イギリス留学のチャイルド学生ビザについて
イギリスへ高校留学の際に必ず重要になってくるのがチャイルド学生ビザです。
ボーディングスクールなどイギリスの高校へ留学する場合には避けて通れません。
ここではチャイルド学生ビザを申請していくための条件や申請方法はどうしていけば良いのか、ここで詳しく解説していきます。
なお、16歳以上の場合は、通常の学生ビザ(成人向け)の申請も可能となります。通常の学生ビザについては、「イギリス学生ビザガイド」をご確認ください。
イギリス・チャイルド学生ビザ申請のための条件
4歳~17歳の方が6ヵ月以上イギリスへ留学する場合には、事前の学生ビザ申請が必要となります。
チャイルド学生ビザの申請にあたりいくつか申請の最低条件を満たしていなければいけません。申請のためにはそれぞれに細かな条件は多々ありますが、まずは最低でも以下の条件を満たしておく必要があります。
- 年齢が申請時で17歳以下
- 認定を受けた教育機関から無条件オファーがある
- 規定された額の資金を所持している
- イギリスに留学する両親の同意がある
それぞれの条件に細かな規定はありますが、まずはこの4つの条件を満たしている必要があります。
資金的な要件については細かくチェックしていく必要がありますが、他の要件については簡単に確認できると思います。
そしてこれらの条件が全てクリアできるという事であれば、受講するコース開始の6ヵ月前からオンラインで申請を進めて行くことができます。
※申請とは、オンラインでビザの申請料を支払った日に相当します。
イギリス・チャイルド学生ビザの制約
チャイルド学生ビザを申請するためには以上の4つの要件を満たす必要がありますが、実際にチャイルド学生ビザを所持することでイギリスの小中高等学校へ留学できる以外にどういった制約がかかってくるのかも併せて事前に確認しておきましょう。
公立学校への留学はできません
チャイルド学生ビザは、independent schoolと呼ばれる私立の学校が対象です。公立など公費で運営されている学校には留学することができません。
最長滞在期間はコース受講期間まで
チャイルド学生ビザの場合、イギリスに滞在できる期間は「コース受講期間+4ヵ月」となります。
15歳以下場合は、延長をしながら最大でも6年間まで。16歳と17歳の場合は、延長をしながら最大でも3年間まで滞在ができます。
入国可能日は1ヵ月前
イギリスへの入国可能日は、コース開始の1ヵ月前からイギリスへの入国が可能となります。実際に学生ビザの申請をする際にはイギリスの入国日の設定が必要となりますので、この制約に沿った入国日で設定する必要があります。
ビザの延長や切替は可能
チャイルド学生ビザの延長はイギリス国内で可能です。また16歳以上であれば通常の学生ビザへの切替もイギリス国内で可能です。
家族同伴は不可
お子様への付き添いで親御様が同伴される場合は、このチャイルド学生ビザでは同伴できません。別途Parent of a Child Student Visaというビザをとる必要があります。
留学中の就労について
16歳以上の場合のみ、イギリス留学中に働くことも認められています。
コース受講期間中は週10時間まで、休暇中はフルタイムで就労可能です。15歳以下の方は働くことができません。
留学する学校やコースは決められています
チャイルド学生ビザを申請するにあたっての対象となる教育機関ですが、どの学校でも良いというわけではありません。
前述したように公費で運営されている公立学校は対象になりませんし、私立の学校でもどの学校に留学するかでチャイルド学生ビザが申請できるかが決まります。
そこで行きたい学校がチャイルド学生ビザのスポンサー認定を受けていることが大前提となります。
留学したい学校でチャイルド学生ビザの申請が可能かどうかチェックしていくことが重要です。
学校は必ずチャイルド学生ビザスポンサー認定を受けていること
これは絶対条件の中でも一番重視しないといけないポイントですが、行きたい学校や教育機関が必ずLicensed Student Sponsorとして認められていることが必要となります。
では自分の留学する学校や留学したいと思っている学校がスポンサー認定を受けているかどうか確認するにはどうしたらよいでしょうか。下のリンクにアクセスし、Register of Student Sponsorにアクセスした時点でこの学校リストに自分の学校の名前があって認定を受けているか確認してください。
このサイトで見られるスポンサーリストは、日々変わると行っても良いぐらい良く変わります。今日チェックしたらリストに載っていたのに、数週間後に消えていたという事もありますので、スポンサーリストの最新状況を必ずチェックするようにしましょう。
Routeの欄で必ずChild Studentと入ってることもチェックしてください。学校名が載っていても、Studentだけだと16歳以上の通常の学生ビザのスポンサー対象ということになります。
受講するコースはRQFレベル3以下
受講するコースはイギリスの国家が定めたカリキュラムに沿っているコースであること、またはRQFと呼ばれる国の資格レベルでレベル3以下のコースである必要があります。
