イギリス交換留学体験談
この体験談を寄稿頂いた時はすでに社会人で、大学時代にイギリスに交換留学をされた百代さんの留学体験談です。このページだけで完結する内容になっています。留学前の状況から留学中の状況、そしてアドバイスも頂いていますので是非最後まで読んでみて下さい。
イギリス留学したのはかれこれ3年も前になります(2019年時点)。社会人になった今、留学を振り返るとああしておけばよかったなぁと思うことが山のようにあります。自分の留学体験を通して、留学を考えている人や留学中の方に読んでいただけたら私の失敗も無駄ではなかったと思える気がします。是非今後の留学の参考や留学後の進路の参考にして頂ければ幸いです。
イギリス留学までの英語学習遍歴
大学4回生時にイギリスに交換留学生として大学から留学させてもらいました。こう書くとあたかも学校の成績が良かった学生であったかのように聞こえるかもしれませんが、タイミングと自分の行きたいという気持ちが教授との面接で伝わったのが幸いし、なんとか行くことが出来ました。自分の行きたい理由と何故その大学でないといけないのかをしっかり結び付けて面接でプレゼンをしたことが交換留学生に選ばれたポイントだと思われます。
留学前のワーホリ
肝心の英語力に関しましては、高校時代の英語は基本的にいつも欠点。受験でも英語に手こずり国立を諦め私立に絞るも最後まで英語に勉強時間の大部分を注ぎ込んだという筋金入りの英語嫌いでした。しかしながら、大学に入り海外で学びたい欲がでてきてついに大学2回生時に休学し半年間オーストラリアにワーキングホリデーに行くことになります。
オーストラリアでは最初の1ヶ月間はホームステイをしながら語学学校に通いました。
今から振り返ってもこの選択は間違ってなかったのではないかと思います。ホームステイ先の家族は親切で食事も悪くなくローカルの家族の生活を経験できたのは非常に良かったです。語学学校では多くの初めての外国人の友達たちが出来きました。しかしながら、友達のほとんどが同じくワーホリで来ている台湾人や韓国人が大半で、仲良くなったのもほとんどがアジア人でした。ただホームステイや語学学校は学費が高いので極力短めにするのがおすすめです。どちらも1か月で十分かと思います。
ファームで住み込み
その後英語力を伸ばすならWWOOFが一番いいと学生仲間から言われたので、そこから2か月間ほど田舎のオージーが家族でやっているファームに住み込みで働かせてもらいました。家族は全員オージーで会話は勿論英語、同じく住み込みで働いているほかのメンバーはフランス人カップル1組とドイツ人の青年1人と英語を学ぶ環境としてはもってこいの場所でした。
食事をするときは家族と一緒に話しながらでした。仕事の後の時間の過ごし方は家族とカードゲームをしたり、ほかの住み込みメンバーとボードゲームをするといったものでした。
英語を学ぶ環境としては理想的でしたが労働と食事、住居のエクスチェンジであるためお金が全くたまらない状態でした。次年度の学費をワーホリで稼ぐことを考えていた自分からすると、このままではいけないと約2か月たったあとホームステイと学校があったケアンズに戻り、仕事を探し始めました。
ワーホリで仕事探し
仕事は飛び込みで履歴書を配るスタイルで、かなり手こずりましたが、マッサージ店の仕事を始めることが出来ました。そこから2か月働き、帰国。オーナーは中国人夫婦で、同僚は韓国人や台湾人そして日本人でした。日本人もいましたが中国人オーナーと韓国人、台湾人の同僚との会話は勿論英語でした。さらにお客のほとんどがローカルか海外からの観光客でお客様との会話はすべて英語なので、英語力を伸ばすにはいい環境だったと思います。
英語学習で大切な事
当初は1年間いるつもりでしたが歯が痛くなり歯の治療は保険外で多くのお金が治療にかかると知り帰国を早めました。また英語に関してもワーホリの半年たったころに伸び悩みがあったのも理由です。
オーストラリアでのワーキングホリデーでは多くの体験が出来、少しの英語力そして外国人に物怖じしない度胸がつきました。しかしながら、自分の英語力では海外で英語を学習するよりむしろ日本で学んでもさほど変わりがないことに気づきました。
