バルセロナに留学して生活していくメリットとデメリット

バルセロナに留学して生活していくメリットとデメリット

バルセロナは、スペインにある都市の中でもとりわけ世界的によく知られている都市です。スペインについてよく知らない場合でも、多くの人が一度は耳にしたことがあり、バルセロナを一度でも訪れたことのある人は、住んでみたいと考える方も多いのではないでしょうか。

スペインへの留学を検討する際には、滞在先として候補にも挙がることでしょう。現地に住むとなると、旅行とは違い、生活面についてしっかりと考慮する必要があります。

ここでは、留学などでバルセロナにて数ヵ月の滞在をする場合に考えられるメリットとデメリットについて、他の都市との比較も交えながら詳しくご紹介します。

バルセロナの主な特色

バルセロナは改めて説明の必要もないくらいに知られた都市ではありますが、メリットとデメリットを見ていく前に、そのベースとなる主な特色をご紹介します。

スペイン北東部カタルーニャ州の州都

バルセロナは、スペイン北東部カタルーニャ州にあり、地中海沿岸に位置しています。カタルーニャ州の州都で、カタルーニャ州内での公用語となっているカタルーニャ語も使われます。スペインでは首都のマドリードに次ぐ大きな国際都市です。

ガウディが創り上げたアートの街

スペインと言えば、サグラダ・ファミリアを連想する人は多いでしょう。バルセロナはサグラダ・ファミリアのある街として大変有名です。

建築家アントニ・ガウディが残した建築物はサグラダ・ファミリア以外にも複数あり、作品群として世界遺産にもなっています。街の中心地をメインに点在している作品は、ガウディがかつて夢見ていた街づくりの一環でした。その独特な世界観は今現在も活きており、バルセロナでは主に現代アートと建築を中心とした文化が発展しました。

現代アートの分野に限らず、美術館や博物館が多くあり、アートの街としての側面の大きい都市です。

バルセロナで生活するメリット

バルセロナにて生活をしていく、という観点から考えられるメリットについて詳しくご紹介します。

ガウディの街に住める

バルセロナのサクラダファミリア

上述の特色で挙げたように、バルセロナはガウディが創り上げた、非常にユニークな雰囲気に溢れた街です。

ガウディの世界観がユニークであることだけではなく、街を創り上げたいという思いのもと創られた作品が、郊外も含め街の中に複数点在していることで、バルセロナの街全体がユニークな印象となっています。

ガウディの作品がある街、ではなく、ガウディが創り上げたかった街、として、バルセロナは世界中のどの街でも見られないとても特別な場所です。

この街を訪れた人は、好みに関係なく、誰もがその非常に独特な世界観を感じるでしょう。この独特な雰囲気に包まれた街を生活する地として日常的に感じられることは、バルセロナで生活する最大のメリットです。

バルセロナには後述するような他のメリットも多くある街ですが、この点は旅行者にも居住者にも大きな魅力です。

ガウディの作品それぞれの中に入るには入場料が必要となりますが、作品の外観だけでも十分に鑑賞の価値はありますし、バルセロナで生活することで日常的にガウディの世界観に浸ることができ、彼が創りたかった街に住むことは、特別な日々になるでしょう。

年間を通して過ごしやすい

ガウディの街としてとても大きな魅力があることに加え、バルセロナは1年を通して過ごしやすい気候であることも、生活する上で大きなメリットです。

夏は国内の他の都市同様スペインらしい暑さとなりますが、南部のエリアほどは暑すぎず、冬は温暖な上に雨が少ないため、どの季節も過ごしやすいです。

日本同様スペインも南北で気候が大きく異なり、特に夏と冬は南北で気温も天気も大きく違ってきます。バルセロナは暑すぎず寒すぎず、どの季節もマイルドな気候で、スペインの中で非常に過ごしやすい都市です。

これに加え、バルセロナは大都市でありながらビーチリゾートの側面もあり、大都市の便利さや賑わいがある一方で、温暖な気候の中のんびりした雰囲気もあるという意味で過ごしやすい街であることも魅力の一つです。

