オーストラリアの文化や風習について
オーストラリアへ留学や旅行をするのであれば、オーストラリアの文化について知っておいた方が現地の人とより仲良くなれると思います。またオーストラリアにこれから住もうと考えている人にとっては、こちらもオーストラリアの文化について知っておく必要があります。オーストラリアの文化に関する特徴をまとめてみました。
現在のオーストラリアの文化を形作った歴史
簡潔に説明しますと、現在のオーストラリアの文化が形作られたのは、1766年、イギリスのジェームズ・クック船長がオーストラリア大陸の東海岸に上陸したことがきっかけとなり、従来住んでいたアボリジニ族は土地を追われ、イギリス移民をはじめとして、多くの移民がオーストラリアに渡るようになりました。
そこから西洋の多種多用な文化が入まじり、今日のオーストラリアを形作りました。2000年以降はアジア系の住民も増えてきているので、ますます多種多様な文化が色濃くなってきています。
オーストラリアが誇る伝統文化
オーストラリアではいまでもアボリジニの文化が残っています。それを象徴するものとしてアボリジニ文化を気軽に体験できる施設もあります。
例えば、ジャプカイ・アボリジニカルチャーパークといった場所が有名です。他にはアボリジナル音楽というものがあり、ディジュリドゥという楽器は、古来より男性にのみ使用が許された楽器として扱われていました。
アボリジニは文字を持たず、読み書きの習慣が無かったため、音楽や絵を描くことなどでコミュニケーションをとっていました。つまりオーストラリアの伝統文化はアボリジニと切っても切れない結びつきがあります。
聖地ウルル(エアーズロック )は見て楽しむ
2019年10月より、ウルルへの登頂が禁止されました。ウルルは元々アボリジニの聖地であり、生活するための居住地でもありました。ウルルは険しい岩山なので、登るための鎖が付けられていますが、実は鎖が無い場所も多々あります。足を滑らせて亡くなる人や、心筋梗塞で亡くなる人も出ていたことから、アボリジニは以前より「登頂を控えて欲しい」と願ってきました。
今回恒久的に登頂禁止となりましたが、ウルルは見るだけでも十分な価値があります。アボリジニが描いた絵が残されていたり、台所として使用してきた岩場を触ったりすることも可能です。世界最古の民族とも言われるアボリジニが、先祖代々生活してきた環境を実際に見れば、人類の歴史を感じることができることでしょう。
アボリジニとは
アボリジニは、オーストラリアの原住民族です。ただ、オーストラリアはイギリスの流刑地としてヨーロッパ人が入植し始め、今ではアジア系を中心とした移民で成り立った国でもあるので、このアボリジニの文化や伝統が少しづつ薄れてきたという歴史があります。
その為、オーストラリアの固有の伝統や文化をしっかり残していこうと、オーストラリアではアボリジニを保護し、その文化や伝統を大切にしています。
オーストラリアの国民性
そんなアボリジニの文化や伝統を引き継ぐオーストラリアの国民性はどういったところが特徴か、取り上げてみたいと思います。
おおらか
オーストラリア人はとにかく大らかです。細かいことは全く気にしません。オーストラリアに住む日本人もまた、日本にいる日本人に比べ大らかで優しいです。オーストラリアに住む人々は、温暖な気候のため常に陽気で、さらに仕事よりプライベートを重視する国民性からストレスを抱えることもなく過ごすことが出来ます。特に日本で社会に出たことがある人は、その違いに驚くことでしょう。
裸足が好き
特にゴールドコーストなどのビーチサイドの街では、裸足で歩くオージーを良く見かけます。サーファーや水着姿の人も多いので、裸足でも違和感はありません。逆に考えると裸足でも歩ける環境ということになりますね。歩道の横には芝生が生え、緑が多く綺麗な街が多いです。
健康管理が極端
太っているか、毎朝ランニングするビーガンか、オーストラリア人の健康への興味は両極端です。さらに、あまり体型を気にしない人でも、太っていても気にせず露出します。オーストラリアの家庭の味はバーベキュー、チップスもコーラも大容量、ケーキは激甘なので太ってしまうのも納得出来ます。お洒落なカフェも美味しいスムージーもたくさんあり、特に日本人女性は外食が増え太りやすい傾向にあります。
誰にでも話しかけちゃう
オーストラリア人は人懐っこく陽気なので、誰にでも話しかけてしまいます。朝すれ違う人に「Morning」と挨拶するのは当たり前。電車で隣に座っていたらどこに行くのか訪ねてきたり、お散歩していたらハイタッチを求めてきたり、とにかく彼らの感覚でいうと「オーストラリアに住んでいる人はみんなお友達」です。
困っていたら助けてくれる
