日本にはないスペイン特有の習慣や文化とは?注意点やアドバイスもご紹介
留学などで日本以外の国を訪れると、日本とは違った文化や風習が多く見られます。スペインにおいても、日本にはない習慣や文化が多くあります。
このページでは、そういった日本とは異なる習慣の中でも、特にスペイン留学時や現地で日常生活を送る上で気をつけておきたいものについて、注意点やアドバイスも交えながら詳しくご紹介します。
日曜・祝日はすべての店舗がお休み
平日に仕事や学校などで忙しくしている人の中には、スーパーでの食材の買い物などは週末や祝日にまとめて済ませるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
日曜日や祝日のお休みの日は、カフェやレストランなど、外で食事を取るという方もいらっしゃるでしょう。土日祝日はお店が開いているという感覚は日本ではごく一般的ですが、スペインでは事情が異なるため少し注意が必要です。
なぜなら、スペインでは日曜・祝日はどの店舗も完全にお休みになるためです。スーパーをはじめ、デパートやショッピングモールなども基本的に閉まっています。
日本ではカレンダー上のお休みの日はデパートやレストランなど多くのお客さんで賑わいますが、スペインではほとんどの店舗が閉まっている状態になり、街はやや閑散とします。
場所やシーズンによって営業をしている店舗もあり
日曜・祝日は基本的にお休みであるものの、マドリードやバルセロナといったスペインの中でも大きい観光都市や、それ以外の都市でも有名な観光スポットの近くにある店舗などは日曜や祝日でも営業をしているところもあります。
観光名所のあるなしに関わらず、スペイン人以外の移民などが経営している店舗なども、日曜日も営業しているお店があります。日本の食材も扱うアジア系の店舗でも営業しているところがありますので、近くにこういったお店がないかチェックしておくといいですね。
また、観光立国であるスペインならではの事情として、観光客が1年で最も多く訪れる夏前後のシーズンのみ、日曜・祝日に関わらず営業をしているという店舗もあります。そういった店舗の中には、シーズンオフとなる秋から春にかけては完全に閉店となるところも多いです。
日曜日にも空いているスーパーや店舗を確認しておこう
日本での感覚のまま、日曜日に買い物や食事に出かけると不自由をしてしまいます。スペインで生活する上で、自分が住む場所の近くにあるかどうか確認をしておきたいのが、日曜日にも空いているスーパーです。
多くの都市には、日曜日でも営業時間が平日と全く変わらない小さめのスーパーがあります。店舗自体が小さく通常のスーパーに比べると品揃えが限られる上、価格がやや割高に設定されているものが多いですが、日曜日に買い物が必要になった時はとても便利です。
生活圏内にこういった店舗があるかどうかチェックしておくといいでしょう。スーパーのほかにも、日曜日でも開いているお店についても事前に調べておくと生活する上で便利です。
平日の営業日なのに閉まっている時間がある
スペインではどこも定休日である日曜・祝日ではないはずの平日の午後の時間に訪ねたのに、お店が閉まっているということがあります。これは「シエスタ」が設けられている店舗や会社で、午後1時から4時前後の時間帯は一時的に閉店となるためです。
日本では考えられない長いお昼休憩
日本からスペインに行くと驚く習慣の一つが「シエスタ」です。スペインについて興味のある方なら、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
シエスタとは、簡単に言うと午後の時間帯に設けられる、3時間前後の長めのお昼休憩です。ランチを取った後のお昼寝の時間とされており、古くからあるスペインの伝統的な習慣として知られていて、現在でもこの習慣が見られます。
シエスタの現状
病院や郵便局、スーパーやデパート、ショッピングモールなどでは見られませんが、個人で経営している店舗などではシエスタを実施しているところがあります。
会社や学校では、シエスタの名残でお昼休みが2時間程と、日本よりもお昼の休憩時間が長く設定されているところもあります。
以前はあったものの、経済活動の観点からも現在はシエスタを採用していないという会社も多くあるのが現状です。ただ、業種に限らず個人経営のお店やその土地に古くからあるお店や地方都市では、今も多く見受けられます。
生活拠点となる都市やエリアによるところも大きいですが、生活圏内にある店舗の営業時間について事前に確認しておくといいでしょう。
食事の回数が多く夕食の時間がかなり遅い
先ほどのシエスタと関連して、スペインでは食事の回数が多く、日本よりもかなり遅い時間から夕食を取る習慣があります。これは、シエスタの影響に加え、家族などとの食事の時間を大切にするスペインならではの文化にもよるものです。
スペインでは、朝昼晩の3食以外にも、お昼前と夕食前にも食事を取る習慣があります。単純に計算すると1日5食となりますが、5食すべてでしっかりと食事をするのではなく、1日の食事の中では昼食を特にしっかりと取り、お昼前と夕食前は甘いものやつまむ程度の軽食を取ります。
スペイン料理として知られるタパスは、現地ではこの2回の軽食でよく食べられるものです。日本では夕食の時間とされる夜の6時や7時頃に軽食を、その後9時や10時頃に夕食がスタートします。
しかも、友人や家族などで集まったりした時には夕食の時間が日本よりもかなり長いこともあります。
夏は屋外で遅くまで食事を楽しむ姿も
夜の9時過ぎでもまだ明るいスペインの夏の時期は、遅い時間まで屋外で食事を楽しむ人も多く見受けられます。
夏に雨の降らない地中海沿岸のエリアにあるレストランでは、陽の長い夏の間は普段歩道として使われている場所にも追加でテラス席が設けられます。スペインの夏を満喫しようと訪れた観光客だけでなく、地元の人たちも、次の日に仕事や予定があっても夜中の遅い時間までみんなで夕食を楽しむという人も多くいます。
日本人の感覚からすると、かなり遅い時間から夕食をとることにも違和感がありますが、翌日お休みでもないのに夜中まで食事をすることに驚く方もいらっしゃると思います。
これは、陽の長い夏を楽しみ、みんなでゆったりと食事や会話を楽しむスペイン特有の時間の過ごし方や食文化が影響していると言えるでしょう。
日本とは全く違うレストランの営業時間
シエスタも関連しますが、レストランの中にはスペイン独特の食事時間に沿い、日本とは全く違う営業時間になっているところも多くあります。
ランチタイムとして午後1時過ぎから4時頃まで営業した後に一旦閉店となり、夕食の時間に合わせ夜の8時以降に再びオープンし、夜中の12時過ぎまで営業します。
大きな都市や規模が大きめのレストランは、ランチタイムの後も閉まることなく夜まで開いているところがほとんどですが、個人経営のレストランや地方都市では、夕方の時間帯に一度閉店するところが多い傾向にあります。
そうなると、日帰り旅行などで地方のエリアに行く際など、遅めのランチや6時頃の夕食として食事が取れないということになりかねませんので、食事の時間を考えて行動するといいでしょう。
夕食に招かれたら
スペインでは夕食に招かれた時なども、日本での夕食の時間より遥かに遅い時間帯からの食事になることも多くあります。
スペインでの夕食の時間としてはやや早い夜の7時頃に招かれたが、夕食がスタートするのは9時や10時というケースも大いにあり得ます。夕食の時間が遅いことに加え、日本に比べてスペインの夕食の量は軽めであることも多いです。しっかりと食べるというよりは、軽めの食事とワインというスタイルが多いかもしれません。
夕食と聞きお腹を空かせて行くと、食事が始まるのが遅い上に、全然足りずにお腹が空いたまま深夜に帰宅するということもあります。
スペインでの夕食の習慣に慣れないうちは、招かれた際は少し食べて行くなどするといいかもしれません。