オーストラリアの消費税はいくらかかるの?税率・税金種別
オーストラリアへいざ留学やワーホリへ行こう!(もちろん旅行でも)と思って、渡航の準備をしていると、どうしてもオーストラリアでかかってくる費用について頭をよぎってくると思います。もちろん、オーストラリア滞在中にも実際どのくらいお金を使ったか気になってくることもあることと思います。
その中でも気になるお金の項目の一つが税金です。「オーストラリアで買った商品には、日本で言う消費税ってかかってくるのかな?」「日本は10%だけど、オーストラリアの消費税って何%で計算されるんだろう?」と言った疑問も出てくることは当然でしょう。
日本と同様に留学や観光目的で訪れたものの、お土産や生活用品を買おうと思ったらオーストラリアでも日本と同様に消費税がかかってきてしまいます。
免税店で買えば済む話なのですが、オーストラリアにこれから留学などで長い間滞在しようと考えている方にとってはオーストラリアの消費税について予め知っておく必要があります。
ここでは、オーストラリアでの消費税率をご紹介しながら、日本の消費税との違いを説明し、オーストラリアで消費税の計算をする場合でも困らないように、オーストラリアの消費税の特徴がわかるようになっています。
オーストラリアの消費税率
まず結論から申し上げますと、10%です。
オーストラリアの消費税はシドニーオリンピックが開催された2000年に導入され、最初から10%で設定され、今のところは増税する動きがなく現在でもそのままの状態になっています。
しかもオーストラリアでは消費税のことをGST(Goods and Services TAX)と呼んでいます。
GSTは2000年7月に導入された制度です。2000年なので、歴史としてはまだ浅い方かもしれません。オーストラリアで消費者が消費する全ての商品やサービスの多くに一律に課せられています。
日本とオーストラリアの消費税の違い
日本では2019年に消費税が10%となりました。軽減税率が導入され、生活必需品などは8%に据え置きされるようになったのも新しい流れです。
ちなみに、消費税が一番高い国はハンガリーで27%となっていることからすれば、世界と比べれば日本やオーストラリアはまだまだ低い方です。
ただ、オーストラリアと日本と違うのが【消費税の対象項目】なのです。
日本では一般的に消費税は税率の違いはあれ、『全ての付加価値を有するもの(○○円のような)』が対象です。わかりやすく言うと、お布施などのごく一部の項目を除き全て対象になってしまいます。
これに対してオーストラリアはというと、食料品などの基本的な生活必需品や教育費などには消費税はかからないことになっています。
例えば、日本でたまご1パックを税抜200円のモノを買おうとすれば8%の16円の消費税が発生して216円かかってしまいます。
オーストラリアの場合では食料品であるたまごに消費税は発生しません。
他に消費税がかからないものは、医療費・育児費・チャリティ・障害者用自動車・宗教サービス・上下水道費・寄付・個人の住宅購入費などが非課税の対象になっているのです。
上記に該当しないスポーツカーなどの高級なぜいたく品に関しては消費税が発生する仕組みになっているのです。
このやり方のいいところは生活必需品に消費税を適用しないことで低所得者層の負担を軽減しているという点です。日本もこういったオーストラリアのいいところを取り入れても良いかもしれませんね。
オーストラリアでは食料品に消費税非課税ですが
オーストラリアでは上記で説明した通り、食料品に消費税は発生しません。
ですが、レストランなど飲食店で販売または消費される場合は課税対象となります。あくまで自宅で消費する分において消費税が発生しないという考え方に基づいているからです。(この点は、日本の軽減税率制度と考え方が似ていますね)
もう少し噛み砕いて説明すると、パンにおいてはまたパンといっても全てが非課税ではなく、食パンかロールパンに限られ、そこに味や風味が付いているもの(菓子パンなど)は課税対象となります。
本当に細かいですよね。
カフェで注文するトーストなども食べ物なのに消費税が発生してしまいます。