親切なところもオーストラリア人のいいところ。オーストラリア人は困っている人を放っておけません。何か分からないことがあれば、道行く人に声をかけてみましょう。必ず答えてくれます。時には向こうの方から「どうしたの?」と話しかけて来てくれることもありますよ。
オーストラリアの食事
『ブッシュフード』というアボリジニ特有の食文化を活かした料理があっても、実はオーストラリア全体の個性的な料理はそれほど多くありません。元はイギリスの植民地だったこともあり、日本料理の様な特徴的な料理自体発達していなかったのです。仮にオーストラリア料理を挙げるとしたらミートパイです。他にはオージービーフという名前の牛肉料理もあったりします。
そんなオーストラリアの食文化に見られる風習や特徴などはどういった点があるのでしょうか。
ブレッギーが主流
オーストラリアは朝食を『ブレッギー』と呼びます。カフェでもブレッギーの提供をしているところが多く、朝7頃から開いています。オーストラリアではカフェで朝食をとり学校や職場に出勤することがもはや文化となっています。トーストやサラダ、卵などがワンプレートになったお洒落なメニューが多く、女性はカフェにハマる傾向にあります。色んなカフェを巡るのも楽しいですよ。
カフェは3時まで
ブレッギーを提供するため、早朝にオープンするので午後3時頃には閉まってしまうカフェが多いです。日本の感覚で午後のティータイムにカフェに行こうとすると閉まっているということもあり得るので気をつけましょう。チェーン店であれば、夜まで開いています。
バーベキューが大好き
バーベキューは家庭の味!各家庭にもバーベキュー台がありますし、公園やビーチサイドにもバーベキュー台が必ずあります。語学学校で友達とバーベキューをする機会も多くなるはずです。
量が多い
外食というよりは、スーパーで売られている食材の量が多いです。不思議なのは、量が多くなるほどお得に購入できるということです。日本では、1人用のサイズの野菜が安く売られていたりもしますが、オーストラリアではファミリーパックがお買い得なので、シェアハウスの住人や友達と一緒に買って分け合うのをオススメします。
ハングリージャックス=バーガーキング
世界的にバーガーキングと呼ばれているチェーン店が、オーストラリアでのみ『ハングリージャックス』と呼ばれています。というのもバーガーキングという名前が先に使われていて登録出来なかったようです。そのため提供されている内容はバーガーキングと同じです。オーストラリアではハングリージャックスを至るところで見かけます。アイスクリームが1ドルで購入できるなど、マクドナルド以上に国民に愛されています。
肉なら何でも食べる
カンガルー、エミュー、ワニ、ウサギなど、日本を含む他の国ではあまり口にすることがない動物も、食べちゃいます。エミューやワニはジャーキーとして、ウサギは田舎の家庭料理で食べるそうです。カンガルーはスーパーでも普通に売られており、主にステーキとして食べます。原住民アボリジニはカンガルーの尻尾を丸焼きにして食べるのが好きなので、尻尾を切り落としてそのまま冷凍した状態のものが売られていることも。
5時にはビール
基本残業はしないオーストラリア人。朝遅刻しても、夕方には必ず定時で帰ります。仕事が終わったらさっさと家に帰り、友人や恋人、家族と外でご飯を食べて過ごすのがオージースタイル。夕方5時にバーを覗くと、オーストラリア人がビールを楽しむ姿が見られます。
ベジマイトを食べる
日本で言えば納豆でしょうか。オーストラリアには国民食と言われる「ベジマイト」という食べ物があります。ビタミンB2や葉酸・チアミンなど身体にいい成分がたくさん入っていると言われています。
朝食時にトーストに塗って食べるのが主流。ただ、味がかなり独特で、しょっぱさの塊のような味がします。ベジマイトに慣れない人には食べられるものではありません。
独特なルールやマナー
オーストラリアの全般的なルールやマナーもご紹介してみたいと思います。
時間にルーズ
オーストラリア人は大らかなので、少しの遅刻や遅延は気にしません。仕事や学校にも、コーヒー片手に普通に遅れてきます。こちらが遅れてきても大して気にしないのでありがたいですが、学校ではもちろん遅刻扱いになるので、大らかさに甘えない気持ちが大事です。
バスは手を挙げて止める
バス停でバスを待っていても、スルーされてしまうことがあるでしょう。オーストラリアでは、乗りたいバスが来た時に手を挙げて乗る意思を表す必要があります。
また、バスを降りる際は、降車場所の案内をしてくれないので、外の景色を見て判断しなければなりません。はじめての場所に行くときはmapアプリを使用しましょう!