ある程度の英語力に達するまではインプットがかなり大事だと思われます。海外は確かに周りが英語環境なのでインプットもできますしアウトプットも勿論できます。しかもインプットとアウトプットの相互作用で英語力は大きく上がるでしょう。しかし、もし周りの英語があまり聞き取れず洋楽を家でただただ聞き流している状態なら効果はほとんどないことは明白です。ゆえにいかに留学までに英語のリスニング力やスピーキング力等の基礎力を身に着けるかが大事だと当たり前ながら強く思いました。英語の基礎は基本的には単語の暗記とフレーズと文章の音読と1人でする勉強がメインです。これは日本でもできます。
このことに気づいた自分は日本に帰国し塾講師のアルバイトをしつつ、学校では積極的に英語の授業をとり、空いた余暇は単語の暗記とフレーズや文章の音読に努めました。
イギリスの交換留学へ
イギリス留学ではオーストラリア時代出来なかったネイティブの友達を作りたいと強く思い、これを目標に掲げました。また留学当初は留学生同士が参加する交流会に参加し、フランス人、ドイツ人やリトアニア人などヨーロッパ出身の学生を中心に友達になることが出来ました。オーストラリアのワーホリではアジア人の友達ばかりであったことを考えると大きな進歩といえます。
また住居は大学の寮のフラットを選びました。フラットの他の学生は自分の留学先の大学に通う現地のイギリス人学生でした。自分の部屋はありましたがトイレやキッチンそしてシャワーは共有なので彼らと雑談の機会も多くあり英語を学ぶにはよい環境であったと思います。
イギリス人のサークルに参加
その後学校の授業がスタートすると同時に大学の日本語のサークルに参加しました。留学させてもらった大学には日本語学科があり、多くのイギリス人の学生が参加していました。
毎週交流会に参加しているうちに多くのイギリス人の学生と友達になり、プライベートでも遊ぶようになりました。日本語サークルの集まる場所が基本的にバーであったため、かなりお酒を毎回飲みました。また友達のイギリス人たちと仲良くなればなるほど、バーでお酒を飲みクラブに行くといった毎日を繰り返すようになってしましました。お酒や夜遅くまで騒いで体調を崩し、酷いときには次の日の授業を欠席することも多々ありました。
自分が仲良かったグループはほとんどがイギリス人だったため英語のスピーキングの向上などアウトプットの場としては大変よかったと思います。ただその分インプットがおろそかになり、今では授業終わりに図書館で宿題等勉強をしっかりしてお酒もほどほどにしておくべきだったと反省しております。お酒もほとんど飲まずコツコツと勉強している日本語学科の学生も多くいたのでもっと彼らとプライベートで過ごすとよかったのかもしれません。
その分めちゃくちゃ楽しかったので、毎日ではなく週に一回など少しメリハリをつけても良かったかなぁとも思います。
交換留学先のクラス
クラスに関してですがほとんどの学生が韓国人と日本人そしてサウジアラビア人。自分は出来る限りサウジアラビア人や韓国人と絡むようにしていましたが、日本人の数が非常に多く休み時間中や放課後も日本語が聞こえてきて英語の学習環境としいてはあまり良くなかったと思います。しかしながら、先生やサウジアラビア人のクラスメイトの会話ややり取りは非常に楽しくそれはいい思いです。
因みになぜ日本人ばかりだったかというと授業のコースが学部コースではなくただのIELTSコースであったためです。もし学部コースに進むことが出来ていればクラスに全く日本人がいない環境で専門分野の勉強ができていたはずです。自分も勿論そちらのコースを履修したかったのですが残念ながらIELTSのスコアが足りず出来ませんでした。
イギリス留学での反省点
今振り返ってみて反省することとしてTOIECの勉強全くしなかったことがあります。
帰国後直ぐに就活に突入する予定だったので滞在中からTOEICを勉強しておく必要があったのですが、留学すれば勝手に伸びるだろうというかなり安易な考えにより帰国後のTOEICは撃沈。就活の足を引っ張りました。留学前にしっかりTOEICの教材を買い、留学中にちょこちょこ勉強しておけばよかったと後悔しています。
