アイルランドへの高校留学
高校留学と言えば、カナダ・オーストラリア・ニュージーランドが人気の高校留学先ではありますが、アイルランドという選択肢も高校留学にはあります。
アイルランドへ高校留学を実現していくには、いつ頃から準備を開始してどういった手続きを踏んでいけば良いのでしょうか、アイルランドへの高校留学について詳しくご紹介してきます。
高校生にとってのアイルランド
アイルランドはヨーロッパにあってイギリスの左隣にある島の約4分の3がアイルランド共和国となっています(ちなみに島の残りの地域はイギリスの北アイルランドとなります)
高校生にとってアイルランドへ高校留学する点で特徴となるポイントが次の通りです。
治安が良い
アイルランドが留学先として選ばれるポイントは「治安の良さ」です。
ヨーロッパと聞けばスリなどの軽犯罪が多いとよく耳にするかもしれませんが、それは主にフランスやイタリアなど大陸国の方で、アイルランドは大陸から離れた島国ということもあって治安に関しては問題ありません。
アイルランドにはロンドンやパリと言った人口1000万人に近い大都市も無く、一番の都市がダブリンで約140万人の人口となっています。
最大の都市ダブリンでも治安の問題はほとんどありませんので、安全でのんびりと穏やかに留学生活を送ることができる場所です。
これまでにアイルランドでパリやロンドンで発生したようなテロが起きたという話も聞きません。ただし、アイルランドも例外でありませんので注意は必要です。
なお、外務省が出しているアイルランドの危険情報によると、レベル0で危険情報は発出されておりません(2023年10月現在)
またアイルランドの日本大使館では、以下のように心構えとして現地生活上の注意喚起はしておりますので、留意しておくようにしましょう。
アイルランドにおいては、繁華街や観光スポットを中心とした窃盗犯罪や粗暴事案、住宅地における家宅侵入等が高い水準で発生しているほか、ダブリン市内及び近郊では、ギャング組織間の抗争とみられる銃撃・殺人事件や、不良少年グループによる暴力事件が発生しています。これらの事件の被害に遭ったり、巻き添えになったりしないよう十分注意して下さい。一人一人が防犯意識を持ち、対策を講じることが重要です。
フレンドリーな国民性
アイルランドは過去にイギリスの施政下あって、差別を受けてきた歴史もあります。
その時代に多くがアメリカに移民したりもしましたが、そういった差別を受けた歴史もあって差別意識が無く外国人に対してもフレンドリーです。
そのため、10台半ばの高校生がアイルランドにやって来てもしっかりと優しく面倒を見てくれる国民性があります。
ヨーロッパのIT立国
アイルランドは英語が公用語という事もあって、多くのIT企業がヨーロッパの拠点としています。
更にイギリスがBrexitでEUから脱退することもあって、ヨーロッパの中で英語が通じる拠点としてアイルランドの重要性は高まっていくとも考えられます。
IT企業が多く集まるという事は、高校生にとっても最先端の情報技術を英語で学び体験できる機会に溢れている事につながります。
高校生の時期は様々な事に興味を頂く時期でもありますので、IT関係で見聞を広めて高校を卒業してIT関連で起業を目指すという道も切り開ける可能性もあります。
アイルランドの高校資格は世界で通じる
アイルランドで高校生として卒業すれば、アイルランドの高校卒業資格は世界で通じます。
将来アイルランドも含めアメリカやイギリスなどの英語圏の大学に進学を考えている場合、アイルランドの高校を卒業することでそのまま海外の大学に出願できます。
更に、英語で高校の課程を修了することになるので、IELTSやTOEFLといった英語力の証明も不要になるケースが多くなります。
日本の高校卒業資格だと、英語力が高かったとしてもアイルランド・イギリス・オーストラリアなどではそのままでは出願できませんが、アイルランドの高校を卒業することで、世界の大学への進学に道が切り開けるようになります。
アイルランドの中等教育制度
中等教育は、日本で言う中学校と高校の合わせて6年間を指していますが、アイルランドの中等教育制度はどのようになっているか簡単にご紹介します。
アイルランドでも他のヨーロッパ諸国と同じように、9月から新学年が始まります。
ジュニアサイクル
アイルランドで日本の中学校に当たるのが「ジュニアサイクル」と呼ばれる課程です。12歳から1年生が始まり15歳の3年生までの3年間がジュニアサイクルとなります。
12~13歳 | 1年生 |
---|---|
13~15歳 | 2年生 |
14~15歳 | 3年生 |
シニアサイクル
日本で言う高校に当たるのが、アイルランドの「シニアサイクル」です。シニアサイクルはジュニアサイクルから引き続き、4年生となり6年生まで続いていきます。
シニアサイクルの1年目になる4年生を、「トランジションイヤー(TY)」と呼んでいます。
日本からアイルランドの高校へ留学する場合は、このトランジションイヤーの1学期目(9月~1月)から始めるのがお勧めです。5年生・6年生になると卒業試験に向けたカリキュラム中心になってくるので、授業で学ぶことも難しくなりついて行けない可能性が出てきます。
15~16歳 | 4年生 トランジションイヤー |
---|---|
16~17歳 | 5年生 |
17~18歳 | 6年生 |
年間費用について
アイルランドの高校に1年間留学した場合の年間費用ですが、通学する学校によって大きく異なるため正確な費用は出せませんが、大まかな費用としては、
