マルタ留学は私を変えてくれた

マルタ体験談1回目その5

マルタの留学体験談第1弾、Serenityさんの体験談の最終回です。いろいろなトラブルに会いながらもマルタへ留学してよかったと思えるようになった理由はどこにあるのか留学してよかったことについて語ってもらっています。

 

マルタ共和国での留学を終え、帰国した今でもマルタがとても恋しいです。

そんな私ですが、留学中はマルタが嫌いだった時期がありました。日本とは言葉も文化も違うのでカルチャーショック等は当然あったのですが、ある出来事を経験したからです。

良い事も悪い事もありました。でもそれらは日本に居たら経験出来なかった事。マルタに行ったからこそ経験できた貴重な経験だと今は思っています。

私の留学体験最後にお伝えしたいのは私がマルタを嫌った理由と、好きになった理由です。

マルタで経験したイヤな思い出

ビザ問題

国によってビザの申請のタイミングは異なります。マルタ共和国の場合、渡航後にビザの申請をします。90日以内はビザを申請する必要がありませんが、1年滞在する私は当然申請をしました。その約1ヶ月後に受け取りに行った時にとんでもない事が起きたのです。それは…「ビザの日付を間違えられた」です。

8月まで滞在する予定だったのですが、ビザの期限は3月までになっていました。すぐに気付き、その場で抗議をしたのですが、私が提出した書類の中の1枚をガラス越しに私に見せつけながら「この書類の日付が3月になっているじゃない!」と一言…。取り合ってもらえませんでした。

日付の書き方ですが、アメリカ式とイギリス式で少し異なります。

例:2018年8月3日
・アメリカ式:/3/2018(月/日/年)
・イギリス式:3//2018(日/月/年)

それは学校で発行された書類の中の1枚だったのですが、日付の書き方がアメリカ式だった為、ビザの日付が間違えられたようです。当然その他の提出書類の日付は全てイギリス方式で書いてあったのに、たった1枚の書類だけで判断されてしまいました。

翌日学校へ抗議に行きました。しかし、申請をする際の事前の書類チェックをしてくれた人は「私は悪くない」の一点張り!それどころか提出しなければならない書類が1枚不足していたとかで、「あなたが完璧な状態で書類を持って来たら私が気付けたのに…」と言われました。それをチェックするのがあなたの仕事でしょ!!と言いたかったのですが、当時の私はそんな英語力も無く、再度申請をするしか方法がありませんでした。

再度申請書類を揃えるにはそのコピーが必要ですし、パスポートだけでも全ページ必要なので、コピー代だけでも結構な金額になります。

納得のいかない私は先生にこのことを相談しました。そこで、学校の責任者へ抗議メールを送るよう提案され、先生と一緒に文章を考えてそれをメールで送りました。

その翌日、書類をチェックしてくれた「私は悪くない!」といったスタッフから呼ばれ、「あなたを助けてあげたいけど、私はあなたの為に何が出来るかしら?」と言われました。抗議メールが功を奏し、必要書類のコピーは全て学校ですることができました。

しかし、申請料だけは再度払わなければならず、66ユーロをもう一度支払い、今度はちゃんとした日付でビザを受け取る事ができました。

ヨーロッパ留学経験者に話すと「あー、よくあるよねぇ」と言われるので、そんなに稀な事例では無いようです。私の他にも同様に日付を間違えられた人が日本人を含め3人はいました。

提出書類が不足していても正しく取れる人もいるし、書類を全て提出しても私のように間違えられる人がいます。その理由は分かりません。

まさか公の機関がミスをするなんて日本では考えられませんが、海外では起こります。

また、事前通達が無く申請料や時間、申請可能日が変わりますので確認が必要です。

私も色々と調べてみたのですが、こうなった場合は方法がありません。諦めてまた申請をしてください。※お金を払えば申請をしてくれる機関もあります。

マルタの夜景
↑マルタの夜景

荷物の関税問題

日本を経つ前、スーツケースには入りきらなかった荷物をEMS(国際スピード郵便)でマルタへ送りました。EMSはネットから追跡ができます。

発送から1週間ほどでマルタに着いているのは確認ができましたが、一向に荷物が届きません。私は学校着で送っていたので、受付に何度か確認をしていたのですが、荷物保管期限の発送から90日近くになって再度確認したところ1枚の紙を渡されました。

 

近くの郵便業務を兼ねている雑貨屋へ行って聞いてみれば?と言われたので、聞いてみると、そこには荷物が来ていないとのこと…。じゃあどこにあるの?と聞くと、用紙の上部に印刷されたURLの郵便局(約6km程離れたところ)ではないかと言われ、でも荷物は11kgだし私一人じゃ運べないのに…。というと「I don’t know」とバッサリ。

仕方なくバスで紙に書かれた郵便局へ行くと個人的な荷物か聞かれ、それでも金額が高いので服と靴に関税がかかると言われ、1万円近くの関税代を更に支払い、11kgの荷物をバスで運んで帰って来ました。

 

日本なら親切に色々調べてくれるのに、海外は全て自己責任なんだなぁと痛感しました。

マルタの街並み
↑マルタのきれいな街並み

盗難は日常茶飯事

留学中私は学校の寮としてホテルに滞在していました。シェアキッチンはその名の通り誰でも使える共有キッチンです。

ある日その冷蔵庫に入れていた買ったばかりのハムが盗まれました。レセプションに言っても「それは気の毒だったね」と言うだけ。その後もみりん、しょうゆ、塩、こしょう、油、包丁、菜箸 等色んな物が盗まれましたが、私だけではなく、みんなも同じように色々と盗まれていました。

旅行でスペインのホステルに泊まった時も、ホステルにある共有冷蔵庫に朝食を入れていたら盗まれていました。それくらい海外ではこの程度の盗みは日常茶飯事です。盗まれたくない大事な物は自分できちんと管理しなければなりません。

そして私がマルタを好きになった理由

ある程度のトラブルは覚悟していたつもりですが、これらの出来事は想像以上でした。

でも、困っていると助けてくれる人が現れるし、ピンチやトラブルは同時にチャンスでもあると考えるようになりました。

ビザの時は学校に抗議をしたので、その後はきちんとイギリス式の日付で発行されるようになりましたし、トラブルを経験したからこそマルタに来たばかりで色々戸惑っている日本人にアドバイスをする事もできました。

滞在していたホテルのマルチーズスタッフの人は「私はいつでもあなたの側にいるからね。忘れないで」と優しく声をかけて励ましてくれました。マルチーズは本当に優しい人が多いです。

ピンチとチャンスは表裏一体。私はトラブルすら楽しめるようになりました。

日本との違いさえ受け入れてしまえばマルタほど住みやすい国はありません。

私はマルタを第二の故郷と思えるほど愛しています。国は同じでも違っても、大事な友人たちにも出会えました。親子ほど年の違う子もいます。

皆さんもぜひ地中海の宝石マルタ共和国で素敵な学びと経験をしてみませんか。

マルタに限ったことではないですが、海外は日本ほど優しくありません。公的機関が間違えることも普通ですし、物事が思うように進まないこともしばしばです。それでも留学中に何とかしていくというサバイバルスキルは必ず自分を一歩も二歩も前進させてくれます。留学は面白いことばかりではありませんが、海外での問題を解決できる力を養うのも、非常に重要な留学の醍醐味ですし、世界で活躍できる人材として大切なスキルとなります。

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