さらに反省点を上げるとすればキャッシュパスポートを使用していなかったことです。キャッシュパスポートはマスタークレジットでありながら普通のクレジットカードと違いお金をチャージして使います。クレジットカードのスイカ版ともいえるかもしれません。ほとんど手数料がかからないのでかなりおすすめです。
当時の自分はよく調べもせず日本のクレジットカードで基本的に決済をしていたため手数料が以上にかかりました。また現金が足りなくなったときはユナイテッドユニオンを使って送ってもらい手数料がかなりかかってしまいました。
留学やワーホリに向けてのアドバイス
留学生、ワーホリに行く人へための3つのアドバイスを書いて締めくくりたいと思います。
① 準備をしっかりすること
留学やワーホリにあたり準備は非常に大事です。お金や英語力は勿論、しっかりとした情報収集をすることは留学の成否を決めると言っても過言ではないでしょう。またここであげた準備には、自分のやりたいこと、将来何がしたかをしっかり考え留学やワーホリと結び付けておくことは帰国後の就活は勿論、今後の人生の方向性を決めるものとなります。面倒くさいと思わずしっかり掘り下げて準備をしてほしいと思います。
② 滞在時そして帰国時までの計画を立てる事
一つ目と被るかもしれませんが、しっかりと準備をしたら何時何時までにどこで何をするか小さな目標から中間目標等しっかり設定し、帰国後の就職先や就活の計画も行っておくとよいでしょう。また本当にやりたいことは何か留学に行く前に改めて考えてほしいです。
留学している方やワーホリしている人ならわかると思いますが、自分の人生や価値観を考えるいい機会でもあると思います。ずっとあこがれていた海外。でも実際住んでみて多くの日本の方がよい点、どういったことが自分の人生で重要なことなのか気づけたりします。
加えて一貫性のある履歴を作ることも意識してほしいです。また専門性が高く高給でどの国でも需要がある会計や医療関係などの専門分野を学んだり、そいういった専門分野に関わる所で働くと海外で就職もしやすく日本に帰国後の就職も容易になります。
③ つらいと思っても努力を怠らずやり抜くこと
大なり小なり計画と違う事、しんどいと思う事もたくさんあるかと思います。ただ努力し続ければ後々になって大きく後悔することもなく、今後の人生につなげることが出来るのではないかと思います。最近話題の人生での成功は知性や才能よりもGRIT(やり抜く力)が大事という考え方があります。是非小さなことでもいいので留学、ワーホリでやり抜いてみてください。
リフレッシュも大事
最後のアドバイスは三つ目と矛盾するかもしれませんが、自分を追い込みすぎずたまには休んでリフレッシュしてください。留学中に日本が恋しくなったりすることもあると思います。自分は特に食事、吉野家、王将最強。また自分の英語力の足りなさや準備不足を感じることもあるでしょう。またクラスや職場、ホームステイ先の家族などどこに行っても人間関係は付きまといます。そこで嫌なことや、誰かともめたりもすることもあるかもしれません。
そして、留学先で進路に迷うかもしれません。心にとめておいてほしいのは、自分を責めすぎず、たまには立ち止まって旅行に行くといいです。ただ基本は常により良くなろうという向上心と、失敗してもいいから行動し続けるGRITの気持ちを持ち続けることだと思います。
自分は就職先を間違え進路を間違え、決してオーストラリアでのワーホリそしてイギリスでの交換留学を完璧な実りある留学であったかと言われると、そうとは言えないかもしれません。失敗や留学してから後悔することが山のようにありました。ただ自分から読者の皆さんが言えることは、しっかり情報を収集し、よく精査し、自分のやりたいこと人生を真剣に考えそして常に前を向いて行動し続けることさえできればよいのではないかと思います。
最後に
この体験談が留学やワーホリを考えている皆さんの参考になれば幸いです。くれぐれも体調には気を付けてください。健康第一です。そして、たゆまぬ努力をしていればきっと実りある留学になることでしょう。もし今留学中の方がいれば今からでも遅くないので、もし中途半端だとか、やりたいことややるべきことが出来ていないなら、もう一度人生と留学を深く考えて軌道修正するなり、やりたいことをやるなりベストを尽くしてください。ベストを尽くせば失敗しても後悔は少ないので。
長文お読みくださりありがとうございました。