1年間で、約265万円~約500万円 が留学費用の目安となります。
これには全寮制の学校で授業料だけでなく食事代などの含めた料金となっています。
アイルランドへの渡航費用や、海外留学保険料などは含めておりませんので、この費用から更に追加が必要となります。
アイルランドで留学できる高校
日本国籍の方がアイルランドの高校に留学する場合は、公立学校へは留学することができません。その為私立の高校のみとなります。私立の中でも寮滞在可能なボーディングスクールか、または寮はなくホームステイをしながら通う私立のデイスクールかで選ぶようになります。
ボーディングスクール
ボーディングスクールは、学校の寮滞在が可能な学校です。学校の敷地内(または少し離れた場所)に専用の寮を完備し、学校の生徒と寝食を共にして過ごします。共学の学校によっては女子のみ全寮制、男子のみ全寮制という場合もあります。
ボーディングスクールの中には、寮滞在必須ではなく通学可能な学校もあります。
St. Columba’s College | 共学 | ダブリン |
Glenstal Abbey School | 男子 | リムリック |
Clongowes Wood College | 男子 | キルデール |
Rathdown School | 女子 | ダブリン |
Blackrock College | 男子 | ダブリン |
Alexandra College | 女子 | ダブリン |
Kings Hospital School | 共学 | ダブリン |
Cistercian College | 男子 | ティぺラリー |
Villier’s School | 共学 | リムリック |
Wesley College | 共学 | ダブリン |
Rockwell College | 共学 | ティぺラリー |
Midleton College | 共学 | コーク |
Bandon Grammar School | 共学 | コーク |
Sligo Grammar School | 共学 | スライゴ |
The Royal School | 共学 | カバン |
Dundalk Grammar School | 共学 | ダンドーク |
デイスクール
デイスクールには基本的に寮は完備されていません。地元の生徒は自宅から通ってきます。それ以外の生徒はホームステイをしている滞在先から通学します。共学校の場合は女子のみ全寮制、男子のみ全寮制という場合もあります。
ダブリンエリア
その他のエリア
Yeats College | 共学 | ゴールウェイ |
Villiers School | 共学 | リムリック |
Sligo Grammar School | 女子 | スライゴ |
Newbridge College | 共学 | キルデール |
Bandon Grammar School | 共学 | コーク |
Drogheda Grammar School | 共学 | ドローエダ |
Scoil Mhuire Cork | 女子 | コーク |
Presentation Boys School | 男子 | コーク |
The Royal Cavan | 共学 | カバン |
Monaghan Collegiate School | 共学 | モナガン |
アイルランド高校留学の手順
先にご紹介した通り、アイルランドの高校に留学する場合は、4年生(15歳~16歳)トランジションイヤーの年の9月~1月の間で開始できるようにするのが理想です。
それに向けて以下のような手順を踏んで進めて行く必要があります。
1. お申込み
高校留学を開始される年の1月~3月頃にお申込み頂くタイミングとなります。その際にZoomやSkypeなどでインタビューも行います。
2. 学校選定
アイルランド高校留学のお申込みが終われば、アイルランドで高校留学の紹介を行っている仲介先と学校選定を行います。
ご希望をお伺いしながら、ご希望や場所に合った学校が無いか、全寮制・女子高・男子校・共学校といった中から学校の選定を行います。
最後に、選定した高校へ出願し合否の判定が行われます。この時にもう一度インタビューを行う場合もあります。
3. ガーディアンお申込み
留学する高校も決まれば、ガーディアン制度のお申込みも行うようになります。
18歳未満の方がアイルランドで留学する場合には、現地で必ずガーディアンと呼ばれる代理の世話人を付けなければなりません。
アイルランドのガーディアンのお申込みをし、ガーディアンになる方との面談を行い学習計画などサポートしていくことになります。
4. 滞在先選定
アイルランドの高校を紹介してくれる仲介先経由でホームステイの滞在先のご紹介を行います。(現地でご自身で滞在先のあてがある場合は不要となります)
ホームステイはアイリッシュファミリーでご案内されます。
5. 渡航・授業開始
9月にアイルランドへ渡航し、高校に入学します。
もし入学前に何かしら英語で準備コースなどご希望される場合には、早目にアイルランドに渡航し夏の期間に語学学校で高校準備コースを受講することも可能です。
ビザに関してはアイルランド入国後にビザの手続きを行うようになります。
アイルランド高校留学主催校
アイルランドの高校留学では以下の学校が主に取りまとめを行うようになります。高校留学前の英語学習などにも対応してくれています。
アイルランドの高校留学について、ご質問やご相談などありましたら、お気軽にお問合せください。