マラガに留学して生活していくメリットとデメリット
スペインにて数か月生活するとなると、どの都市に滞在するのが自分に合っているのか迷うことでしょう。スペインは、都市ごとに特徴や雰囲気が異なりますし、生活していくとなると現地の物価や治安などもしっかりと検討する必要があります。
ここでは、アンダルシアエリアにあるマラガにて、留学などで数ヵ月の滞在をする場合のメリットとデメリットについて詳しくご紹介します。
マラガの主な特色
マラガで生活するメリット、デメリットを挙げる前に、マラガがどういう都市であるのか、主な特色をご紹介します。
スペイン南部アンダルシア州の主要都市
マラガはスペイン南部アンダルシア州の南に位置し、地中海に面する港町です。アンダルシア州の中ではセビーリャに続き2番目に大きく、スペインの主要都市の一つです。
コスタ・デル・ソルの中心地
スペイン南部の地中海に面した海岸沿いは「コスタ・デル・ソル」と呼ばれ、マラガはその中心地に当たります。
コスタ・デル・ソルとは、日本語にすると「太陽の海岸」という意味で、1年中太陽が燦々と降り注ぐこのエリアの特徴にちなみそう呼ばれています。
マラガはこのエリアの中で一番大きく、中心となる都市です。この特徴は以下で紹介する、マラガで暮らすメリットとデメリットとを考える上で大きなポイントとなります。
ピカソの生誕地
マラガは、ガウディ次いでスペイン出身の有名なアーティストであるピカソの生誕地として知られています。
バルセロナにもピカソの美術館がありますが、マラガにはピカソ自身が生前から希望し、生家を改装して作られた美術館があります。
マラガで生活するメリット
上述の特色を踏まえて、マラガにて数か月の生活をしていく観点から考えられるメリットについて詳しくご紹介します。
気候がとてもよく年中過ごしやすい
アンダルシアエリアはよく、1年のうちの300日以上が晴れと言われます。マラガはまさにこの通りで、年間320日以上が晴天で、スペインの中で最も気候のよい地として知られています。
夏は熱波により35℃を超えることもありますが、それ以外は暑過ぎることはなく、何より夏前後は全く雨が降りません。その分、秋から冬に雨が集中的に降り、冬は曇りの日があるものの、日中の気温が20℃を超えることも多く、年中とても過ごしやすいです。
スペインだけでなく地中海沿岸にあるエリアは同じような気候ですが、マラガはそれらの都市の中でも一番南にあり、冬は気温が高いのに夏は高温になり過ぎない上に、雨が非常に少ない特徴があります。
ヨーロッパの中でも1年を通して非常に気候のよい都市の一つとされ、マラガで生活する大きなメリットの一つです。
治安がいい
治安が悪いことで知られるスペインに住むとなると、自分が住む都市の治安は気になることの一つです。
マラガはアンダルシアにある都市の中では大きい都市ではありますが、治安がいいことも生活していく上で大きなメリットです。
国外からの観光客が特に多い夏は、観光客が多く集まる中心地などではある程度気をつける必要はあるものの、普段の生活で危険に遭うリスクは低いと考えていいでしょう。
物価が安い
マラガはスペイン全土の主要都市と比較して、物価が安い都市です。アンダルシアエリアの都市に滞在をしたいと考える方であれば必ず候補に挙がりますが、滞在したいエリアに特にこだわりがない場合にも、物価が低い都市として候補に挙がることがある程です。
物価が低いこと以外にもマラガで生活するメリットはいろいろありますが、滞在にかかる生活費が抑えられるのは大きなメリットです。
しかも、マラガは農産物も海産物もどちらも豊富です。新鮮で美味しい野菜や魚介類が安く手に入ることもマラガの特徴です。
リゾート地であるため、知られているレストランや観光客相手のお店には高いところもありますが、マドリードなどに比べて総じて外食費は安いです。
交通の便が非常にいい
