オーストラリアの教育制度概要
オーストラリアへ留学しようと考えると、日本の学校からそのままオーストラリアの学校へ進学できるの?どのタイミングで進学できるんだろうという疑問も出てくるかと思います。
その時に、オーストラリアの教育制度について知識があると、オーストラリア留学の実現に向けて役立ってくる場合が多いです。
オーストラリアへの留学を検討するにあたり、オーストラリアの教育制度の知識をこのページでしっかり身に付けておきましょう。
オーストラリアの学年別システム
オーストラリアの教育制度は、小学校から高校を卒業するまで13年制となっています。Pre-school→Primary→Secondary→Tertiaryというステップで進学していくようになり、州により若干異なりますがオーストラリア全土でこのシステムはほぼ同じです。義務教育は6歳~16歳のPrimaryとSecondaryの10年目まで(Year9またはYear10)までが一般的な義務教育期間です。
Pre-School
5歳(一部の地域では4歳の場合もあります)の1年間が該当し、日本でいう幼稚園年長にあたります。しかしこの時期は義務教育ではなく、入学する生徒も週2~3日といったこともあります。
Primary School (Year1 – Year6/7)
オーストラリアでYear1とは小学1年生にあたり、7年間(もしくは8年間)初期教育(Primary School)となります。Year1~Year6又はYear7に当たります。
Secondary School (Year7/8 – Year10)
Year7は中学1年生にあたり、高校1年にあたるYear10までが義務教育となります。英語、数学、社会といったメインとなる教科の他に、多文化国家であるオーストラリアは、外国語、技術、音楽、芸術など様々な選択科目を受けることができます。
また職業実習のクラスが多くなり、将来の就職のために実用的な勉強をすることができます。Year10までの教育を修了した時点で中等教育修了書を受け取ることができます。
Senior Secondary School (Year11 – Year12)
日本でいう高校2~3年にあたりSenior Secondary Schoolと呼ばれ、義務教育期間ではなくなります。専門的な科目が増える時期であり、専門学校と連携をとるケースが多くあります。オーストラリアは日本のような受験ではなく、Year 12を修了するまえにそれぞれの州の統一高等学校資格試験を受験し高校修了資格(Senior Secondary Certificate of Education)を得ることができます。
<各州の統一高等学校資格試験の名称>
- ニューサウスウェールズ州:Higher School Certificate (HSC)
- ビクトリア州:Victorian Certificate of Education (VCE)
- クイーンズランド州:Queensland Certificate of Education (QCE)
- 西オーストラリア州:Western Australian Certificate of Education (WACE)
- 南オーストラリア州:South Australian Certificate of Education (SACE)
またこの統一高等学校資格試験の結果と学業成績に応じて、希望の大学に出願することができます。
Tertiary School
大学や専門学校などの高等教育を指しています。オーストラリアの大学は多くの場合3年で学士号(Bachelors Degree)が取得できるようになっています。専門学校はTAFEと呼ばれるカレッジや専門学校で半年~2年間の職業訓練プログラムを受講し、レベルに応じてCertificate I~Certificate IV、またはDiplomaやAdvanced Diplomaの取得を目指します。
州によって異なる学年
Primary SchoolやSecondary Schoolの学年期間は州によって異なります。
以下を除く全州
Primary school:Year1~6
Secondary School:Year7~10
Senior Secondary:Year11~12
北部準州(ダーウィン)
Primary School:Year1~6
Secondary School:Year7~9
Senior Secondary:Year10~12
南オーストラリア州(アデレード)
Primary School:Year1~7
Secondary School:Year8~10
Senior Secondary:Year11~12
オーストラリア教育の特色
オーストラリアは、小中高の7割が公立であり共学がほとんどです。私立でも3分の2が共学となっています。学年(アカデミックイヤー)は1月末/2月初旬から始まって12月中旬までで4学期制(quarter)を敷いています。学期はそれぞれ2ヵ月半であり、学期間には2週間ほどの休みの時期があります。
- 1学期:1月下旬/2月初旬~3月下旬/4月上旬
- 2学期:4月下旬/5月上旬~6月下旬
- 3学期:7月中下旬~9月中下旬
- 4学期:10月中旬~12月初中旬
また州によってカリキュラムも異なり、その土地ならではの授業を取り入れられています。オーストラリアは土地が広く、毎日通うことが困難な学生には、インターネットや郵送を使った通信教育にも力を入れています。
日本とオーストラリアの異なる点
日本とオーストラリアの教育制度では、以下の点が異なります。
公立校が充実
オーストラリアは、初等教育から大学、大学院まで公立校が占める割合が多く約7割が公立校(州立)となっています。
教科書
オーストラリアは入学時に教科書を貸し出され学期が終わったら返却をします。そのため教科書を購入する必要はありません。
大学受験がない
日本のように大学へ進学する際の各大学で行われる入学試験やセンター試験のような統一試験はありません。Year12を修了する前に、それぞれの州の統一高等学校資格試験を受けこの試験が高校卒業資格となる他、この試験のスコア及びSenior Secondary期間の学業成績によって進学できる大学が異なってきます。
政府の取り組み
原住民であるアボリジニーやトレス海峡諸島民に対する教育、移民や留学生に対する教育、また障害のある生徒などに特別補助金や学習支援を提供しています。
オーストラリア教育制度のまとめ
オーストラリアは義務教育が6~16歳で、大学や専門学校へ進む生徒はYear11-12へ進みます。Year12が修了する前に、統一試験を受けスコアや学業成績に応じて大学もしくは専門学校へ進みます。州ごとにカリキュラムや学年制度が異なることも大きな特徴といえるでしょう。