マドリードの治安状況、気を付けるべきポイントや注意点
マドリードに留学や旅行で行くうえで気になることの一つが治安のことだと思います。
これから長期的な留学やワーキングホリデーを利用しスペイン・マドリードで過ごすことを考えている方へ向けて、現地マドリード在住の方の監修のもとより安全に生活できるための情報や注意点をご紹介します。
マドリードでの犯罪はほとんどがスリ
窃盗、強姦、誘拐、殺人…など世界中で犯罪は起こっています。スペインの首都マドリードも例外ではありません。勉強してきたとはいえど言語が違う地での生活はとても緊張するものだと思います。
日本の外務省海外安全情報によると、2019年スペインでの日本人被害者は577件報告されており、そのうちマドリードでの発生件数が87件報告されています。
マドリードで報告されている犯罪被害のほとんどがスリや置き引きによるもので、発生場所は地下鉄等公共交通機関の車内や駅構内、ホテル、レストラン、観光名所など、日頃から観光客が集まる所です。
これらの犯罪手口は、すれ違い時にぶつかってきたり、レストラン等机の上に置いてあるスマートフォンの上に広告紙を被せて盗ったり、募金を装おって財布を出した瞬間に盗ったりと様々で、良い人そうに装って相手が警戒を解いた瞬間に行う手口が多く見られます。
アジア人、特に日本人は声を掛けられると立ち止まり、相手の話を丁寧に聞くことができる人が多いので注意が必要です。基本的に知らない人から声を掛けられたら無視する方がいいと思います。
また背中に背負うリュックなど、目が届かないところに開け口があるカバンも狙われやすく注意が必要です。電車やエスカレーター等ではカバンは前に持ってきましょう。
マドリードで気をつける場所
上記でも述べましたが、やはり観光名所でのスリや置き引きには特に注意が必要です。
マドリードのセントロと呼ばれる地域(プエルタ・デル・ソル、マヨール広場、グラン・ビア通り、パラシオ・レアル・デ・マドリード、アルムデナ大聖堂、プラド美術館、等)、セントロ地域ではありませんが、レティーロ公園やスペイン広場でのスリや置き引きも報告されています。
観光地ではありませんが、セントロ地域の南側には異国民が多く集まっていて、貧困地域になっています。
100%犯罪に巻き込まれるわけではありませんが、特に女性が夜一人で歩くことはお勧めできません。どちらかというとマドリードの北側に富裕層が多く、落ち着いた印象です。
犯罪に巻き込まれないための注意点
まずは基本的に外出時には高級ブランドの物を身に付けないようにしましょう。
一目でお金持ちだと印象を与える格好は危険です。
そして、なるべく現金を持ち歩くことをやめて、クレジットカードなどキャッシュレスにすること。
手持ち荷物は最小限にしてウエストポーチなどを斜め掛けにして胸元に持ってきたり、斜め掛け用のショルダーバックを前に掛けたりする。
少しの工夫で犯罪を防ぐことができます。特に男性がやってしまいがちなポケットに財布やスマートフォンを入れることは危険です。なるべく小さめのカバンを持ち歩くか、上着等の内ポケットに収納するなど工夫しましょう。
レストラン等で席を立つ際もカバンを持ち運ぶか、誰かと一緒であれば人の手が届きにくい壁側の見えるところに荷物を置くようにしましょう。
現金だけでなく、ヨーロッパではApple製品がとても高価なので、iPhoneはスリの対象になりやすいです。
また、電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合はカバンを膝の上に置き、長時間の移動でも寝ないように心掛けてください。うっかり寝てしまうと、気が付いた時には荷物がなくなってしまいます。
もし盗難にあってしまったら…
残念ながら盗難や紛失にあった物を取り返すことは不可能です。警察に被害届を出すことは可能ですが、日本のように実際に自分のものが手元に戻ってくることはほとんどありません。
心配であればビザを申請する際に加入する海外医療保険の追加プランで、盗難や紛失等の保険にも加入することをお勧めします。
保険に加入すると、例えば10万円のスマートフォンを紛失した場合、紛失届を現地警察署で申請し、その書類を保険会社に報告すると10万円が銀行口座に振り込まれるようになっています。その分保険料は高くなってしまいますが、万が一の24時間電話対応は心強いと思います。
マドリードは危険な場所?
マドリードは危険な場所ではありません。監修していただいた方はマドリードに5年ほど在住していますが、スリにあったり、その他犯罪に巻き込まれたり、何か特別警察の助けが必要になったことがありません。
もちろん日本で生活するよりは少し注意が必要ですが、十分現地での生活を楽しむことができます。
特に2021年は新型コロナウイルスによる条例がいくつかあり、違反すると罰金対象になるため街中をパトカーが巡回しています。地下鉄の駅構内やバスターミナル、ショッピングセンター等でも多くの警備員が配置されているので、以前よりは安全に感じます。