マラガはアンダルシアの中で最も交通の便が良く、スペイン国内の主要都市と比較しても非常に交通が発達しています。
マドリードなどの主要都市へは高速鉄道や飛行機、長距離バスも走っており、アクセスがいいだけでなく交通手段が豊富です。マラガからはアンダルシア内の各都市とのアクセスも非常に充実しています。
また、マラガは海外とのアクセスが非常にいいことが大きな特徴の一つです。
日本ではあまり知られていませんが、マラガは実はマドリード、バルセロナの空港に次いで、国際線が多く運航されている都市です。
マラガの空港では、発着便のほとんどがヨーロッパ主要都市間の国際線です。数か月の滞在であれば日本へ一時帰国するケースは少ないかと思いますが、日本との往復時にも便利です。マドリード、バルセロナ同様、ヨーロッパ主要都市で乗り換えてそのままマラガに行くことができます。
国際線のLCCも多く運航しているので、マラガから直接ヨーロッパ各国へ安く簡単に行くことも可能です。
マラガの空港は公共交通機関とのアクセスがいいのも特徴で、マラガに住んでいればふらりと他の国へ行くこともできますし、スケジュールによっては日帰り旅行も可能です。
マラガ市内も移動がしやすいです。中心地には、路線は少ないものの地下鉄が走っており、レンタルサイクルもあります。観光地メインとなりますが、住んでいる人にもとても便利です。
有名観光都市が多く隣接しておりアクセスが良い
アンダルシアは、スペイン有数の有名観光地が数多くあるエリアです。マラガはセビーリャやコルドバ、グラナダといった有名観光都市と隣接しており、各観光地への公共交通機関が充実しています。旅行時とは違い、ふらりと訪れることもできます。
アンダルシア内の観光名所は車がないと行きづらい場所なども多くありますが、マラガからはこういった場所へのバスが豊富にあります。
有名観光都市以外にも、モロッコ行きのフェリーが出る港や、ジブラルタルへの直通バスもあり、思い立ったその日にアフリカ大陸に行くことも可能です。アンダルシアの大抵の場所へバス1本で行けるのは非常に便利で、これもマラガに住む大きなメリットです。
年中海が楽しめる
マラガは、同じ地中海沿岸にあり暖かい気候で知られるバルセロナよりも冬が温暖です。
マラガでは冬の気温が20℃前後の暖かい日も珍しくなく、ビーチでは夏以外にも水着で日光浴をする人もいます。海のすぐそばの砂浜では、ヨガをしたり、読書をしたり、家族や友達との団欒を楽しむ姿なども多く見られます。
季節に関係なく、早朝や夕方にはビーチサイドをランニングする人や、散歩を楽しむ人も多いです。海では数々のマリンスポーツを楽しんでいる人も多くいます。
夏には世界中からやってくる多くの観光客で溢れかえり、マラガは外国人向けのビーチリゾート地という側面が大きいですが、マラガに暮らすと日常に海があることが感じられます。
単に水着で海を楽しむということではなく、生活の一部として海、自然を楽しめることも、マラガで生活するメリットの一つです。
英語が通じる
最初に気候が非常にいいことを紹介しましたが、マラガにはこの気候を目当てにやって来る外国人観光客や移住してきた外国人が多くいます。ヨーロッパ内からの外国人が特に多く、他にスペイン語が使われている国がないため、必然的に英語が使われます。
スペインは観光立国でありながら、マドリードやバルセロナのような大きい都市でも英語が通じないことも多くありますが、マラガはスペインの中で一番英語が通じる都市です。
街中や店舗、ビーチ沿いを歩いている時も、英語がよく聞かれます。メニュー表記などにはスペイン語と合わせて英語表記があったり、他の都市に比べてお店やタクシーなどでも英語が話せる人の割合が高いです。
スペイン語は単語が英語とは全く違うものも多く、スペイン語に慣れないうちは、日常生活で言葉が通じない場面が多いと意外にストレスになることもあります。