国内外へのアクセスが非常にいい

ヨーロッパの中でも有数の国際都市であるバルセロナは、国内主要都市とのアクセスはもちろんのこと、ヨーロッパ以外の国とのアクセスもよい都市です。大きな国際空港からは、世界の全エリアへのフライトが運行されており、乗り継ぎが必要にはなりますが日本との往復にも便利です。

国内、ヨーロッパ内へは格安のフライトも多く出ていて、計画的にチケットを取れば、かなり安い費用で移動することも可能です。飛行機だけでなく、バスや鉄道、地下鉄も充実している街で、大都市ならではですが、どこに行くにも大変便利です。

国内外のアクセスに加え、バルセロナ市内のアクセスについても利便性が高く、生活するのにとても便利であることもメリットです。

地下鉄やバスが充実している上に、バルセロナには居住者のみが使用できるレンタルサイクルがあります。実は街中は公共交通機関を使わずに歩いた方が早いということも少なからずあり、そういう場面を含め、生活する上でレンタルサイクルが活躍します。

スペインの主要観光都市では、ヨーロッパ全体で見てもレンタルサイクルが普及している傾向がありますが、バルセロナは他の都市と違い、事前にパスを購入した居住者のみが利用できるシステムになっています。

ビザを保有している外国人居住者も利用可能となっている上、街中にはかなり多くの貸出ステーションと、自転車の台数も多く設置されているので、使いたいときに自転車が1台もないということもほとんどありません。

しかも、バルセロナの道路では、自転車専用レーンの幅が広く設けられており、自転車用の速度別道路も設定されています。専用レーンは年々増加しており、住んでいる人の移動がさらに便利になっている街です。

バルセロナの自転車レーン

年中街に活気がある

スペインにはバルセロナ以外にも見どころのある観光都市が複数あるものの、他の国同様、冬は多くの都市で観光客の数は減少します。しかし、バルセロナは冬も温暖なこともあり、季節に関係なく年中人出が絶えない特徴があります。

ガウディによる色鮮やかで独特なデザインによる明るい雰囲気があることに加え、1年中世界各国から多くの人がやって来るので、常に街全体に賑わいがあります。

観光スポットがたくさんあるだけでなく、バルセロナでは1年を通してさまざまなイベントが開催され、これらを目的にやって来る人が多いのも特徴です。大小さまざまなお祭りや、音楽やアート、スポーツなどの国際的な大きなイベントが多数開催されます。

この他にも、世界的に有名なサッカークラブの拠点地であったり、食の美味しいスペインでも著名なレストランがあったりと、常に世界中からやって来る多くの人たちで賑わっています。色鮮やかな街の雰囲気と温暖な気候の中、年中世界各国からの人の行き交いが多く、1年中活気があるのはバルセロナの魅力の一つです。

多種多様な分野・人々に触れられる

グエル公園からの眺め

スペインはヨーロッパの中でも、旅行先かつ留学先としてとても人気の高い国で、国内にある観光主要都市には、バルセロナ以外の都市にも多くの外国人がいます。その中でもバルセロナは、旅行者、留学生ともに、国外からやって来る人の数が非常に多い街です。

バルセロナには、他の主要都市に比べて語学学校や大学などの学校の数が多くあり、留学生の数もかなり多いです。スペイン語はもちろんのこと、建築やモダンアート、サッカーや音楽など、バルセロナでは学べることが多岐に渡っていることも特徴です。

語学に関しては、バルセロナではカタルーニャ語も使われるので、スペイン語と併せて学ぶことも可能です。いろんな分野に触れられる機会がある上に、年齢や国籍に関係なく世界中からやってきた多種多様な人たちと出会える環境であることは、バルセロナならではの素晴らしいメリットと言えるでしょう。

