ロンドン語学留学体験~学校生活と国際交流
イギリス留学2人目の体験談をご紹介します。少し前にはなりますが2000年代の2月にロンドンに語学留学をされた華小路エリカさんの語学留学体験談となります。ロンドンで体験した語学学校生活と国際交流のお話です。ホームステイの状況など役に立つお話もあります。
大学では英米文学科を専攻し、将来は英国へ本格的な留学を考えていたので、その予備留学として大学3年生の冬、英国ロンドンへ短期語学留学を経験しました。短期でも充実した留学生活を送る秘訣や楽しみ方など、ご紹介してまいります。
格安に語学留学を体験する
ロンドンを最初の留学先に選んだ理由は、英国の首都であり主要観光地や様々な芸術散策を楽しめると期待してのことでした。冬場のヨーロッパ旅行は割安なので、某旅行会社のツアーを探していると、「ロンドンで1カ月の語学留学+パリ旅行3日」という格安ツアーが目に留まり、それに参加することに決めたのです。
語学学校の選択、入学手続きからホームステイ先の斡旋まで全て旅行会社が手配してくれていたので、とても便利でした。ただ、格安の分、期待外れな一面もありました。
例えば、学校はインド移民が多いという、ロンドン北部のヘンドンという町にありました。場所はロンドン西部の高級住宅地並みではなかったものの、そこはロンドン、美しい自然や異国情緒溢れる景色を満喫できる環境でした。
外国人留学生と異文化交流を楽しむ
語学学校「The Linguists’ School of English」(現在では閉校)の1日目は、最初にクラス分けのテストが行われ、私はテストの結果最上級クラスにあてがわれました。英会話はともあれ、文法問題なら日本人は他の外国人に負けないと思います。
クラスは10人程度の少人数制で、そのクラスにはアラブやアジアの年上の留学生や、ドイツやスイスの英会話が上手な若いヨーロッパ人もいました。語学留学というと 日本人は大きな錯覚を抱くのですが、語学留学には英語を学びに来る外国人学生で占められるので、学校で現地国の友人は作れません。その点に失望する日本人も多いのですが、そこはプラス思考に転換し、こんなに様々な国の人と国際的な出会いがある機会は滅多にないのですから、各国の異文化交流を積極的に楽しむべきだと思います。
クラスメートとは授業後に英会話上達のためよく英語で交流を楽しみました。石油会社から派遣されたというオマール人とお話しすると、自身の月給が(当時で)100万円以上だとさりげに自慢し、「結婚するならオマール人がいいよ。」と、親切に?アドバイスをいただきました。国から派遣されたという高級警察官僚のネパール人が授業後はよく私に話しかけてくれ、最初はしつこいほどだったのですが、とても純粋で紳士的な方だったので友人となりました。
小さな出会いが大きな国際交流へ
ネパール人のその友人からは留学後も手紙が来て、奥様やお子様の写真を送ってきたりと、友情を深めていきました。その数年後、彼が本職の警察官僚と並行して、ネパール代表のサッカーチーム監督に就任し、日本での親交試合のため東京に招聘されたと連絡があり、日本で会うことになりました。東京案内をするため新宿の高級ホテルに迎えに行くと、日本のサッカー連盟が手配したというロングリムジンが待ち構えていて、運転手付きのリムジンで浅草など都内観光を楽しみました。
このように、語学学校での小さな出会いが大きな友好へとつながることも、様々な外国人が集まる語学学校ならではの特別な経験なのです。語学学校には様々な目的や理由で外国語を学びに来て、人生のチャージをしている真最中の可能性を秘めた人ばかりなので、そのプラスエネルギーを存分に交換し合える場所なのです。
ホームステイは格安サービス
イギリスのホームステイはアメリカとは違い、小遣い稼ぎに登録するホストファミリーが多く、下層中流家庭が一般的です。格安ツアーでの申し込みだったためか、私があてがわれた家庭も、離婚したシングルマザーと無口な反抗期の中学生男子一人という、訳あり一般庶民家庭でした。食事中も話題がないのか会話も乏しく、あまり好条件とは言えない家庭環境でした。
朝夕2食付きの条件でしたが、朝食は食パンとジャムに紅茶の繰り返しで、夕食は英国では軽く取るため、冷凍のパイなどをオーブンでチンするだけ、といった粗食でした。
中でもショックだったのは夜中にトイレに行った際、喉が渇いたため階下の台所に水を飲みに行くと、鬼の形相でマダムが立っており、まるで不審者でも見る目つきで「何してるの」と聞かれました。「喉が渇いたので」と答えると、「トイレの洗面所の水を飲みなさい」と言われ、「飲めるか!」とは逆らえず、以降夜は洗面所の水を飲まされました。飲料ボトルが無かった時代です。
格安ツアーならではの不快なホームステイ体験でしたが、それでも食事で出た冷凍の「キドニーパイ」や「アップルタルト」などが英国独特で美味しくて、今でも忘れられない味の思い出となっています。
まとめ
格安ツアー留学で条件がお粗末というマイナス面もありますが、それを上回るプラス面も沢山ありました。
その詳細は「ロンドン語学留学続編~放課後と休日の楽しみ方」でご紹介したいと思います。
イギリスは中東からの生徒も多く語学学校の授業を受けに来ています。それは今でも変わりません。その他ヨーロッパや南米といった国々からも生徒が来ているので大きな国際交流につながります。ただ、おっしゃられているように、語学留学では学校スタッフ・教師・ステイ先以外でイギリス人と知り合う機会はなかなか無いので、パブやバーなどでイギリス人の知り合いを作られる方もおられたりします。