お酒は外で飲めません
基本的に海外では日本のように簡単にお酒が買えません。さらに、公園や海で買ってきたお酒を飲むという行為も禁止されています。オーストラリアはバーベキュー文化があるので、バーベキューエリアに警備員や警察が巡回に来ることもあります。
シャワーは短くしよう
オーストラリアの土地柄、水が不足しやすくなっています。シャワーは短時間で済ませましょう。ホームステイ先やシェアハウスのルールとして決められていることもあります。時に洗濯も週に何回と回数が決められていることもあります。
大麻が流通している
オーストラリア人はタバコと同じような感覚で吸っています。となりの家から臭いがしてくることもあるし、道端で吸っている人を見かけることもありますが、オーストラリアでも日本でも違法なので気軽に手を出さないよう気をつけて下さいね。
英語の訛りが強い
オーストラリアの英語は、他の英語圏の国に比べて訛りが強いと言われています。1番有名なのはAをアイと発音すること。「Today」は「トゥダイ」です。また、「R」を発音しないのも有名な話。初めてオーストラリアに行く場合、耳が慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
お店の営業時間が短い
カフェはもちろんのこと、スーパーやデパートでさえも営業時間は短いです。特に週末や祝日は早く閉まることが多く、うっかりしていると買い物をしそびれてしまう可能性もあります。食材はギリギリにせず、余裕を持って買い溜めをしておくことも大事。その代わり、木曜日はショッピングデーと言われ、比較的長めに営業する店舗もあります。
荷物はなかなか届かない
日本では、荷物の配達の際、日にち指定や時間指定をすることが多いですよね。オーストラリアでは、いつ届くか分からないのが当たり前。基本2週間くらいはかかると大らかに構えており、荷物が届かない!と焦ることもありません。日本から必要な物資を送る時も、「いつ届くかも途中で無くなるかも分からない」と覚悟しておくことをオススメします。
風邪ひいてもマスクしない
風邪をひいたり、予防したいときに、マスクを付けるのは自然なことですよね。でも、オーストラリアでマスクをしたら「ものすごい重病の人」と思われます。オーストラリアでは、よっぽどの事態にならない限りは絶対にマスクは付けません。マスクには「怪しい」「怖い」という印象がありますので、外では付けない方が良いかも知れませんね。
食事マナーの文化について日本と比較
オーストラリアでの食事マナーですが、まず、パスタやコーヒーなどを飲食する際に、音を立てないようにしましょう。日本では当たり前に音を立てているは良く見かけると思います。(特に、ラーメンとかうどんとか麺類は音が立ちますね。)
次に食事をするときに食器や皿を持ち上げて食べないようにします。オーストラリアでは基本フォークやナイフ、そして中華や和食の店では箸を使って食器を持ち上げることはあまりしません。
あと、たくさんオーストラリアで食べ物を満喫する時に、食べきれずに残してしまうことがあります。食べ残し自体、日本では基本的にあまり良い印象はなく、せっかく作ったのに残すなんてもったいない、といった感覚で判断されがちです。
しかしオーストラリアの場合、食べ物を残しても、たいていの飲食店では持ち帰りOKで、持ち帰り用の容器(タッパーのようなものなど)を用意しています。オーストラリアではこの行為自体だれも咎めたりはしません。オーストラリアはそういった点は寛容ですね。
ちなみに日本でも当社のある広島では、お好み焼きの食べ残しはお持ち帰りOKということが良くあるんですよ!
あと違いがあるとすれば、日本にもあるフードコートで何か食べた後の食器やトレーを、日本では食べた人が自主的に片付ける傾向がありますが、オーストラリアではほとんどの人が片付けず放置していきます。それはオーストラリアでは日本と違いフードコート清掃係がいて、その人が専門に片づけを行っているからなのです。
初めてオーストラリアを旅行する方は少し戸惑うかもしれません。
こういったオーストラリアの食文化について本を読みながら理解を深めてみるのも良いかもしれません。