これを日本人の感覚に当てはめて考えてみると、会計時にレジではどんな仕組みになっているのか、総菜コーナーで売っている食パン(基本味無し)とカレーパン(基本味付き)でなぜ消費税がかかってしまうのかなど理解に苦しむことになるかもしれませんね。
もしオーストラリアで留学やワーホリをして生活を考えている方はこうした制度を身をもって体感したうえで慣れていくしかありませんね。
その他にもオーストラリアで生活する上での様々な知識を付けておくと現地に行って必ず役立ちます。
オーストラリアの消費税がどう使われるか
簡単に説明しますと、消費税で得た税金は社会保障に使われています。
その一例として、医療費などは基本無料です。消費税が高い分、国民にとって何らかの形で還元しているから良いですよね。それゆえに、オーストラリアでは消費税に関してあまり文句を言う人がいない印象を受けます。
オーストラリアの税制
オーストラリアでワーホリなどしていると、所得税も気になってくるところだと思います。オーストラリアの所得税は、居住者と非居住者によって課税システムが分けられています。
非居住者
Foreign Residentsという言い方がされています。
2019年の課税制度で言いますと、年間所得で90,000ドルまでだと、32.5%課税されます。
90,001ドル~180,000ドルで、29,250ドルが課税のベースとなって、90,000ドルを超えた部分に対し37%追加で課税されます。
180,001ドル以上あれば、62,550ドルが課税のベースとなって、180,000ドルを超えた部分に対し45%追加で課税されます。
居住者
こちらも2019年の課税制度で言いますと、年間所得で18,200ドルまでであれば課税されません。
18,201ドル~37,000ドルで、18,200ドルを超えた部分に対して、19%課税されます。
37,001ドル~90,000ドルの範囲であれば、3,572ドルが課税のベースとなって、37,000ドルを超えた部分に対し32.5%追加で課税されます。
90,001ドル~180,000ドルの範囲で、20,797ドルが課税のベースとなって、90,000ドルを超えた部分に対し37%追加で課税されます。
180,001ドル以上あれば、54,097ドルが課税のベースとなって、180,000ドルを超えた部分に対し45%追加で課税されます。
非居住者の方が税負担は重いですが、居住者はMedicare Levyという国民保険に似た制度がありますので、別途2%徴収されるようになっています。
所得税率や、その対象となる所得額の範囲などは毎年見直しされますので、気になる方は最新の税率をチェックしておくようにしましょう。
オーストラリアでの消費税払い戻し制度
海外旅行をすると旅行先の国で支払った消費税の払い戻しをしてくれる免税手続き制度があったりもします。オーストラリアの場合、オーストラリアで支払った消費税が戻ってくる仕組みがあるのでしょうか。
オーストラリアの入国管理局ともいえるAustralian Broder Forceによると、TOURIST REFUND SCHEME (TRS)という制度があります。
海外からの旅行者がオーストラリアで購入した商品のGSTとワイン平衡税(Wine Equalisation Tax: WET)の払い戻しの制度です。ただ、この払い戻し制度の適用を受けるにはいくつか条件があります。
- オーストラリア出国までの60日以内に購入した商品
- 同一事業者から合計300ドル以上購入していること
- 購入したタックスインボイス(Tax Invoice)の原紙を持っていること
- アルコール類には適応無し(但しワインはWETの範囲内で)
- GST免税商品には適応無し
- 食料品など、オーストラリアで全部または部分的にでも消費できるものは対象外
- 宿泊やツアーなどのサービスも対象外
特に対象がオーストラリアへの旅行者中心となると思われる払い戻し制度ですが、短期留学でもこういった払い戻し制度を有効活用して節約していくことも考えてみても良いかもしれません。
動画でTRSの説明
英語ではありますが、オーストラリアのワーキングホリデーで税金の払い戻し制度について解説している動画もあります。留学やワーキングホリデーでオーストラリアに渡豪予定の方、折角なので英語の勉強もかねて払い戻し制度の概要を動画でもチェックしてみて下さい。