ヨ-ク大学院留学2~大学院生活のソフトな楽しみ方

ヨ-ク大学院留学2~大学院生活のソフトな楽しみ方

イギリスの留学体験談お二人目の第4弾をお届けします。ロンドンに語学留学をされた後に社会人経験を経てヨーク大学の大学院へMA(修士号)留学された華小路エリカさんの体験談です。華小路エリカさんは、現在フランスに在住されておられますが、その前にイギリスのヨークで大学院留学をされていました。その時の大学院生活(勉学以外)のご経験をご紹介いただいています。

イギリス大学院生活のご紹介にあたり

日本の大学を卒業後、大学で助手を経て某省で勤務した後、英国のヨーク大学に留学し修士課程MAを取得しました。

英会話も完全でない中での大学院留学、どんな厳しさや楽しさが待っていたのかご紹介しております。前回のハードな勤勉生活に引き続き、今回は英国らしさを満喫したソフトな学生生活をご紹介してまいります。

イギリス学生寮カレッジの生活

英国の大学のほとんどが、カレッジと呼ばれる学寮制で、各カレッジには寮長がいて学生には個室があてがわれ、大きなダイニングルームや浴室など寮生活のできる施設が整っています。

私が入ったカレッジには旧寮舎と新寮舎がありましたが、私は大学院生専用の新築されたばかりの新寮舎への入寮となりました。

新寮舎は離れの3階建てで各エリアに分かれ、1エリアに10室ほどの広く清潔な個室があり、その1階には台所があって、同じエリアの10人の寮生たちが集まって食事したりおしゃべりしたりする交流スペースとなっていました。

共同の冷蔵庫には寮生たちが各自保管している食料品があるのですが、やんちゃ坊主な2人組の英国人男子学生G&Jが、よく私のミルクを勝手に飲んでいたので、ミルクに「アクセス禁止」と書いたネームプレートをつけていました。

この学生Jに英国らしい面白いエピソードがあります。

英国では大学も少なく、当時大学に行く英国の高校卒業生は3%しかいなかったので、大学卒というだけでエリート層だったのです。

各寮に郵便受けがあるのですが、Jの母親から届いた手紙の宛先に「Jxxxx BA」と書かれていました。つまり「BA/学士号を持つJ」という宛て名が書かれていたのです。それほど、大学卒という肩書は親にとっても誇りなのね、と感心したものです。

学寮でのイギリス食生活

各カレッジには大食堂があり、寮生は格安でセルフの食事がいただけます。

とはいえ、そこは英国料理、ホウレン草はグニャグニャでパスタはうどんのようで、まさに絵に描いたような英国グルメでした。なので、寮のキッチンで自分で料理したり、保存食をオーブンで温めたりといった食生活が大半でした。

週に一度町中にある大きなスーパーに出かけ、キドニーパイなどのパイ類を沢山買い込んでオーブンで温めたり、ハンバーグなど簡単な料理をしていただきました。

英国のクッキー類は美味しいのでよく紅茶と一緒にハイヌーン・ティータイムを過ごしました。英国のミルクティが美味しいのは、そのミルクの質にあります。コクがあって紅茶によく合うのでよく買っていましたが、契約販売もしており、大学寮まで届けてくれるミルク販売車も英国ならではの風景でした。

町で英国らしい発見

大学から町中まで距離があるため、私は新品の自転車を買ってそれに乗って時々町に出ていました。学業に追われゆっくり町を散歩する機会がほとんどありませんでしたが、修理や買い物といった所用があれば出かけたという感じです。

日本と違って驚いたことが幾つかあります。使用している眼鏡の3mmほどのネジが一個はずれたので、それをつけてもらおうと町の眼鏡屋に入ると、修理に数日かかりおまけに15ポンド(約2000円)もとられました。日本やフランスなら無料でその場で直してくれる簡単な修理です。

またブランド物のハーフジャケットをクリーニングに出したら、白い部分が薄茶色になって返ってきました。どういう洗濯してるのか、他の洗濯物がどれだけ汚いのか、と疑心を抱いたものです。

イギリス留学時の同級生や留学生との交流

放課後や授業の無い日などに、学生たちが主催する個人パーティが各所でありましたが、私は勉強に追われ毎回断りほとんど参加できなかったのが悔やまれます。

それでも幾つかのパーティには参加し、同級生だけでなく、知らない他の学部の院生らと交流することができたのがいい思い出となっています。

そんなパーティで知り合った留学生の一人、アルジェリア人の博士課程の学生Aとはその後もずっと交流が続き、現在はアルジェリアの大学教授兼建築家として活躍し、毎年パリに来て都市開発計画に参画しています。その度にパリで会い、彼のご家族を我が家に招待したこともあります。

同じく博士課程の親切なイラク人学生とも仲良くなり彼らのグループに食事に招かれたこともありましたが、その後のイラク国際情勢を考えると、現在も彼らが無事に生存しているのか心配になることもあります。

日本からのお客様

ヨークに留学中、日本から特別なお客様も私を訪ねてくれました。

一人は日本の知人で、名古屋で某お嬢様大学の教授をされているB夫人で、「ハンドベル協会」の会長を兼ねているため、丁度ヨークの大聖堂で開催されたハンドベル日英共同コンサートに参加した際、コンサートに招待され逢瀬も楽しみました。

また、もう一人は東大のS助教授で、彼も英国のオックスフォード大学に留学経験があり、私の将来のステップに沢山のアドバイスをいただきました。彼と一緒にヨークの街並みを散歩しましたが、ゆっくり町を散歩したのはこの時が初めてでした。

まとめ

以上、2回に渡ってヨーク大学院生活の厳しい「暗」の勉学生活と、楽しい「明」の学生生活をご紹介してまいりましたが、大学院はやはり明暗あっての厳しい過程であり、そのバランスをいかにうまくとるかが大学院留学を成功させる秘訣だと感じています。

実際ヨーク大留学では勉学に80%重点を置いたため、100%充実した留学生活ではなかったと後悔する部分もあり、その分、その後のフランス大学留学でははじけてしまいました。次回はヨーク大学院後の次の大学院留学についてご紹介してまいります。

イギリスの大学の寮生活は、なかなか貴重な体験ができると思います。寮の食事に飽きてくるというのもその通りで、通常共同キッチンがあるので、買い物してきたものを調理して食べるということも良くあります。また共同キッチンで食材が盗まれるということも日常茶飯事ですね。日本と違いそういったことをどこまで許容できるかということも留学の貴重な体験だと思います。

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