留学TOP > アメリカ留学 > アメリカ留学体験談その1(2回目)
アメリカの留学の体験談をシリーズでご紹介しています。
第1弾の2回目は前回に引き続きサンフランシスコで留学をご経験されているYM様(20代男性)からの体験談となります。今回は、『日本人とはつるまない方がいいのか?現地での友達の作り方』というテーマでアメリカで実際にどうやって友達を作っていったかご紹介しています。
「留学先で日本人とつるむべきかどうか。」これは留学を語る上で必ず出てくる議論の一つです。
日本人同士でつるむと当然日本語だけでしゃべることになり、英語が上達しないから、また留学に来た意味が無いから、というのが反対派の言い分です。とても意見が分かれるこの話題ですが、結論から言って私は、「外国人との交流と日本人同士の交流のバランスが取れていれば、日本人とたまに集まって遊ぶくらいは構わない」と思います。
つまり、日本人だけでつるむのではなく、また極端に日本人を避けて外国人だけとつるむのでもなく、両者のバランスを取ることが大事だと思うのです。
私がなぜこのような結論に至ったのか、留学先での人間関係のリアルな現状をお伝えします。
ここに来る前は、アメリカは「人種のサラダボウル」と呼ばれるだけあって、さぞ違う人種同士が混ざり合って生活しているんだろうと思っていました。
しかし、実際こっちに来てみて失望しました。現実は、「同じ人種同士で固まって、それぞれが他の人種となるべく関わり合わずに暮らしている社会」です。
それは確かに、同じ言葉をしゃべる人間同士の方がコミュニケーションは楽ですし、文化が一緒であれば思いがけず失礼なことをしてしまう心配も無く、共通の話題も多く、価値観も似ていることでしょう。
何より見た目が同じというだけで仲間意識が湧き、安心します。これはアメリカ人と留学生に限った話ではありません。アメリカで生まれ育った英語がネイティブのアメリカ人同士でさえ、人種別に固まって行動するのです。
ですから、留学先で日本人以外の友達を作るということは想像以上に困難を極めます。
クラス内では他の人種同士で楽しくおしゃべりしていても、クラスが終わると同じ人種同士で固まり一緒に遊びに行く、といった感じです。
そのため、日本人が少ない学校に行くとどうしても孤立してしまうケースが多いです(私の通っている学校も全留学生の中で日本人は1割以下です)。
違う人種の人たちとある程度仲良くなることはできても、プライベートで遊びに行くまでの仲になれない、グループには入れない、私もそういったジレンマを抱えたことがあります。そうするとどうなるかというと、その寂しさを紛らわせるために、結局みんな日本人同士で固まるのです。
「日本人同士で固まるな」と人はよく言いますが、上で挙げたような「固まらなくてはいけないような厳しい現実」があるので、私は簡単に「固まるな」とは言えません。
むしろ、留学先で日本人の友達を持つことは非常に大事だと思います。
というのも、ずっと英語で話すというのは相当なストレスだからです。どんなに流暢な人であっても、文法があっているかどうか、相手にどう聞こえているかなど、ある程度気にして喋っているはずです。
ですから、母国語(日本語)でたまに喋るということは精神衛生上とても大事なことなのです。それができる相手は、日本語が相当流暢な外国人を除いて、同じ日本人しかいません。
また日本人にしかわからない話題も多いですし、日本人にしか通じない「笑い」などもあります。
とはいっても日本人とばかりつるんでいると、確実に英語の上達が遅くなります。
それに、外国にいるのに日本人だけで固まっていることがだんだん虚しく思え、留学に来た意味がわからなくなってしまいます。
でも他の人種やネイティブの友達を作るのも難しい…一体どうすればいいのでしょうか?
確かに基本的にはみな同じ人種同士で固まり行動します。中国人は中国人、韓国人は韓国人、ヨーロッパ人はヨーロッパ人、アメリカ人はアメリカ人。アメリカ人の中でも白人は白人、黒人は黒人など。
しかし、中には「例外的な人たち」がいます。この「例外的な人たち」は他の人たちよりも好奇心旺盛かつ冒険的で、他の国の言語や文化に興味があり、他の国の人たちと仲良くなりたいと考えています。
留学先で友達になるなら、この一部の「他文化に興味がある人たち」を狙いに行くべきです。
では具体的に、どこでそういった友達を作ればいいのでしょうか?
