【アメリカ体験談】留学中の現地での英語学習方法

アメリカ留学中にお勧めしたい英語学習法【留学体験談①】

アメリカの留学体験談をシリーズでご紹介します。アメリカ第1回目は、サンフランシスコで留学をご経験されているYM様(20代男性)からの体験談となります。今回は、『アメリカ留学中の英語学習方法』というテーマで実際に現地で学校に通いながらどう英語学習を進めていくべきかについて、YM様の現地での英語学習法についてご紹介してもらっています。

YMさん(男性)

  • YMさん(男性)
  • サンフランシスコでアート系の大学に留学し、サンフランシスコで様々な経験をされてきました。

はじめに

まず最初に、私はもともと英語が大好きで、中学・高校では一番得意な科目でもありました。

姉も英語が大得意で外語大学出身、何度かホームステイを経験していて、留学生を家に泊めていたこともあるので、家の中に外国人がいる、というのは小さい頃から普通の光景でした。

私自身、高校生の頃には一ヶ月シアトルにホームステイをしました。

このように私は早くから恵まれた環境で英語に触れていたため、もともと「英語が話せる」タイプでした。しかしここサンフランシスコで初めて本格的な留学をして、その自信は脆くも砕かれることになったのです。

とにかくネイティブのスピードについていけない。言いたいことが出てこない。

確かに簡単な会話はできるのですが、細かな描写をしようとすると詰まってしまう。

来た当初はそのような状態がしばらく続いていました。それから約4年経った今では、完璧ではないもののだいぶ自分の言いたいことをストレスなく表現できるようになりました。

ここでは私が実践した英語学習法をいくつか紹介してみたいと思います。

ESL (English as Second Language)の授業

私が通っている学校(Academy of Art University)では、留学生は最初にESL (English as Second Language)の授業を取ることが義務付けられています。

事前に母国で受けたTOEFLの点数でクラス分けされる仕組みになっていて、その点数が高ければESL自体をスキップすることもできます。

私は最初の学期に1クラスだけその授業を取りました。授業の内容自体は特に新しいことではなくて、私が日本で事前に学習していたことを復習するような感覚でした。

しかし「英語で英語を学ぶ」ということ自体がまさに新鮮な体験で、英語への理解がさらに深まりました。

日本での英語学習では難解な文法構造をまるで数学の公式のように捉えて機会的に暗記するのに対し、アメリカの英語のクラスはより直感的です。もちろん暗記しないといけないものもありますが、「どの文法の背後にどのような感情が流れているか」ということに焦点が当てられています。

あらゆるシチュエーションを使った例題を用いて、どういう感情・思考がどの文法を選択させるのか、そういったネイティブの感覚・直感力を身につけることができるようになるのです。

また授業内では英語以外の言語の使用が禁止されているので、同じ国から来た生徒がいても英語で会話しなければいけません。

私が取った英語のクラスは4年間でこの1つだけでしたが、本当に取ってよかったと思っていますし、その時に使った教科書は今でも大事に保管しています。

もしあなたが今、日本で留学に向けて準備をしているのであれば、基本的な文法用語を英語で覚えることをお勧めします。

Noun(名詞)・adjective (形容詞)・adverb(副詞)などの品詞、そしてsimple present(現在形)、present continuous(現在進行形)、present perfect(現在完了形)などの時制にまつわる単語です。これらを覚えておくだけで、留学した際の「英語での英語の授業」がだいぶ楽になります。

発音記号の学習(IPA: International Phonetic Alphabet)

私はもともと英語の発音には自信があり、日本人が苦労するrやthなどの発音はアメリカに来る前から出来ていました。

しかしこちらに来て、「どうしてもネイティブの発音と違うな」と思い自分なりにその理由を検証してみたところ、それが「母音の発音」によるものだということに気がつきました。

英語にはとにかく母音の数がたくさんあり、日本語の「あ」に相当するものだけでも5つはあります。これらの細かな母音の違いをマスターすることが、英語の発音における私の課題となりました。

この発音の練習にあたりESLの先生から勧められたのが発音記号の学習です。

英語で発音記号はInternational Phonetic Alphabet、略してIPAと呼ばれています。これは日本の義務教育における英語学習ではまず習いませんし、英会話学校などでもちゃんと教えてくれるところは少ないです。

耳で聞いてコピーするのが一番だよ、と言う人もいるかもしれませんが、それには限界があると私は思います。

赤ちゃんは1歳の誕生日を迎える前、「ママ」などの人生最初の一言を発するそれより前に、周りで話されている言語のすべての音をすべてインプットするらしいです。

つまり英語圏の赤ちゃんは、話し始める前からrやthなどの発音をすべてマスターしているのです。0歳児の柔軟な脳内でそのようなことが細胞レベルで行われているので、すでに凝り固まった思春期または大人の脳みそで英語の発音を耳コピしようとしても、それは無理があります。

