を受け入れてきています。オリジンが移民で、イギリスに生まれ育った人も立派なイギリス人です。イギリス=白人というイメージを抱きがちですが、イギリス人は白人だけの人種で成り立っているのではないという事だけは肝に銘じておきましょう。
その為、イギリス人と接する上でも、その人種的バックグラウンドによる文化や風習は異なっていますので、これらの文化や風習をリスペクトして接していくことはとても大事なことになります。
イギリスの人種構成
少し古いデータになりますが、10年に一度イギリスで行われている2011年の国勢統計で人種構成が調査されています。イギリス人はどの地域や国を背景に構成されているか大まかなイメージがつかめると思います。※国勢統計は、ご参考としてイングランドとウェールズの調査されたものでご紹介します。
特徴
● 全人口(イングランドとウェールズ)の86%が白人
● アジア系人種:7.5%(内インド2.5%)、黒人:3.3%(内アフリカ系1.8%)、混血人種:2.2%
● 白人の中でもイギリス系は、80.5%(2001年調査より6.9%減少)
こうみると、一概にイギリス人と言えども、多様性があり、その傾向は年々高くなってきていると言えると思います。