友達を作る一番簡単な場所はクラスの中です。
クラスの中に、同人種だけで固まらず色々な人種の人たちと交流している人がいるはずです。その人に声をかけてみましょう。
私もあるクラスで隣に座っていた中国人が話しかけてくれて、それがキッカケで彼と仲良くなりました。
彼は日本の文化にとても興味があり日本へも何度か訪れたことがあるらしく、私が日本人だと知って仲良くなりたいと思っていたそうです。
学期中は一緒にテストに向けて勉強しましたし、今でもよく遊んでいます。
また、私のメジャー(Animation & VFX)には「コラボレーションクラス」といって、他の生徒と共同作業をしながら作品を作るクラスがあるのですが、ここでも多くの友達を作ることができました。
コラボをするのがメインのクラスなので当然他の生徒と交流しますし、クラス外でも集まって話し合ったり作業をしたりします。
同じ目標に向かって一緒に取り組んでいく中で自然と仲間意識が芽生え、今では彼らと休日に草野球をする仲にまでなりました。
学校内だけではなく、学校の外でも友達を作る機会はいくらだってあります。
私がオススメするのは「meetup.com」というソーシャルネットワーキングサイトです。同じ趣味を持つ者同士がオンライン上でグループを作って、ネットの外で実際に集まり交流をする、という趣旨のサイトです。
アニメ、映画、ジョギング、ヨガなど趣味を中心としたものから、ITやマーケティングなどキャリアアップを目的としたもの、また出会いを目的としたものまで様々なグループがあります。
この中で私が特にオススメするのは、前回の英語学習に関する記事でも紹介した、ラングエッジエクスチェンジ型のミートアップです。
「ラングエッジエクスチェンジ」とは、お互いの言語に興味がある者同士が集まって、お互いの言語を教え合い練習する集まりのことをいいます。
英語・日本語のケースだと、英語を学びたい日本人と、日本語を学びたい英語ネイティブの人たち、ということです。
相手はすでに日本語、そして日本の文化に興味があるので、友達になりやすいと思います。私が参加しているラングエッジエクスチェンジは週に1回集まるのですが、毎回だいたい同じ人同士が集まるので自然と仲良くなり、ミートアップ終了後にみんなでご飯に行ったり、メンバーの誕生日を祝ったりもします。
私がこの留学でできた唯一の親友も、このミートアップからです。
教会も、実は友達を作るのにもってこいの場所です。
教会へ行くのに、クリスチャンである必要はありません。私は無宗教ですが、クリスチャンの友達に誘われて毎週土曜日に教会へ通うようになりました。
教会にいる人たちは大体親切で心に余裕があり、あらゆる人種やバックグラウンドを持つ人達を歓迎してくれます。
私が通っている教会では説教の後に無料のベジタリアンのランチがあり、そこで教会に来た他の人たちと食事をしながら交流することができます。
ランチの後はそこで仲良くなった友達と散歩やドライブをすることもあります。
日本で「宗教」というと敷居が高かったり、「無理やり勧誘されるんじゃないか」と警戒してしまいがちですが、こちらではもっとカジュアルなものです。
試しに近くの教会へ足を運んでみることをオススメします。
いかかでしたか。確かに人は皆同じ人種・同じ言葉をしゃべる者同士で固まる傾向にあり、それが外国人の友達を作ることを難しくさせています。
そういった孤独でストレスの多い留学生活において日本人の友達を作ることは精神衛生上とても大事であり、いざというときに頼りになります。
しかし、いつも日本人同士で固まっていると英語が伸びないだけでなく、他の生徒達から「排他的」だと思われ、日本人以外の友達を作ることが難しくなってしまいます。
これとは逆に、極端に日本人を避けてネイティブまたは他の国の留学生とだけ仲良くする日本人もいますが、これは他の日本人留学生から反感を買うのでオススメしません。
私は、日本人の友達を作りつつ、外国人との交流も大切にする、そんなバランスの取れた人間関係がベストだと思っています。
実際私が知っている「英語が上手でかつ充実した留学生活を送っている人たち」は、そのバランスが取れた人ばかりです。
あまり人種や国籍にしばられずに積極的に交流していけば、自然とバランスの取れた人間関係が築けると思います。