ネイティブが発音した単語を何回聞いても再現できないのはこのためです。ですので英語非ネイティブの人たちにとっては耳で聞く以外のいわゆる「補助輪」的なものが必要となり、それが発音記号、というわけです。

私はインターネットサイトを使い、独学でこれをマスターしました。一つ一つの発音記号における舌の位置、口の開き方を一から勉強して何度も練習しました。

今では音を聞かなくても単語の発音記号を見ただけで、それがどのように発音されるのか大体分かります。

これをマスターするだけで英語の発音が飛躍的に良くなるので、日本にいる間に勉強しておくことをお勧めします。

おすすめの教材「一億人の英文法」

私は今まであらゆる英語の教材を使ってきましたが、その中でも断トツで良かったのが「一億人の英文法」という本です。

高校・大学受験生からビジネスで英語を必要とする人等どんなタイプの英語の学習者でも楽しく英文法を学べる内容になっていますが、この本の焦点は何といっても「話すこと」に当てられています。

一億人の英文法

リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの中で、多くの人にとって恐らくスピーキングが一番難しいと思います。

しかし言葉は話せてみて初めて役に立つものですよね。この本は文法用語を極力使わずに、代わりにイメージ・イラストを効果的に使うことによって、どの文法の背景にどのような感情・思考が流れているかをわかりやく説明してくれます。

つまりネイティブがどのような感覚で文章を構成しているのかを理解することができるようになるのです。

実際の会話の中では、頭の中で主語、動詞、目的語などを組み立てて文章を構成する時間はありません。ネイティブの感覚を理解し直感・瞬間的に文章を構成することが流暢に英語を話せるようになる一番の近道なのです。

またこの本は品詞、時制、比較、仮定法など英文法におけるほぼすべてをカバーしており、これ一冊読むだけで本当に英語が話せるようになるんじゃないかと思えるほど内容が充実しています。

私は今でもこれを「英語学習におけるバイブル」として大切に保管しており、復習のため定期的に読み返すようにしています。

ラングエッジエクスチェンジ

ミートアップの一コマ

英語が話せるようになるには上で紹介したような優良な教材を使うことが効果的ですが、何より大事なのはやはり「話すこと」ですよね。

留学すれば英語を使いっぱなしだ、と思っている人が多いですが、ネイティブと話せる機会は以外と少ないです。

語学学校であれば先生はネイティブだと思いますが、生徒は英語を学習するためにそこにいるので、全員留学生です。

留学生同士で英語を話すことも良いことですが、皆非ネイティブなので間違った英語を使っても誰も訂正してくれませんし、それで会話が成り立ってしまいます。

ですから、ちゃんとした英語を話せるようになるためにはやはりネイティブの人と話すことが一番大事だと私は思います。そこで私がお勧めしたいのが「ラングエッジエクスチェンジ」です。

ラングエッジエクスチェンジとは、お互いの言語に興味がある人同士が集まって、お互いの言語を教え合い練習する集まりのことをいいます。

英語・日本語のケースだと、英語を学びたい日本人と、日本語を学びたい英語ネイティブの人たち、ということです。1対1でやるケースもあれば、グループでやるケースもあります。

最初の30分は日本語で、次の30分は英語でといったように、ある一定の時間で言語をスイッチして会話をします。

直にネイティブの人たちと話せるだけではなく、彼ら同士のリアルなスピードの会話を聞くことできるのもこの集まりの利点です。

また彼らはすでに日本語・日本の文化に興味をもっているので、友達にもなりやすいと思います。

英語の練習だけではなくネイティブの友達を作る機会としても、ぜひ活用してみることをお勧めします。

ランゲージエクスチェンジ

※meetup.com というサイトのnihongo morigariというグループのページ。

私が実際に参加しているラングエッジエクスチェンジグループです。

最後に

いかがでしたか。まとめると、英語が話せるようになるためには「文法の理解」「発音」「直感力」の3つが絶対に必要だと思います。

どちらが欠けていてもダメです。

日本人は几帳面で真面目な性格のためもともと文法に強いですし、優良な教材を用いればちゃんと文法をマスターすることができます。

しかし、文法的に正しいだけではペラペラにはなれません。文法的に正しくても不自然な英語の文章を何度も目にしたことがあります。

何が自然で何が自然じゃないのか、これは英語の環境に長い間浸ることで身につく「直感力」で判別できるようになります。

「文法の理解」「発音」「直感力」、この3つをマスターすることを目指して頑張りましょう!

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