ロンドン語学留学体験~放課後と週末の楽しみ方
イギリスの留学体験談お二人目の第2弾をお届けします。2000年代の2月にロンドンに語学留学をされた華小路エリカさんのロンドン語学留学体験談となります。語学留学で語学学校の毎日のレッスンが終わった後の放課後と週末をどう過ごしていけばよいか一つの例をアドバイス頂いていますので、ご参考になればと思います。
はじめに
大学では英米文学科を専攻し、将来は英国へ本格的な留学を考えていたので、その予備留学として、大学3年生の冬、英国ロンドンへ短期語学留学を経験しました。短期でも充実した留学生活を送る秘訣や楽しみ方など、ご紹介してまいります。今回は前回の「学校生活と国際交流」に引き続きPart2になります。
放課後は市内観光と文化吸収
語学学校では4週間の滞在中、前期と後期に分けて2週間毎にクラスの入替があり、最初にクラス分けテストが行われますが、私は前期後期ともに上級クラスでした。そのためか、クラスメートは私よりも年上の人ばかりで、ビジネスで派遣されたおじさんたちが多く、同世代の友人ができにくかったのが唯一の難点でした。
そのため放課後は一人でバスに乗ってロンドン中心部まで出てロンドンひとり旅を満喫しました。赤い2階建てバスに乗るという日常体験さえ、エキゾチックでエトランジェ感満載で楽しい旅でした。
一人でよく出かけたのはロンドンの博物館や美術館でした。大英博物館では古代エジプトのミイラ群におどろおどろしく感動し、薄暗い時計コーナーでは警備員のオジサンにナンパされ、薄暗いだけにそれも恐怖体験でした。個人的にとても気に入ったのはヴィクトリア&アルバート博物館で、数部屋に続く大広間に並ぶ英国ポーセリンの数々は圧巻で、1日では足りないほど見とれていました。
有名な「マダムタッソー蝋人形館」にも行き、そのリアリティにぞっとさえしました。人形と言えば、印象的だったのが「ロンドンおもちゃ博物館」の人形コーナーで見た、古いビスクドールなどの人形の展示でした。ビスクドールはまつ毛や歯並びなど細部がリアルに細かく、またこの時代のものは目に表情がなく、日本のお菊人形の比にならないほど、恐怖を覚える博物館でした。
以上、博物館だけ見ても、英国はその陰鬱とした気候のせいか、ホラームード一杯の恐怖体験できる楽しい?町でした。
ロンドングルメを楽しむ
ロンドングルメといっても、昔から悪評高いイギリス料理、実際に行って体験し、まさにその悪評通りと実感しました。
あるレストランで「カレー&ライス」がメニューにあったので頼むと、出て来たのはインスタントのボンカレーにも及ばない「カレー汁のみとライス」。肉はどこ?じゃがいもは??どこにもありませんでした。ライスの質は言う間でもなく、カレーもカレー粉だけ使っている?と勘繰りたくなるほど「C級グルメ」でした。
唯一美味しかった料理が「フィッシュ&チップス」。日本にそのような食文化がなかったので、単に珍しかったのかもしれませんが、これはよくいただきました。ちなみにサンドイッチ発祥の地である英国のサンドイッチは、日本と比べて全く洗練されていませんでした。高級レストランで食べたサンドイッチでさえ、卵はマヨネーズさえかけないで挟むだけ、ポテトチップスだけをはさんだサンドイッチさえあり仰天しました。
料理に失望の多い英国でしたが、クッキーだけは格別でした。バターをふんだんに使ったコクのあるクッキーは紅茶文化の英国ならではの特産品と言えるでしょう。
週末の過ごし方
ホームステイ先にスイス人の同年代の女性Yも滞在していて、週末は彼女とよくロンドン市内に出かけて散策を楽しみました。外国人とのお出かけも、語学上達の秘訣です。
ある日、彼女から夜ディスコに行こうと誘われ、初めてロンドンのディスコ体験をしました。踊っているとナンパはお決まりのようで、ある品のいいインド人男性からしつこくつきまとわれました。と言っても不快なしつこさではなく若く紳士的な男性で、後日彼が経営するインド料理店に友人Yと一緒に招待されました。ご両親からも歓待され、豪華で美味しいインド料理を満喫することができました。
また週末は英国ならではのショッピングも楽しみました。
ロンドンの高級ブティック街にあるお気に入り時計店「カルティエ」のショーウィンドーで時計を見ていると、店から上品な紳士が出てきて「中でもっといいものをお見せしましょう」と突然言われ、貴族の館のようなサロンに通されました。見せてくれたのは高価なものばかりで手は出せませんでしたが、英国滞在後立ち寄ったパリで、結局カルティエの時計を自分土産に買ってしまいました。英国でのあの時の特別待遇の魔法に惑わされたのかもしれません。
まとめ
以上、2回に渡ってご紹介した「ロンドン語学留学体験記」如何でしたか?ホストファミリーには恵まれない、食事は残念レベル、といったマイナス面もありましたが、異文化体験、人との出会いなど、日本では体験できない貴重な時間を過ごしました。
1カ月の滞在でしたが、十分と言えないまでも英語は上達し、相手を理解しようと聞く力、相手に理解されようと表現する力が身についたと感じました。特に渡英前と後とで大きく異なったのは、一人で異国居住体験をした自分自身に対する自信がついたことです。若い時だからこそできる、夢実現へのチャレンジはいつでも誰でも可能な特権なのです。
語学留学の醍醐味の一つは、もちろん個人個人によりますが、特に短期留学においてその留学先の観光や文化や風習を楽しんだり体験したりということも挙げられます。英語学習ももちろん大事ですが、貴重な留学体験ですので現地の文化や風習を味わうことも異文化理解促進のためにも積極的に参加したり行動してみてはいかがでしょうか。