レベル3以上のコースを受講することになると、16歳以上であれば通常の学生ビザで申請する必要が出てきます。
教育機関からCASに登録してもらう
希望する学校がチャイルド学生ビザのスポンサー認定を受けていれば、ひとまず条件クリアとなります。学校の手続きに従って学校に出願したうえで、無条件でのオファーを頂いてる必要があります。
無条件で入学許可をもらったら、CAS(Confirmation of Acceptance for Studies)に登録してもらいCASの登録内容を詳細に記したメールやレターを発行してもらいます。
このCASへの登録が無ければチャイルド学生ビザの申請はできません。CASへの登録後6ヵ月以内にビザの申請を済ませるようにしていきます。
資金に関する条件
これまでは留学する学校についてでしたが、ここからは申請する申請者のお金回りのことを証明していかなければなりません。
まずは留学するために保護者の方が十分な資金力や支払い能力があるかを見られます。その資金能力の証明をできるようにしていくことが必要になります。
なお全ての書類は英語で内容が理解できるようにしておかなければなりません。日本語のみで書かれた書類があれば英文翻訳版も用意していく必要があります。
ボーディングスクールの場合
受講するコースの授業料とボーディング費が問題なく支払えるかどうか、資金証明では授業料とボーディング費の支払をカバーできるだけの資金を有していることを証明しなければなりません。
ビザ申請時点では、ひとまずアカデミックイヤーである9ヵ月分を対象に、その支払い能力があることを証明しなければなりません。
支払済みの額は全てCASを見ればわかるようになっているので、資金証明時には未払い分の額をカバーできている必要があります。
ご両親またはガーディアンと暮らす場合
この場合は、学校の寮で暮らさず現地のご両親宅またはガーディアン宅で暮らすということになるので、最長9か月分の授業料と既定の生活費(申請者と親の合算)を証明する必要があります。
- 1ヵ月につき:£1,560(約24万円)
この規定額を最低でも証明しなければいけません。
こちらの生活費も最長9ヵ月分を証明できれば良いので、最低£14,040(約211万円)が証明できれば良い事になります。
16歳または17歳が一人で暮らす場合
16歳以上の方が一人で留学する場合は、大人向けの学生ビザと規定が似てきます。最長9ヵ月分の授業料と、学校の場所に応じた既定の生活費を証明する必要があります。
- ロンドンの学校:1ヵ月につき:£1,334(約20万円)
- その他の学校:1ヵ月につき:£1,023(約16万円)
こちらの生活費も最長9ヵ月分を証明できれば良いので、ロンドンの学校で最低£12,006(約180万円)、その他の学校で最低£9,207(約138万円)が証明できれば良い事になります。
日本国籍者は証明免除
以上を証明できるようにしなければいけないのですが、日本国籍保持者はチャイルド学生ビザ申請時に資金力や支払能力を証明する書類の提出は免除されています。
その為、取引明細書など資金証明書類をビザ申請のために準備しなくても良いです。ただし、ビザ審査中にビザセクションから改めて資金の証明を求められる可能性もありますので、その時に向けて心構えや準備だけはしておいた方が安心です。
英語力に関する条件
大人向けの学生ビザでは英語能力に関する証明が求められるのですが、チャイルド学生ビザでは英語能力の証明は求められません。
ただ、実際にイギリスに行ってから英語に付いていけないと相当苦労するので、しっかりと英語の勉強をしておきましょう。
チャイルド学生ビザ申請に必要な書類
チャイルド学生ビザを実際に申請するにあたって、求められる基本的な書類がありますので、ビザ申請までに準備しておくようにしましょう。
パスポート
言うまでもないですが、パスポートは必須です。ビザ申請までにパスポートが取得できていない場合は必ずパスポートを取得しておいてください。可能であれば学校への出願までに用意できていると理想です。
CAS
留学する学校から発行してもらうCASとなります。CAS番号や学校のスポンサー番号、申請者や留学するコースに関する情報が記載されています。
両親の同意書
イギリスへ留学するにあたり親からの同意書(英文)で作成する必要があります。ビザを申請すること・イギリスで生活やケアの手配をしていること・イギリスへの渡航やお迎えの手配のこと、これらのことを父親母親の両親名義で同意するという書類が必要です。
この同意書ですが留学する学校で雛形を用意している所が多いと思いますので、学校にも確認してみてください。
戸籍謄本
申請者本人とご両親との関係を証明するため戸籍謄本が必要になります。必ず英文翻訳も添えるように準備しておいてください。
これらの申請書類は基本的なものでご紹介しています。個々人のケースにより他に用意が必要な書類が出てくることもあります。
※これまでご紹介したチャイルド学生ビザの申請要件は、イギリスGOV.UKサイトのビザセクションを参照しています。ビザの要件は変更されることも多いため必ずGOV.UKのウェブサイトをチェックして最新の状況を確認するようにしてください。