少しでも英語が通じる環境であれば、このストレスは最小限に抑えられるでしょう。英語が使える人には生活がしやすく、スペイン語に加えて日常的に英語にも触れられるというメリットにもなります。
陽気でゆったりとした雰囲気に溢れている
マラガの人たちはとても陽気でおおらかな人が多いです。スペインには比較的陽気な人が多いですが、マラガに住む人は特にその特徴が強く、気候のいいリゾート地特有のゆったりとした雰囲気もあり、リラックスした生活が送れることもマラガで生活するメリットです。
気候の良さなどのメリットだけでなく、このマラガ特有の雰囲気もマラガの魅力の一つです。外国人観光客も多いですが、現地に居住する外国人も多い都市なので、外国人であっても特に支障なく、リラックスして暮らすことができることもメリットです。
街中が綺麗に保たれている
ヨーロッパでは珍しくないことですが、スペインを訪れると街の汚さが気になる人も多いかと思います。日本とは違い、スペインの公共交通機関の駅などには、衛生的とは言えないところも多くあります。
そのような都市が多い中、マラガは他の主要都市に比べて、街中がかなり綺麗に保たれています。地下鉄や鉄道の駅、大きいバスターミナルも、他の都市では見られないくらい清潔で綺麗です。
観光地だけでなく、住宅地エリアも綺麗に保たれており、清潔で気持ちよく生活できる環境であることもメリットと言えるでしょう。
マラガで生活するデメリット
マラガには、生活をしていく上でメリットとなる点がたくさんあるものの、デメリットになる点もあります。どういったことがデメリットとなるのか詳しくご紹介します。
スペインやアンダルシアならではの雰囲気に欠ける
アンダルシアには世界遺産をはじめ、ガイドブックなどで必ず紹介されているような有名な観光地が点在しています。マラガにもアンダルシア特有の歴史を感じる建造物などはあるものの、残念ながら、周辺の有名観光都市にあるような観光名所には乏しいと言えます。
冒頭の特色に挙げたピカソの生誕地に関するもの以外では美術館やビーチを除き、マラガ特有の観光名所は少ないです。しかも、いくつかある観光スポットは規模が小さいものばかりで、リゾート地としての特色がかなり強い都市です。
スペインに暮らすのであれば、スペインらしさを象徴するような建造物や観光名所のある街に暮らしたいと考える方もいらっしゃると思います。そういった点を求める場合、マラガは魅力に欠ける都市かもしれません。
生活する上ではメリットが多い都市ではあるので、マラガだからこその気候やビーチリゾート地であることをスペインらしいと捉える場合には、マラガは最高の地であると言えます。
冬のオフシーズンは街がやや閑散とする
メリットで挙げたように国内外の交通アクセスが非常にいいことに加え、上述のように観光名所が少ないため、マラガは他の都市への経由地として訪れる人が圧倒的に多い都市です。
アンダルシア内にある目的都市、もしくはコスタ・デル・ソルのビーチへ行くついでにマラガも観光する、または移動の関係でマラガに宿泊するといった観光客がほとんどです。
中でもコスタ・デル・ソルのビーチ目的で経由する人が非常に多く、夏はかなりの観光客で賑わいますが、冬は来訪者の数がかなり減ります。世界的に観光客の多いスペインでも、冬はどの都市でも観光客の減少はあります。
しかし、マラガは夏のビーチリゾート目的の外国人観光客数がおびただしく、特にヨーロッパのホリデーシーズン以外の冬の時期は観光客がかなり少なくなる特徴があります。夏と冬の人の賑わいのギャップが非常に大きく、冬の間は休業になるお店もあります。
クリスマス前後は街の各所に美しいイルミネーションが見られ人出もありますが、それ以外は街がやや寂しい感じになります。
また、これに関連して冬の間は国際線の運航数も減ります。そのため、冬はマラガから海外への交通の利便性が夏に比べてかなり減るというデメリットもあります。
マラガから出ている、アンダルシア内の各観光都市へのバスの本数も少なくなります。