自分自身の世界を広げ人生をより豊かにしてくれる太陽の国スペインへ留学

大学のスペイン語の授業が留学の最初のきっかけ

私がスペインへ留学したのは大学を卒業した年の夏からでした。スペインに興味を持ったきっかけは、大学の講義でたまたま履修したスペイン語の授業でネイティブの先生がとても面白かったからです。

講義内容は文法を学ぶというよりは表現方法を学ぶ内容がメインで、学んだその日に日常会話で使えるようなフレーズばかりでした。元々外国語が苦手で英語は全く話せない・読めない私でしたが、スペイン語はローマ字読みである程度できますし発音も他の言語と比べるとそこまで難しくないので、毎回の講義が楽しみになっていました。

その先生も日本にあるスペイン語や若者が使う流行り言葉、スペインでの文化をスペイン語と日本語を使い面白おかしく説明してくれたので、自然と「スペイン」という国へ興味が湧き、もっとその文化に触れたいと思うようになりました。

まずは語学を学びたいと思い、ビザが取得できる学校があり住みやすそうな地域として都市のマドリードを選びました。

始めは慣れずつらいけど、段々慣れてくるもの

実際にスペインに留学すると、やはり語学面での苦労が大きかったです。渡航前に勉強していたとはいえ、現地の人たちはもっと早くもっと流れるように会話をするので、聞き取るのがとても難しかったです。

日本の講義で1年かけた内容がこちらの語学学校では2週間ほどで終わってしまうくらい進みも早く、アルファベット慣れしていない私にとっては慣れないことばかりでした。日本にいる時は6時間の睡眠で十分でしたが、留学期間中は8時間寝ても寝たらないほど頭が疲れていました。

他の国の留学生に比べなかなかスペイン語が上達せずに悩んでいたある日、胃腸炎からの発熱で病院へ行くことがありました。初めての海外での病院、これもまたかなりのストレスを感じたのですが、担当してくれたドクターがとても親切でゆっくり説明してくれて、私も自分でもびっくりするくらいスペイン語が出てきて、初めて「スペイン語が話せる」という感覚を味わいました。

体調はきつかったですが、語学に対して前向きになれるきっかけでした。今思うと初めの3ヶ月くらいは慣れることにいっぱいいっぱいで、もどかしさと自己嫌悪との戦いでした。

スペインの生活様式は日本と全く違います。朝が早くても夜はとても遅いです。その間にあるシエスタで休憩を取るのですが、この時間があること自体が日本ではない時間ですし、留学1年目当時この時間帯にはお店が閉まっていることも多かったので、生活する上でも工夫が大変でした。慣れてしまえばいいのですが、20数年間の生活スタイルを変化させるのはなかなか難しかったです。

日本では感じたことのなかった差別を感じることもありました。見た目で言葉が分からないと決めつけられたり、すれ違う時に知らない人に笑われたり、新型コロナウイルスでのパンデミックの時は特にアジア人であることでの差別を感じました。仕方ないのですが落ち込みました。

言葉が違う、文化が違う、知り合いがいない…、自分で選んだ道だとは言え、少なからずストレスはありました。

自分を色々な面で変えてくれたスペイン

私は基本的に周りに合わせるタイプでしたが、スペインに来てだいぶ自己主張になったと思います。

言葉の壁がありイライラする事も多かったのですが、語学勉強のためにも自分の意見を言葉にするようにしてきました。気がついた時には語学の上達だけでなく、自分意見を伝えることの大切さにも気づきました。

複数のグループでは皆が皆大声で話すので、はっきり話すようになりました。母国語以外の言語を習得することで各国の友達もできました。いろんな人の考え方やその国の文化をスペイン語で聴くことで本当の意味で世界が広がったと思います。

言葉が理解できない期間があったので物事の予測や事前の準備はよく行うようになりました。

どこかへ行く時は事前に交通機関を調べて、移動時間が長くても外の景色を見たり近くにいる集団の会話を盗み聴きしたりと、余裕がある分何かを楽しむ時間ができました。なんでもない日常が特別に感じるので毎日が冒険気分でした。

今では日本で生活することの方が少ないので、逆に日本のサービスの素晴らしさや、公共トイレの綺麗さ、日本のお米の美味しさなど当たり前だったことに対して毎回感動しています。

自分のこと大好き楽しいこと大好きなスペイン人を見ていて、生活の中で勉強の時間、友達との時間、自分1人の時間、とメリハリをつける事の大切さも学びました。改めて自分が幸せでいることの大切さと、心の健康がどれだけ大事なのかを考えるようになりました。

スペイン留学で日本人であることに改めて誇りに思った

語学を学ぶための留学でスペインに来ましたが、今ではこの国が大好きです。日本語が話せる人は世界にごく僅かで、いかに狭い世界だったのかすごく感じました。

語学学校では自分の国の〇〇を発表する授業があり、政治や宗教、歴史について話す機会があったのですが、改めて自分がどれだけ未知だったのか、学校での教育がいかに大事だったのかを痛感させられました。

スペインへ留学したにも関わらず、日本に対しての興味も出てきて、日本の良さも再確認でき、自分が日本人であることに誇りを持つようになりました。

スペイン語は世界で3番目に多く話されている言語なので、習得することでより自分のスキルを上達させるだけでなく、自分自身の世界を広げより人生を豊かにすることができていると感じています。

スペイン語を習得してより豊かな人生に

きっと不安が1番多くあると思います。正直慣れない生活や言葉に苦しむことはあると思いますが、それはどこへ行っても同じだと思います。でも毎日楽しそうに生活しているスペイン人を見ているとどこか力が抜けてきます。

日中は何かを頑張る時間、夜は友達と騒ぐ時間、時に立ち止まりながらスペインの生活を楽しむことができれば、とても素敵な留学になると思います。ぜひ、スペインへの留学を考えている方にはその一歩を踏み出していただきたいですし、スペイン語を取得してより豊かな人生にしていただきたいです。