スペイン文化の一つシエスタは、スペイン留学にどう関わってくるか
これからスペインへ長期的な留学やワーキングホリデーを利用しスペインで過ごすことを考えている方へ向けて、マドリード在住の方の情報の元、シエスタとスペインでの生活での関わりについて、マドリードでの例をもとにご紹介してきます。
シエスタという文化
スペインのイメージは、と問われると、サッカー、フラメンコ、闘牛、など様々なものがイメージされると思いますが、その一つに「シエスタ」も挙がるのではないでしょうか。
この「シエスタ(siesta)」という文化は、日照時間の長い南ヨーロッパで採用されている昼の休憩のことです。日本での昼の休憩というと1時間が大体だと思いますが、スペインでは2〜3時間が当たり前です。
スペインでは昼ごはんをメインの食事としていて、同僚とレストランでゆっくり食事を楽しんだり、一度家に帰って家族で食事を楽しんだり、この時間を有意義なものにします。
休憩時間の始まりも14〜15時と遅く、2〜3時間と長い休憩時間なので、その間に仮眠をとったり、子供と遊んだりとプライベートの時間を大切にしています。
シエスタ時間に注意すること
語学学校は基本的に午前中の4時間(9〜13時、10〜14時)のところがほとんどだと思いますが、午後クラスやオンライン対応をしている学校もあります。しかし、ほとんどの学校がこのシエスタの時間帯は授業がなく、先生も生徒も皆休憩をとっています。
留学を有意義にするのであれば、午前の授業を受け、クラスメイトと食事に行き、夕方から授業の復習をしたり、観光しスペイン文化に触れたり、夜遅くに友達とdiscoteca(ナイトクラブ)へ出掛けるのもいいでしょう。
日照時間が長い分、活動できる時間も長いので十分な睡眠時間をとっても有意義な時間を過ごすことができます。
外食時の注意点
先程も述べたように、スペインでの昼食時間は遅く、レストランも13〜16時がランチの時間となっているところがほとんどですが、この時間を過ぎてしまうとお店が閉まってしまい、次の開店時間が19〜20時ごろになります。
マドリード等の主要都市では開いているレストランもちらほら見かけますが、地方へ行くと閉まっているところがより多くなります。
レストランで食事を楽しみたい場合は、働いている人たちが休憩に入る少し前の13時ごろに行くと少し余裕があるかと思います。またこの時間帯のランチメニュー(menú del día)は前菜、主菜、パン、飲み物、デザート(もしくはコーヒー)を10〜20€(1300〜2600円)で楽しむことができます。
スーパーなどの注意点
スーパーマーケットや薬局などのお店もこの時間に閉まってしまうところが多いので、午前中、もしくは夕方以降に買い物に行くといいかと思います。
公共交通機関での注意点
バスやメトロ等の公共交通機関は、昼の休憩入りたての14〜15時がとても混んでいます。逆に15〜17時の時間帯は人が少ないため本数が減り、いつものように乗り換えがスムーズにならなくなります。
その他での注意点
また、銀行は朝8時半〜14時までしか開いていませんし、役所関係もこの時間帯は人手が少なくなってしまいます。大事な手続きがある場合は午前中から行動しましょう。
バケーションシーズンの7〜8月はこの時間帯が一番暑く、マドリードの気温は40度近くになります。外に出ること自体が億劫になるので、街から人がいなくなります。どの家も日差しを遮るために雨戸と降ろして、部屋の中で涼しく過ごします。
シエスタ時間に徳をすること
大手のスーパーマーケットであれば、近年開店時間から閉店時間までずっとお店が開いています。シエスタの時間はあまり来客がない時間帯なので、ほぼ貸し切り状態で買い物をすることができます。
スーパーマーケット同様にデパートや路面店も来客が少なくなります。暑さ対策をきちんとした上で買い物や観光をすることはいいかもしれません。
公共交通機関に関しては本数が少なくなりますが、利用者がとても少なくなるので快適に利用することができます。
そして、シエスタの時間帯に休憩をとることでスペイン人のように夜遅くまで遊んでもアグレッシブに活動することができます。
シエスタ文化とスペイン生活のまとめ
日照時間が長いことから生まれたシエスタ文化は、日本人からすると理解し難い文化かもしれません。逆にスペイン人からすると日本のように休憩時間に仕事をしたり、残業があったり、仕事に追われてプライベートで楽しむ時間がない方が理解し難いものです。
スペインに在住する方もはじめは抵抗があるようですが、今ではほぼ毎日シエスタ時間に仮眠もとっていたりと慣れてくるようです。
せっかくスペインでワーキングホリデーや留学を経験するのであれば、その国の文化や生活リズムを取り入れてみてください。そうすることで心にも身体にも余裕ができ、有意義な時間を体験することができます。
ずっと机に向かって勉強するだけでなく、友達と遊びに行ったり、現地の文化に触れたりすることでより早く言葉も習得できます。