イギリス・イングランドのロックダウンからの規制緩和計画
イギリスのイングランドは、新型コロナウイルス、特に英国変異株の蔓延により2021年1月から3度目のロックダウンに入りました。その間イギリスではワクチン接種を急速に進めています。そして2021年2月下旬には、この3回目のロックダウンの解除計画を発表しています。
イギリスでは、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドでそれぞれコロナウイルス対応の施策が異なります。ここでは留学先としても多いイングランドのロックダウン解除計画でご紹介していきます。
もちろん、イングランドの入院者数や陽性者数、そして死亡者数の状況によりこの解除計画の変更も十分に考えられますが、ロックダウン解除計画がどの日程で計画され、イギリスへの留学にどう影響してくるかを考えたいと思います。
ロックダウン解除計画の概要
イングランドの解除計画は、2021年3月8日から始まり、2021年6月21日までで一応終了する計画になっています。ただイギリスのジョンソン首相が記者会見で強調していたように、解除の判断は5週間ごとに行い、datesではなくdataで行うとしています。
そのため、解除日程の日付は設定はされていますが、あくまでその時その時の感染状況や変異株の状況などが判断の優先指標となっていきます。よって、日付は仮で設定されているという認識を持っておいた方が無難です。
STEP1: 3月8日
2021年3月8日には、イギリスの学校が対面授業を再開しています。高等教育の学校や大学も対象で、3月8日から対面授業を再開できるようになっています。
留学の視点で言うと、留学先の授業を行う語学学校や大学・カレッジも対面授業が再開されています。2021年に入りこれまでオンラインレッスンのみだったものが、対面授業もできるようになりました。
実際に、3月8日から対面授業を再開するかしないかは学校の判断によりますので、学校によってはもう少し様子をみて4月に対面授業再開という学校もあります。
対面授業が再開されはしますが、学校や教室の中でのコロナ対応ガイドラインは守らなければなりません。
日常生活での対応
学校以外の日常生活では、基本的にはこれまで通り変わりません。屋外に出て気晴らしや運動するといった事のみ認められています。
3月29日からは、ステイホーム規制も緩和され限られた通勤なども解禁されます。6名まで(ルール6)または2世帯までの屋外での集まりも認められます。屋外スポーツ施設も再開されます。
STEP2: 4月12日以降
学校に関しては大きな変更はありません。日常生活上の規制が以下のように大きく緩和されます。
2021年4月12日以降(4月12日前に早まる事はない)には、屋内も含めた一部施設(エンターテイメント系の屋内施設は対象外)が再開できるように計画されています。美容室・ネイルサロン・図書館・市民会館・ジム・動物園・テーマパークなど
レストランやパブも屋外で営業できるようになります。屋外での集まりも緩和されます。屋内の集まりはルール6が適応されます。
同一世帯での国内旅行も認められます(他の世帯と交わらない滞在先に滞在すること)
特筆点
このSTEP2の時点で特筆すべき点は、イングランドの海外旅行に関するレビューが行われる点です。イングランドの人達がSTEP3以降で海外旅行が解禁された時に、実際にどの国に行けるようになるのか、解禁とする渡航先の状況をどう判断するのか、旅行先によってイングランドの人がイギリスに帰国した際に自己隔離がどうなるのかが決まるのではとも言われています。
ということは、日本人にとっては留学で日本からイギリスに入国する場合もどういった扱いになるかが焦点となってきます。
ただ、こういったことが示されるのではという憶測に過ぎないので、この時点でそこまで詳しいことが決まるのかも不明です。
STEP3: 5月17日以降
2021年5月17日以降(5月17日前に早まる事はない)には、イングランドにとって海外旅行が解禁されるようになります。ということは、海外から戻る旅客も受け入れないければならないので、入国時の隔離方針にもある程度の変更が加えられると予測されます。
STEP2で発表される海外旅行レビューに従って、どの国から帰って来るかで自己隔離の程度も示され、日本からイギリス(イングランド)入国時の対応も変わってくる可能性もあります。
その他の緩和ポイント
日常生活上の規制が以下のように緩和されます。
30名以上の集まりは禁止のままですが、ほとんどの屋外での集まりに関する規制が緩和されます。ただ屋内はルール6が適応されますが、適宜レビューされます。
レストランやパブは屋内でも営業できるようになります。STEP2で再開できなかった映画館・シアター・ホテル・屋内スポーツ施設も再開できるようになります(※ナイトクラブは対象外)。
ソーシャルディスタンスルールやマスク着用についても見直しがこの段階で行われるので、学校の教室の人数制限などにも影響が出てくる可能性があります。
STEP4: 6月21日以降
2021年6月21日以降(6月21日前に早まる事はない)、全ての規制を解除する計画でいます。
ソーシャルディスタンスやマスク着用などの施策は今後も続くと言う専門家も出てきているので、全てが全て解除されるかは非常に懐疑的です。
規制緩和にあたり重視する指標
イングランドの政府は、ロックダウンを段階的に解除するにあたり、以下の状況を総合的に判断するとしています。
- ワクチン接種計画が計画通りに進むこと
- ワクチン接種によって死者の数または入院治療の数が十分に減ること
- 陽性者数が入院者数を悪化させる危険がないこと
- 変異株によって規制緩和するリスクが基本的に変わらないこと
まだ油断はできません
以上が、6月21日を目途に進められているイングランドのロックダウンの段階的解除計画です。冒頭で述べたように、日付ではなくデータで判断すると言っているので、これらの計画上の日程は目安としてとらえておいた方が無難です。
イギリスに留学するにあたっては、学校が再開していることや自己隔離がなく入国できることが大きなポイントになってくると思います。とくに5月17日以降にイギリス入国後の自己隔離がどうなるか、方針は4月12日以降に一旦明らかにされますので、そこに注目していくことになるかと思います。
もちろんこの予定通りにいかない可能性も十分に考えられますので、話半分で気に留めておくのが良いかもしれません。
スコットランドやウェールズはまた別のロックダウン解除計画を策定していますので、詳しくはイギリス政府のウェブサイトでご確認ください。