また、スペイン国内で見ると日本人の数も多い街なので、日本に関連するものも手に入りやすいというメリットもあります。

バルセロナで生活するデメリット

魅力溢れるバルセロナには、生活していく上でメリットが多くある一方で、デメリットになる点もあります。バルセロナならではの事情についても詳しくご紹介します。

治安がよくない

世界遺産が多くあり、人気のある有名観光都市が点在しているスペインでは、バルセロナに限らず観光スポットのある場所はどこもスリのリスクがかなり高いです。

バルセロナはこれに加え、身の危険に関わる犯罪のリスクもあります。特に中心地や観光スポットのある場所では、常に細心の注意が必要です。しかも、中心地だけでなく、バルセロナの中では比較的治安がよいとされる住宅地でも、容赦のない車上荒らしなどの犯罪が日常にある街です。現地の事情を理解し注意をしていても、巻き込まれる形で意図せず犯罪の被害者になる可能性があります。

また、バルセロナはカタルーニャ州特有の問題もあります。カタルーニャ州はスペインからの独立を求める声がかつてから大きくあり、州都であるバルセロナでは毎年大規模なデモが行われます。政治的な不安定さによる治安の悪さがあることも、バルセロナの特徴と言えるでしょう。

家賃が高い

治安と並び、バルセロナで生活していく上で大きなデメリットとなるのが家賃の高さです。

住みたい人の需要が常に大きいため、バルセロナの家賃はマドリードよりも高く、スペインで最も家賃の高い街です。

メリットで挙げたようにバルセロナには学校が数多くあり、寮の数も多くありますが、寮の家賃も地方都市と比較すると高めとなります。家賃は、毎月の生活費の中でウエイトを大きく占めるため、家賃が高いことは大きなデメリットと言えます。

人気があり家賃の高い大都市であるバルセロナでは、賃貸に関連した詐欺が多くある点にも注意が必要です。

年々家賃は上がる一方で、それでもバルセロナに住みたい人は多くいるため、賃貸契約に関する詐欺の被害が後を絶ちません。特に、新しく部屋を探す外国人がターゲットとされるケースが多いので、物件探しの際は十分な注意が必要です。

なお、家賃以外の物価に関しては、地方都市と比較するとやや高い程度です。「物価が高い」としなかったのは、大都市であることを考慮すると許容範囲内の差であり、家賃ほどデメリットと捉える必要はないためです。

スペイン国内では高めであるものの、ヨーロッパ全体で見ると大都市としてはかなり物価は安いです。人がかなり多くやって来る有名観光都市ですので、外食費については観光者向けの価格設定も多く見られますが、ローカルな店舗などではさほど高いとは感じない程度です。

バルセロナには新鮮な食材を安く手に入れることのできる市場も多くありますので、自炊をメインに、時々外食する程度であれば食費は高くはならないでしょう。家賃を除けば、決して物価全体が高い街ではないところはメリットとも言えます。

ストレスになり得る要素が多い

メリットで紹介した、「年中街に活気がある」という点の裏返しになりますが、生活をしていくという観点では、バルセロナは時に住むには騒がしい街にもなり得ます。

ただ、365日活気のある賑やかなバルセロナでの生活を「騒がしい」と捉えるかどうかは、滞在期間や好み、置かれている状況などにもよるところが大きいです。例えば、家賃の高い街で心から寛げる部屋や空間が手に入らなかった状態で生活していく場合などは、街の絶えない賑やかさがストレスになる可能性があります。

住む場所が中心地か郊外か、家をシェアするメンバーや自分を取り巻く環境によるところも大きいですが、不慣れな外国の地での生活では身の回りの些細なこともストレスになりやすいです。

バルセロナは大都市であるにも関わらず、日本に比べると日常生活を送る上での不便もかなり多くあります。普段の生活に何かしらのストレスを抱いた状況下では、自分で好んでやってきたバルセロナなのに、街のどこに行っても見えるもの聞こえるものが騒がしく、落ち着かないと感じることもあるかもしれません。

また、賑やかである点に加えて、バルセロナの場合は上述のように、常に治安を気にして注意を払いながらの生活となる点もストレス要因となります。

スリや身の危険を気にしての生活に、知らず知らずのうちに疲れもストレスも溜まってしまうこともあります。

数日の旅行であれば、バルセロナはあらゆる点において刺激的で楽しい街ではありますが、生活をしていく観点においては、ストレスにある要素が多いとも捉えられます。

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